Gut Guitar crafted by M. Matano
Gut Guitar


私がギターという楽器と本格的に出会った(笑)のは12歳の時だ。ここで言う「本格的に」というのは、自らその楽器を奏でる、という意味である。私が中学1年生の時だったのだが、近所に住んでいた平松、という名前のクラスメートが(誕生日のプレゼントか何かで)ギターを買ってもらったのだ。
 で、彼とは仲良しだったんで、休みの日にはお互いの家に遊びに行ったりしていた訳だが、ちょこちょこと弾かせてもらっている内に(元来、小器用な(笑))私の方が数段上のギタリストとなった。(爆)
 その平松という友人は気前のいい奴で「ええで、ギター、貸したるで〜。」と言ってくれて「ほな、悪いけど、ちょっと借りるわ〜。」ということでそのギターをしばらく(って、数週間くらいだが)借りたこともあった。
 ま、たいていの楽器はそうなのだが「音を出す、とにかく鳴らす」こと自体は非常に簡単だが、それをきちんと演奏する、となるととても奥が深い。以来、(詳細は書かないけれども)すっかりギターにのめり込んだのであった...。

 で、関西から九州に引っ越した後も私のギター熱は冷めることはなく、NHKの「ギター講座」(講師は、かの荘村清志氏だ...!)と、叔母から借りた「東京音楽アカデミー クラシックギター通信講座」の教材フルセット(笑)とを頼りにひたすら練習を重ねたって訳である。(あ、ちなみに叔父にギターを買ってもらったのです、はい。そのギターは、とある理由で処分したのだけど。(爆) もう一つ、ちなみに(笑)このページで「ギター」と書いていたのは、いわゆる「クラシックギター」あるいは「ガットギター」と呼ばれる(高音がナイロン弦、低音が繊維ベース(?)の巻弦を使用した)ギターのことである。)

 その後、フォークギターやエレキギターに関心は移っていったのだけれども、やはり、ガットギターの、素朴な温かい音は忘れられない...。そして購入したのがこのギターである...。
 このギターの入手についても既に記しているんで詳細は割愛。(笑) ま、これも中古楽器なのだが、店に置かれていた20本近くのガットギターの中から、造りが一番しっかりしていて保存程度の良いものを選んだらこれだった、ということだ。
 音の好みについては、完全に主観の問題であるのだけれど、私自身は、このギターの音色、かなり気に入っている。「ものすごく伸びやかな高音、深く響く低音」だとは思わない(爆)が、そこそこに響くし、ネックや指板も手に馴染んで弾きやすい。

 サウンドホールから覗いて見える紙片(笑)によるとメーカー名なのかどうか分からないが「MEIKO」と書かれている。(「名工」ということか...?) そして製作者の名前は「M. Matano」。でモデル名(?)は「Concierto Gitarra」(ま、コンサートギター、ってことだ)...。製作年は「1967, A6」となっているが、 果たして「August, 6th」なのかどうかは不明だ。(スペイン語の8月は...、何だったっけ...?)
 1967年製、ということで、私にとっては一種のヴィンテージギターである...。(他の人に言わせればただの「古ギター」かもしれないが...。(笑)) これからも大事に使ってゆきたいと思っている。  
(ここまで2000年8月21日記す)

 唐突だが、福岡県久留米市に「アストリアス」というギターを製作している工房がある。
 アストリアスのギターは決して派手なギターではないけれども、完全に手作業でギターを丁寧に作るということで(量産はしないが、とにかくしっかりとしたギターを作るということで)比較的有名なブランドである。

