kazu1979ARCustomAV



 KAZUさんが所有されているレアなAR。KAZUさんの高校入学のお祝いとして、当時、星野楽器のデザイナーをしていた叔父さんからプレゼントされたそうです。(わお!!) しかも、「楽器ショー用に製作したものだ」とのこと。(ひぇ〜!)




 その時に一緒にもらった当時のカタログモデル(! 2本もARをプレゼントされた...? いいな、いいな!(爆))とは細部が異なっていたとのことで、以下のような点が指摘されていました:
 1. コードの取り出し口が正面
 2. ボリューム、ピックアップ切り替えのつまみが木製
 3. テールピースが埋め込み
 4. バインディングが微妙に違う
 5. LIMITED EDITION とフレットマークに入っている
 6. ARTISTのカバーが金色

ってことで、1〜6の確認用(?)にアップ画像を御覧下さい。








で、シリアルは見ての通り。1979年の2月、ってことですね。



トラスロッドカバーは金色。これはuz_335さんの所有の1979年製S2700モデルでもそうでした。



 ということで、いかにも「楽器ショー用に製作された」というのが頷けるような見事なトラ目のトップ。時期的に「AR国内デビュー」に向けてのプロトタイプだったのかなぁ...?
 画像をじっくり見て気づいたのは(KAZUさんも指摘されているように)バインディングが異なっていて、その模様(?)は今までに確認されたことのない「クリーム色(元は白?)に2本の太めの黒線入り」というパターン。しかも、通常のARではネックはただのセルロイドのバインディングが両サイドに張り巡らされているが、このギターは(サイド部についてはよく分からないけれど)指板上にもバインディングが...。フレットエンドの外ではなく内側に、である。う〜ん...。どういう仕組み(?)か分からないが、指板に細い溝を2本彫って、そこに薄いセルロイドをはめ込んだのか、それとも指板には手を加えず2本の白い線を描いたのか...?(爆)

 それからこの時期の、つまり2***モデルからARモデルへの移行期に見られるように、このギターもネックとボディの接合が通常のモデルとは異なっている。ま、ボディのカッタウェイの切り込みが深い(?)というか、か、ネックが長く見えるというか。(いとりんさんから東京のY.Kさんの手に渡った1979年製の2619モデルなどの画像で確認してみて下さい。同じみたいですね。) 表現を変えて言うと、市販モデルではネックとボディの接合が18フレットになっているのに対し、このギターは20、21フレット間あたりで接合しているみたい。
 
左が私の持っている1982年製AR500AVのジョイント部。右が上の写真の該当の個所の切り取り画像。ね?(笑) ピックアップのエスカッションとボディの縁との距離(?)が極端に狭いんで明瞭に違いが分かることでしょう。

 ちなみにどうでもいいことだが、フィニッシュがCSだとネックのメイプル材とボディのマホガニー材との色合いの違いがくっきり分かるけれど、PWは論外として(笑)、AVのフィニッシュではちょっと分かりづらい。ってことで、AR500AVのバック。ネックの付け根(笑)の辺り、サンバーストの黒が強くなってるでしょ?

 もひとつちなみに、これは完全に関係ないけれど(笑)GibsonのES-335では19フレットで接合している。)
 調子に乗ってついでに書くと(?)、上の画像で気づいたでしょうが、ナットはブラスと牛骨の合わせナット。<この仕様もこの時期の特徴。

 また、気になるコントロール部であるが、上の画像を見る限り、1Vol、1Toneで、それからフロント、リアピックアップ独立のトライサウンドスイッチがそれぞれあり、3バンドイコライザーを搭載しているもののブーストスイッチでオン・オフを切り替えるだけでそのブーストの程度をコントロールするノブはなし。(あ、LEDは付いています〜。)<ま、全体の増幅量の加減は3バンドイコライザーである程度は調整できるとは思うけれども。

 それから、細かいことだけれど、ピックアップセレクタのトグルスイッチの頭が「黒」というのも(AR2000では再現されたけれど)普通のARとは異なっている点かなぁ。

 ということで(?)、このモデル、回路的には後の500に受け継がれるもの、モデル名としては何なんだろう...? ま、やはり楽器ショー用の特別設計ってことで、暫定的に「1979ARCustomAV」ということにしておきましょうか...?(またアルニコさんに問い合わせてみます。(笑))
(ここまで2002年12月22日 記)

 で、アルニコさんに手紙を書きました〜。そしたら2時間後には返事が! ちょっと綴りが間違っているところもあるけれど(笑)参考までに、原文をそのまま引用!(爆):
> Since you are in Japan it could easily be a prototype. It looks like an
> AR500 in a way but it has a flame top and almost wine color. I really
> have no information on this model the jack on teh front is strange to me
> so it probably was custome made.

で、これについては既にAR掲示板に書いたけれども、この内容を大まかに訳すと以下の通り:
> ま、あなた(HASENOBU)は日本にいるんだから、例のギターはプロトタイプだと
> いうことでしょうね〜。一見、500に似ているけれど、フレームトップですし、色合い
> も(AVというより)ワインカラーですよね。このモデルについては皆目情報を持って
> いません。フロントにジャックがある、というのもあまり見ませんからね。ま、きっと
> カスタム製ですね。

以上、世界屈指の(?)AR研究家のアルニコさんにしても情報を持っていないという、実にレアな1979ARCustomAVでした〜!(って、勝手にモデル名をつけましたが、オーナーであるKAZUさんの了承を得たんでいいとしましょう〜。(笑))
(ここまで2002年12月24日 記) inserted by FC2 system