GIBSON ES-335
  ES-335  

 このギターは、うん、渋い...。
 う〜ん、いつごろだったろうか、ギブソンのES-335を意識し始めたのは...? 多分、1980年頃、だろうなぁ...。当時、「クロスオーバー」という言葉から「フュージョン」という言葉へとジャンル名が変遷していった、そういう類の音楽を好んで聴くようになった頃のことだと思う。
 ま、私が大学の1年、あるいは2年の頃のことだったように思う。それまでは、どちらかと言えば「日本のフォーク専門」(笑)だったのが、聴く音楽の分野をだんだんと拡げ始めたのだった。やはり、当時在籍していた「フォークソング研究会」の影響というのもあったと思うし、その部室のそばに「ジャズ研究会」や「ロック研究会」の部室があったことも関係があるかもしれない。
 順不同だけれど(笑)、その頃、聴き始めたものの中に、TOTO、Queenといった洋楽バンド(笑)、そして Jeff Beck、Lee Ritenour や Larry Carlton などのギタリストの音楽があった。ま、自分がエレキギターを買って弾くようになった、ということも大きく関係しているのであるが、ギター雑誌などを買うようになって、そこに頻繁に出て来る「名ギタリスト」の紹介や、奏法の解説などを読むにつれ、興味が湧いてきたのだった。

 中でも Lee Ritenour と Larry Carlton には、どういう訳か心惹かれた。うまく表現できないが、彼らのメロウなギターの音色が実に印象的だった。そして、当然ながら、セミアコが欲しくなった...。(そう言えば、その頃、高中正義も一世を風靡していたはずだが、彼の音は好きになれなかった。テクニックはすごいと思ったけれど、ギターの音がどうしても好きになれなかった。)

 しかし、いくら「セミアコ、いいなぁ。欲しいなぁ...。」と思っても、その頃の私は貧乏学生であり、すでにフォークギターもエレキギターも持っていたのだから、そう簡単に買える訳じゃなかった。それに、例えば、普通の(?)ソリッドギターであれば、国産の安いギターならば3万円も出せば、それなりのものが買えただろうが、セミアコタイプのギターとなると、安くても7万円、ってところだったのだ...。手が出ない...。

 また、その頃買ったオフコースの「Fairway」という楽譜集件写真集には鈴木康博氏が愛用のセミアコを弾いているモノクロの写真を見て「おお〜...。すっげえ、カッコイイ〜!」と思ったこともあった。(後で知ったのだが、鈴木氏が弾いていたのは ES-335 ではなく、バリトーンスイッチ付きの ES-355 というモデルだった。)
 
 ということで、20年来、欲しいと思っていたギターである...。そして、その念願が叶って、この夏、やっと手に入れることができた...。ま、それなりの金額ではあったけども楽器店で買うよりはヤフーオークションでの入手のため、安価(なのか?)で、だ。

 ま、私がいかにこのギターを望んでいたかはこれくらいにして、ギターそのものについて、だ。もちろん、完全に個人的な印象であり、かなりバイアスのかかった評価かもしれないが。(笑) 実に素晴らしいギターである...。
 まだまだ弾き込んでいないけれども、独特な甘いトーンは「素エレキ」であっても(笑)、充分に聴く人を唸らせるものである。ネックにしても、(恐らくレスポールと同じくらい)しっくりくる太さ、アール、幅、である。また22フレットまで、充分簡単に弾ける点も高く評価できる。さらには(これまたレスポール同様)オクターブ調整やテンションの変更が容易な点も見逃せない。
 アンプを通さずに鳴らしたときも、例えばヤマハのSA700とは異なり、全音域のバランスがよく、響きやサスティーンも申し分ない。
 ただ一つ、気にいらない点を挙げるとすれば、ボディが(ホロウモデルであるのに)重たい、ということである。多分、レスポールよりも重いのではないだろうか...? ま、これからステージで立って演奏する、というようなことも(皆無ではないにしても)滅多にないことだろうし、気にしないことにするけれど。(笑)

 ということで、とにかく名品ギターの風格充分のギターだ。一生大事にしたいと思う。そしていずれはじゅそ(<ノブっ子2号)へと引き継がれて行くことになるだろう。
(ここまで2000年9月23日)

 書き忘れていたことだが、このギター、シリアルナンバーは94015158である。例のギブソンレスポールの時と同様に、これを解読することは、できない。(笑) その方法だと、1995年の401日目(!)に生産されたことになってしまう。
 実は、このナンバーは「1994年に作られたギブソンのギターの中で通し番号で15158番目」ということしか意味していない。(1994年というのは、ギブソン社の創立者であるオーヴィル・ギブソン氏の生誕100周年ということで、通常とは異なるナンバリングのシステムで刻印されているのである。)

 はい、ただ、それだけ。(笑)
(ここまで2000年11月19日)
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