 で、つい最近になって、ギター誌に、このアストリアスは以前は「MEIKO」というブランド名だったということが書かれているのを見つけた。

 ほほぉ〜...、となると、この私のガットギターもそうなのかも...、ってことで、先日、アストリアスの販売総代理店(?)の「ロッコーマン」のホームページを探し出し、そこの「ギターについてのお問い合わせ大歓迎」という掲示板に質問をぶつけてみた:
記事のタイトル:MEIKO
名前:HASENOBU 日付:2003/03/08(Sat) 13:24
初めまして。こちらに書いて良いものかどうか分からないのですが、私の所有する楽器にサウンドホールから見えるラベルに「MEIKO」、製作者の名前(らしき)「M. Matano」のサイン、モデル名(?)「Concierto Gitarra」、製作年は「1967, A6」となっているものがあるのですが、これは昔のアストリアスギターということでしょうか...?
 このギターのことについて何か情報がありましたらご教示頂ければ大変うれしいです。

すると、早速次のような返事が。

>MEIKO(Matano)はその通りアストリアスの前身の会社名です。
>A−6は当時6万円定価のもので、現在ではプレリュードと同等のものです。
>現在は15万円定価になっております。

おお...、何と!! 
 1967年というのは、ま、製造年だろうってことで間違いはないと思っていたが、その後のA6というのは、月日ではなく、モデルを示すものだったのか...。しかも、その当時、つまり今から36年前の6万円...、一体、今の貨幣価値で言うとどうなんだろう...?
 現在では現行の「プレリュード」というモデルと同等ってことだけれど、調べたところ、全く同じってことはなく、私のギターの方が「凝った」感じ、である。(笑)
 それに材料となる木材も、その頃の方が(多分)圧倒的にいいものであるはず...。ギターの雑誌などを読んでいても、全世界的な森林保護の流れとともに、希少な、そして貴重な木材はどんどん入手が難しくなっているらしいし、値も上がる一方のようだし...。

 ってことで、個人的には、私のこのギター、ヴィンテージものであることも考慮すると20万円以上の価値があるような気がする...。(爆)>かなりひいき目
 よぉし、これからも大事に弾いていこう〜っと!!(笑)
(ここまで2003年3月12日追記)
Gut Guitar
上記のギターでフラメンコを奏でる謎のフィリピン人ギタリスト(爆)




 ってことで、「これからも大事に弾いていこう〜っと!!」と書いたのが虚しいだけであるが(笑)、大事にケースに保管していただけ、であった...。(爆)

 ま、そういう訳で、ちっとも弾かなくなっているギター、持っていても意味がない。空々しく聞こえるとは思うが、弾かれない楽器ほど可哀想なものはない、というのが私の信条である。(爆)

 そこで、先だってオークションに出品し、あっさりと手放してしまった訳である、私が買ったときよりもかなり安い価格で。(涙) ま、いいけどね。

 ってことで、追悼記念にオークション出品時の画像、文面を以下に転載し、供養したいと思う。(爆)
---以下、転載---

Gut Guitar

Gut Guitar

Gut Guitar


サウンドホールから見えるラベルに「MEIKO」の文字、製作者の名前「M. Matano」(俣野(まさる?氏))のサイン、そして「Concierto Gitarra 1967, A6」と書かれています。ロッコーマンさんに問い合わせたところ、「A−6は当時6万円定価のもので、現在ではプレリュードと同等のものです。 現在は15万円定価になっております。」という返事でした。
 私自身、ファーストオーナーではないのですが、1991年頃に入手して、以来、ちょこちょこと弾いておりましたが、その後、エレガットなどを使うことが多くなり、この数年はケースに入れたままでして、使用していません。
 特に演奏上の不具合はないと思いますが、何分、ユーズドですので完全無欠、新品状態ではありません。ですが、オークションの性質上、試奏もできませんので、もしも落札された後に「これは困る。」という事態が生じましたら返品・返金に応じます。(ただし、受け取り一週間以内で、送料の負担はして下さい〜。(笑)) 購入時についていた非常にぼろいハードケース(かなり「やわ」なケース」(爆))に入れ、ダンボール箱で梱包して発送します。送料はご負担ください。
 なお、弦高、その他の情報については後日記載します。(あ、画像もアップします。)
 音については、もう、主観になってしまうんですが、なかなか表情豊かな、私にとってはしっくりくるモノでした。(ですが、弦も、この数年は張り替えてません。(爆))
 質問にはできる限りお答えしますので、どうぞお気軽に!!(最低落札価格も設定していませんので、早い者・見つけた者勝ちかも。) 

