TOT1979AR500AV


 とあるSNSで知り合った(?)「TOT」さん(<あ、語源(笑)は「TOTO」で、たぶん「トト」さんって読んでいいんだと思います)が所有されている1979年9月期のAR500AVです!!

 最初は他の話題(ま、IbanezのMusicianモデルの話題)だったのが、成り行きでAR、そして「ちなみに私もAR500(? 私が勝手に思っています。I79始まり)を持ってます。おんぼろですが。」とのことでTOTさんが画像を示してくださって、それを見た私は「おおっ!」とのけぞってしまいました。(笑)

 まずは、はい、画像を見てくださいっ!!




いかがでしょ?? きっと私がのけぞった理由もお分かりかと思いますが、この画像を見て私の応じた文面は以下の通りです:
>ってことで、おお、TOTさんもAR500をお持ちですか!!
>で、画像を見てびっくり〜!
>私、実物(?)、初めて見ました。最初期型の500ですね、これは...。
>となると(?)、そっか〜、やっぱり500だけでも3種類あるってことになりそうですね。なるほど〜...。以前、シンコーミュージックさんのJapan Vintageシリーズの執筆に協力し、それから単独で(笑)『Japan Vintage Collection Vol.3 アイバニーズの壱』を書いたのですが、う〜ん、是非とも掲載したかったところです...。
> ということで、すみませんが、TOTさん、もしよろしければ「AR愛好家の部屋」というサイト(あ、私が運営しているんですが(笑))に登録させていただけないでしょうか...?
> 詳細は別途。(爆)

ということで、別途、お願いをして今回の登録を快諾してくださったという次第です、はい。

 さて、それではもう少し詳しく説明を。

 まず、先だって我らが「横浜のS.Tさん」と久し振りにお会いすることがあって、そして全く別件で(笑)AR500のことに話が及び、その際に「AR500も前期型と後期型でコントロールの位置が違いますよね、そう言えば。HASENOBUさんの持っているのは後期型で、私のは前期型ですけど。」というような発言があり「あれ? そうでしたっけ〜?」と、非常に間の抜けた応答したばかりだったという下敷き(笑)があった。<って、あんまり関係なかったかな...?

 ま、一応、上記のことをはっきりさせるために画像で較べてみると:


 


左が1981年モデル(個体はSnowjayさんのH816086シリアル)で、右が1982年モデル(個体はT.Gさん所有のB826219)。ほんとはコントロールのアップが良かったんだろうけど、ちょっと他の理由もあってこういうトリミング。で、見ての通り、左の「前期型」では、ミニスイッチ3つとLEDを線で結ぶ(笑)と右上がりの平行四辺形って感じであるのに対し、右の「後期型」では、同様の箇所、どちらかと言うと左上がりの、ほぼ正方形に近い感じの四角形になってるでしょ??

 さらに(?)『Japan Vintage Collection Vol.3 アイバニーズの壱』を引っ張り出し、確認してみると、同書の117ページには1981年モデルと1982年モデルの違いについて「ヘッドの形状」が挙げられていたことも再認識した。<自分で書いていて忘れているという情けなさ...。ま、こんなもんです。(笑)

 という前置きの上で(笑)、もう一度、TOTさんの1979年製のAR500を見ていただきたい。<いきなり偉そう。(笑)

 何と言っても一番最初に目に入るのはフロントピックアップの位置。これは1980年のAR500(例えば、Mr.Foxさんの、そして横浜のS.Tさんの500を参考にして欲しいのだけれども)とは異なり、『Japan Vintage Collection Vol.3 アイバニーズの壱』でも紹介しているAR400と同じパターン。当然(?)ネックとボディ接合も1976年に登場した「26**」シリーズと同様となっている。(>あ、つまりボディからのバインディングが19フレットあたり。)
 ちなみに、TOTさんからの情報によると:
>他にAR300('81年)やAR112(同じく'81年)も所有しているのですが、
>この2つの個体とAR500の大きな差が2点。
>1.ボディ厚がかなり違い、AR500は薄くて軽くなってます。
>2.ボディとネックのジョイント部分が、AR500のほうが滑らかになっており、
>ハイポジションでの扱いが容易です。

とのことで、ええ、ええ、そうです、「1」に触れられている点については(前に、個人代行で2167を輸出した(笑))時に、そして、私自身が所有している(<忘れてた。(笑))1977年製の2619についても「ボディは薄く、4Kg程度」、1979年製のAR50BKもボディが薄いって自分で書いてました...。
 同様に、「2」の点についても、「ほぉ〜。こんなに薄いのか...。」と思いつつ、弾き易さを感じたものの、なるほど、後のARよりもハイポジションでの扱いが容易ってことかぁ〜、と納得、です、はい。

 そして、ボディトップの表情(?)が違う。1980年以降では同じメイプルであっても、いわゆる「トラ目」の材が使われているのに対して、TOTさんの500は(上記、AR400と同様)、一瞬、「え? これってもしかしてスプルース?」と思わせるような材が使われていることにも注意したい。(って、私が勝手に「注意したいなぁ。」と思ってるだけだけど。(笑))

 さらに、ヘッドの方にも注目して欲しい。(まだ言ってる...。)
 これまたヘッドストックの形状はもちろんだが、ここではペグに。
 見ての通り、つまみの部分が(多分)パーロイドと呼ばれる樹脂製であることを確認しておかねばならないところである。(...。あ〜、だんだん「上から目線」口調になってきた...。(笑))
 ま、これについては上記の本の113ページに同様のことを書いてますが。

