Aria Pro II TS-800
TS800



 極めて思い入れの強いギターである...。既に GIBSON のレスポールスタンダード、ES-335、それに(敢えて)イバニーズの AR2000 も入手した現在であっても私のメインギターはこの Aria Pro II TS-800 である。
 このギターを買った時のことは、既に書いた。白馬でアルバイトしたお金をつぎ込んで決死の思いで買ったギターだ。
 当時、私は大学1年生で、それまでフォークギターばかり弾いていて、エレキギターの弾き方も何も分からなかった。もちろん外国のギターについては知っていたが、ギブソンにしてもフェンダーにしても高くて話にならなかった。

 では、国産のギターでは?、となると、これまたたくさんあって選びづらい。堅実な所ではヤマハ、そしてグレコやフェルナンデス、といったメーカーが有名だった。しかし、(確信はないが)その頃の国産メーカーのギターは基本的に先の2つの海外メーカーのコピーモデルが主流であり、どれも似たり寄ったりで、どれがいいのか、悪いのかもよく分からなかった。
 そこに登場した(?)のが Aria Pro II のこの TS シリーズだった。(ちなみに、今でも持っている当時のチラシみたいなパンフレットによると、その発売は「1979.3.10」であったようだ。)
 同じモデルで一番下が TS-400、そして 500、600 というモデルがあり、この 800 はシリーズ最高峰であった。そして、確かに私はエレキギターに関しては全くの初心者だったけれど、どうせ買うなら長く使えるいいものを、と思ってこのギターを選んだのだ。

 ついでながら、その「チラシみたいなパンフレット」の謳い文句には「フュージョンミュージックが常識化した今、はやくも80年代のサウンドが求められている。誰れもが使っている道具で特徴のないコピーサウンドには満足していられない。これからは音の魔術師 Aria Pro II Tri Sound series。」とある...。そうかぁ、TS が、
Tri Sound の頭文字を取ったものなのは(ギターヘッドに書いてあるんで)知っていたけれど「音の魔術師」だったのだ...。
 

 で、どうせ誰も真剣に読まないだろうが(笑)、TS-800 の仕様を書いておこう:
ボディ: セン+メイプル+セン(ウォルナットストライプ入)
ピックアップ: DiMarzio Dual Sound ×2
コントロール部: マスターVol.×1
         マスタートーン×1
         P.U.セレクターSW
         ブースターVol.×1×1
         ブースターSW
         コイルタップSW×2
         フェイズSW×1
         6ポジションロータリーSW×1
ネック部: メイプル+ウォルナット5ピース(スルーネック)
      エボニーフィンガーボード
      650m/mスケール・24フレット
カラー: ウォルナット、ナチュラル

どうだ!(笑) 「DiMarzio Dual Sound ×2」やら「エボニーフィンガーボード」「24フレット」なんてのは素晴らしいと思うのだが、どうだろうか?(笑) で、コントロール部に何やらゴチャゴチャと書いてあるが、画像にある通り、実際、ゴチャゴチャしている。(爆) (ちなみに、理論上は(笑)、これらのコントロール部の設定では80以上の音色が得られるのだが。)

 ま、「コピーサウンドには満足していられない」とのことだが、TS シリーズの電気回路は B.C. Rich のイーグルやモッキンバードと同じなのだけれどね。(笑)

 しかし、何よりも私がこのギターで気に入っているのは、そしてこれを選んだ最大の要因は「スルーネック」ということだった。ま、当時の流行と言ってしまえばそれっきりだが(笑)、ボディの形状と相まって、高いフレットでのフレーズも実に弾きやすいのである...。こればかりは、この TS を上回る「演奏性」を備えたギターは、ついぞ(笑)見たことがない。(ま、探せばあるかもしれなけど。)

 ってわけで、腕に釣り合わない(笑)、非常に高性能なギターを手にした私は御満悦だった。このギターを買ったときに、同級生だった篠原(?)というギタリストが「うわぁ〜。これ、狙ってたのになぁ〜!」と羨ましがったこと、当時のフォーク研究会の部長だった渕上さん(?)というアドリブの名手がこれを弾いて「このギター、弾きやすいし、音もすごくいいよ!」と誉めてくれた(?)ことを今でも覚えている。

 そして、私はこのギターで初めてのリードギター「愛を止めないで」を弾き、そして以降、数々のステージで活躍(爆)したのだった。

 今では、あちこちに傷がついてしまったけれど、うん、こればかりは手放さないつもりである。(多分、だけど。(爆))
(2000年10月17日)