更新済み: 10月 31日 20時 42分


 昼間に撮影しようと思いましたが、すみません、仕事が忙しく、夕方になっちゃいました。>その結果、フラッシュを使いました...。
 さて、画像を追加しました。見ての通りです。 今日、ひさしぶりにケースから引っ張り出しました。で、改めて思ったのが、ま、40年近く前のギターですから、それなりの使用感はありますし、トップ、その他にも小さな傷はいくつも(!)あるということで...。そして、上にも書いたように、弦は何年も換えていませんので、う〜ん、音については、ごめんなさい、表現できません。
 なお、初めて使ったんですが、ヤフーフォトにも合計で14枚の写真を載せました こちらですので、興味のある方はご覧下さい。(撮影が下手ですみません。)
 で、仕様(?)についてですが、恐らく、トップはスプルースかと。単板のようにも思えますが、もしかしたら違うかもしれません...。(サウンドホールの辺りを見ると、う〜ん、何だか合板っぽいような...。) サイド、バックについても確信は持てません。(爆) ってことで、オール合板ということでアナウンスしておきます。(爆) なお、トップにはベアクローみたいな(笑)模様が少し入っています。バックはローズウッドだろうと思いますが、サイドは、色がかなり明るい茶色なんで、ローズウッドではないでしょうし、もちろんハカランダでもないです。
 私自身、弦高がある方が好きなんで、高めのセッティングをしてました。12フレットでフレット上から5ミリ前後です。購入時にはビビリが出るくらい低かったんで、そのサドル(オリジナル?)は、破棄して、プラスチックのサドルを自分で削って入れています。そのあたりは今回、落札された方で好きにいじってください。(爆) なお、ネックの反りはないと思います。<というか、設計上、完全にまっすぐではないとは思いますけれど。
 フレットの減りはありませんが、若干、変色、サビっぽい箇所がありますので、できる範囲内できれいにしておきます。また、指板(おそらくローズウッド)の手入れのため、弦は外しました。これも落札者の方でご準備ください。(私はダダリオのハイテンションのセットを使っていました。)
 なお、付属のハードケース、あくまでおまけ程度の状態だということも宣言(笑)しておきたいと思います。あ、それから、糸巻きですが、若干の亀裂みたいなのが入っているところもありますが、使用には支障ないと思います。
 それでは、質問なり「〜のアップ画像を!」というリクエストなどあれば、どうぞお早めにお願いします!!

更新済み: 11月 1日 12時 41分

昨夜、ナットの幅は「51ミリくらい」と書きましたが、今日、事務用のものさしで測ったところ、51.5ミリくらいかも、です。(笑) それから、清掃のためサドルを取り外しきれいにしようとしたら、私の不注意で折ってしまいました。(爆) ですので、ほぼ同じ弦高になる程度に新しいサドルを買って削ってからつけます...。

更新済み: 11月 1日 21時 5分

何度も更新してすみません...。<馬鹿みたいだ。
画像を14枚ほどアップしていたのですが、とある方からのご指摘で「何も入ってません。」となるのだが、ということで...。で、調べたところ、はい、すみません、フォルダの段階では「公開」、そして実際の画像が並んでいる段階では「非公開」になっていました〜!! 大変申し訳ありませんでした。>クリックしたのに閲覧できなかった方々。
 で、ついでに追記。(笑) 今回削っているサドルは牛骨のものです。で、後でお好みの高さにできるよう、少し高めにしておきます。では〜! ---以上、転載---

 ま、上にも書いているが、サドルのために楽器店に買いに行ったり、必死で削ったりして作業時間だけでも4時間以上を費やしてしまった...。あ〜あ。
(ここまで2005年12月23日 追記)

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