 そして、今度はボディのコントロール部に視線を移すと...。
 おお...。これは、上でわざわざトリミングした写真まで使って説明した2種類とも異なったパターン...。って、ミニスイッチ近辺は初期型とほとんど変わらないか同じっぽいけど、そっちじゃなくて(笑)大きなコントロール、シュアグリップのついた方の位置を較べてみて欲しい。そうすると、これは初期型と後期型でも微妙に位置が異なっているけども、このTOTさんの500は、一番上のつまみ(マスターヴォリューム)がリアピックアップの右下、真ん中(マスタートーン)がブリッジとテールピースとの中間、そして一番下のつまみ(ブーストコントロール)はテールピース飾り(ちなみに英語ではcloudとか呼ばれてるようです)のでっぱりよりも下って感じで位置しているという...。

 と、ここまで書いて思い出した。
 「あ...。1979年のカタログ、借りっぱなしじゃん...。」(爆)

 で、確認したら、ペグは(恐らく「パーロイド」と後に呼ばれる素材のつまみを使った)「ベルベ・チューン」。ピックアップはSuper80。<あ、フライング・フィンガーの刻印つき。だけど(?)TOTさんの500は刻印なしとのことで...。またいずれ続報があるかも、です。(笑)

 ついでにもう一点。テールピースは「ジブラルタルテールピース」。これも1980年以降の500では斜めにスロットが入った「クイックチェンジ」に取って代わられることになる。

 ということで、書いているうちに思い出したことがあったりして再確認っぽくなったけど、ま、いいでしょう。(笑) とにかく、このタイプのモデルをカタログ以外で、現物を持っているということそのものに衝撃を覚えた私でした〜。

 TOTさん、ご協力、ありがとうございました!!
(ここまで2009年08月13日記)

 ということで(?)、早速、アップロードしたページをご覧になったTOTさん御自身から追加の情報がありました。
 この500、2001年10月頃に、e-Bayオークションにて入手されたそうです。う〜ん、20年以上経過しての里帰りってことですね〜...。これはこれで趣き深いものがありますね...。

 それから、ボディの薄さやネックの接合については「Erik Rさん所有の2617モデルが酷似しているように思います。厚さもあんな感じです。」とのことで、なるほど、やはりそうでしたか。<あ、これが(ま、そのページにも書いてますけど)私が「輸出代行」(笑)したギターです。

 さらに、そうそう、もう一つ。これは『Japan Vintage Vol.3』の14ページに記されていることだけど、この頃の500のコントロールノブの配置はまっすぐじゃなく、マスタートーンが少しだけブリッジに近くなっているという特徴(?)がありました、はい。

 以上、追加しておきます〜。また新しい画像などが届けられましたら(笑)追加更新します!
(ここまで2009年08月13日 追記)

 そしてさらにTOTさんから画像つきのメールが届きました。その返信を(多少、修正しながら)引用する形で情報の追加更新です。

---以下、引用---
 メール、ありがとうございました。
 昨夜、じっくり、楽しく読みましたものの、ピックアップのことで即答できず(笑)、です。

--- TOTさん wrote:
> さて、先程AR500のピックアップ引っ剥がし作業を終了いたしましたので、結果
> 報告をいたします。
> 以下がその時の証拠写真(?)です。フロント・リア共に見事に「SUPER-58」の
> 刻印がありました。
> 気になるのは、そこにあったスタンプのような数字「820125」です。これって
> YYMMDDなんでしょうか。
> とすると、後に付け替えられた(?)可能性ありってことでしょうか。

ということで、なるほど、SUPER58でしたか...。となると、う〜ん、これは交換された可能性が高いですね...。
 そして、スタンプの820125ですが、これについては諸説ありまして、TOTさんが感じられた(?)ように年月日を示すということも充分にありうる一方で、フジゲンの別ブランド、グレコについては異論を唱えてたりもしています。
 ま、Super58が出回り始めたのは1980年になってからというのが通説(笑)ですので、TOTさんの500のピックアップは、交換されたものと考えた方がいいかと思います、はい。

 それから、「ネックとボディのジョイント部分が滑らか...」の件については、分かりやすい画像をありがとうございました。今夜か明日にでも追加更新しておきます〜!!
---以上、引用---

 ってことで、まずは(?)、分かりやすいボディとネックの接合部について、TOTさんから送っていただいた画像を元に。

まずはTOTさんご所有のAR300('81年製)(<未登録(笑))の写真。



そして、続いてAR500の同箇所。



さらに、2本を並べた画像:



 これは、うん、一目瞭然ですね...。見ての通りカーブが違うってこと、分かりますよね。(言うまでもなく、左が500ですよ〜。)

 なお、TOTさんからは「ボディ厚を計測したところAR300=約50mm、AR500=約40mmで、10mmも違いました。ただし、重量はさほど差が無く、100〜200g程度の差でAR500が軽量でした。」とのコメントをもらっていますが、う〜ん、個体差はあるだろうと思いますが、もう少し差があるような気がします、はい。

 さて、問題なのは(?)ピックアップ裏のスタンプの解読について...。(涙)<私、実は(?)あんまりパーツには関心がなくって、当然ながら詳しくないないんです...。(爆) ってことで、実際はこれについてもTOTさんからは画像を頂き、また、別途(?)、他のAR300についても情報を得られたけれど、う〜ん、既にこの500の紹介とは別のトピックになってるような気もするんで、これは稿を改めて(いずれ(笑))記すこととします、はい。
(ここまで2009年08月16日 追記)
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