 う〜む...。まさかこのギターのページを更新するとは...。(笑) いや、別に手放すことになった、とかいうのではないんだが。

 奇しくも(?)ちょうど2年ほど前にこのページを書き、その時には「既に GIBSON のレスポールスタンダード、ES-335、それに(敢えて)イバニーズの AR2000 も入手した現在であっても私のメインギターはこの Aria Pro II TS-800 である。」と私は記しているのだが、私のギター環境(笑)はすっかり変わってしまい、AR300を入手したあたりから、このTS-800はメインギターの地位から落ちてしまっていた...。(このホームページのトップにはこのギターを弾いている写真も出ているものの、今ではソフトケースの中で眠っているのだ...。)

 さて...。話は跳ぶようだが、数多くのギターを手にした今でも「ヤフーオークション」のギターのコーナーを眺めるのは私の趣味となっている。イバニーズのページは、ほぼ毎日見るようにしている(笑)し、気が向いたときには他のメーカーの出品物を眺めたりもする。

 で、フェンダー、ギブソン、ヤマハなどの大手のギターメーカーであればヤフーオークション内に専用の分類ページがあるが、アリア(プロII)などは「その他」に入っている。(笑) で、そこからメーカー名で検索をかけたものをブックマークに登録しており、時々、確認していたのだ。>アリアプロII

 個人的にはアリアプロIIのPE(初期型)というタイプのギターが気になっている、ってのもあるが、ごく稀にTSシリーズが出されていることもあった。しかし、それは500や600であって、800は(少なくとも私が知る限りは)これまでなかったようである。

 ところが、つい先日「♪超レア&名作・国産オールド・モンスターギター?アリア・プロII(PU)はディマジオ」というタイトルが目について(笑)、出品されているのはもしや、TS-800...?、と思い見てみると、うん、確かにTS-800。フィニッシュのカラーは私のとは異なるナチュラル。
 ほほぉ〜...。ん...? 開始価格1円?(笑) で、今の価格が30,000円。だけど「最低落札価格に達していません」という状況...。ふ〜ん...。

 開始価格を非常に低価に、そして最低落札価格をべらぼうに高く設定する、ってのはオークションを食い物にする悪徳な輩の常套手段(笑)であるが、ま、この出品者もそうなのかな。(笑)

 で、意味なく、その説明を(誤字も含めて)そのまま再掲。(爆)

---以下、引用---
80年代に登場した、アリアプロの入魂の一作です。TS800と言う機種です。パール兄弟のセンスあふれるギタリスト・窪田晴男氏が、愛用したモデルでご存知の方も多いと思います。この機種は3機種ほど有りましたが、その中での最高峰のモデルです。しかしそのスペックは恐ろしい。プロスペック・コンポギターの感覚です。ではその全貌をご説明致します。今作ったら、一体幾らになる?でしょう......

●ボディ&ネックついて
ボディ材はセン・メイプル・センのラミネイトです。ストライプはウォルナットですね。これは!良い詰まり具合。凄い材です。云わずと知れたスルーネック。650mmのロングスケールの24フレット・指板は大変高級そうなエボニー。これだけでも溜息が出そう……………….クローシャンタイプのヘッド角は14度にセッティングされていて、理想的なテンション。ナットはブラス。ストリングス・テンショナーも必要なしです。フレットもほぼ残っています。ボディ子傷も余り目立たないです物です。

● PU(サウンド)について
いっぱいあるスイッチ類は「なんじゃこりゃ?」と、思われそうな感じですが、余り複雑に考えなくても良いのです。しかし、組み合わせで30種類の(そんなに使わないかも?)音色が作れると言う訳です。まずPUはディマジオのハイパワーPU、デュアルサウンド・これはスーパーディスト−ショント同じタイプです。少しつぶれた「ゴン!」と鳴るディスト−ションはこいつならではですね。しかし又又、ハイパワーPUにブースターが(ミニSW)ついている訳です。ハニャニャ。足元のブースターは要りません。ここがモンスターと名付けた理由なのです。ようするにアクティブ回路なのです。もっと気が利いているのが、バッテリーが切れてもパッシブとして機能するという事です。コイルタップもF、R独立、それぞれに効きます。あと、フェイズSW、そしてロータリーSWは6段階、ノーマルで(バイパス)2キロ辺りから300Hz付近まで、5パターンフリケンシーカットオフが出来ます。
---以上、引用---

 書き方も変だし、鼻につく(笑)記述もあるが、ま、情報としては全くのウソではないけどね〜...。しかし、一体、いくらになるのかは気になるところである...。ハニャニャ。(爆) 後日、また報告するかも。(しないかも。)
(2002年10月19日)
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