BlueBell W1000M


 これも「2015年秋の大処分祭」にて手放すことになるかもしれない(笑)アコースティックギター。

 今回、できれば知人に、と思って Facebook での宣伝などをしていたら、とある知人から「都内の小奇麗なマンション、1戸、買えるくらいつぎ込んだんじゃないか?」という質問を受けた。

 いやいや、それはないって...。確かに本数だけは100本を越えたりしたこともあったけど、新品当時の価格で30万円を越えているのがあるかどうかで、数十万円なんてギターが持っていない。ほとんどが10万円以下のモノ。

 その中にあって(笑)、1970年代に「10万円」の定価だったのが、この BlueBell W1000M。さて(?)、恐らく1975年前後に製造されたこのギター、う〜ん、「40年前の10万円」というのをどう捉えるかで、大きく評価は変わるだろうなぁ...。

 ちなみに(どうでもいいことだけど)1961年生まれの私は、当然、1975年には14歳...。ふむ...。九州の片田舎に住んでいて、おじさんから買ってもらった(恐らく、数千円の)ガットギターを一所懸命に弾いていた頃だ...。で、周りのクラスメートの影響で、いわゆる「フォークシンガー」(笑)を知り、井上陽水やかぐや姫などにはまっていた時期だ...。

 って、こんな話をしても仕方ないけど、憧れの「フォークギター」を手にしたのは、う〜ん、高校一年の冬休みだった、かな...。新聞配達のアルバイトをして貯めたお金と、保護者(笑)からの援助とで、Morris の W-40 っていうドレッドノート型を買ったんだっけ...。(懐かしい...。) 当時、値引きなんかなくって、ハードケース込みで5万円くらい払ったのかなぁ...?

 (「井上陽水」名義での)陽水のデビュー当時は、確か、S. Yairi の YD-304 を弾いていたんじゃないかと思うけど、それでも8万円くらい? プロですらレコーディングで使っていたギターがそうだったんだ...。<って、時代はもう少し遡ることになるけど。

 で、話を BlueBell に戻して...。

 大学に入って、 Blue Grass という呼び名を知り、「フォークソング研究会」にも、その手の、いわゆるカントリーミュージックをやっている先輩がいたりして、たぶん、その頃に「BlueBell」というブランドを知ったような気がする...。<1979年のことだ。

 だけど、その頃には、バンド形式で「オフコースをやりたい!」と思い始めていたため、エレキギターに関心は移って行った。(<って、また関係ない話だ...。)
 
 それからどど〜んと時は流れ、ギターの趣味も多種多様になった。アコースティックギターのフィンガーピッキングに興味を持ったり、クラシックギターの世界に浸かったり、色々と紆余曲折があって、実にたくさんのギターを手にするようになった...。

 だけど、手は2本しかない。(爆) 当然、一度に何十本も弾ける訳ではなく、死蔵してしまった可哀想なギターがどんどんと増殖...。

 ってことで、入手以来、ほとんど弾いたことのない(爆)ギターの一つが、このBlueBell W1000M...。

 とある時期の Martin D28 をお手本としているんだろうけど、使用されている材は、かなり厳選されたものだと思う。だけど(?)本命の Ibanez の Artwood が数本、手元にあれば、ごめん、この BlueBell W1000M の出番は、ない...。<ひどい書き方だけど...。

 ま、そういう次第でヤフオクにて売り払うことを決意。

 ということで、出品時(2015年9月30日)の説明を転載:
---以下、引用---
★売り切り★ 単板 BlueBell W1000 MADE BY TAMA (1974年製?)

BlueBellブランドのギターは、もう1本あるはずなんですが、保管場所の問題があり機材整理を、ということで取り敢えず、上位機種の「W1000」を手放すこととしました。

オークションのタイトルに「TAMA」と書いているのは、BlueBell ブランドのギターは、製造時期によって製作工房は異なるようですが、このW1000については、ボディー内部シールに「MADE BY TAMA」との表記があり、そういう意味では「TAMA」ブランドの TM シリーズ、あるいは「Ibanez」ブランドの AW シリーズと兄弟であるということですから、どうかご了承ください。(ま、知らない人には何の話なのかも分からないかもしれませんが、そういう方は、入札しないでください。(爆))

と、いきなり挑戦的なことを書きましたが、このところ、「ヤフオクで安く買って海外オークションにて出品」という苦い経験をしたということで、そのあたりのことを、ちょっと想像してください...。

さて、1970年代から1980年代あたりにかけて、どちらかというと「ブルーグラス系」のギタリストに愛用されていたであろう、BlueBell の W1000(M)です。

ギター内部の、ネックストックに見られるシリアルナンバーは4840285ですから、もしかしたら「1974年製」かもしれないし、また「1984年製」かもしれません...。あるいは「昭和48年」ってことで、「1973年製」かもしれません...。<TM や AW については体系的なナンバリングらしいため、断言できますが、BlueBell については詳しく存じません、すみません...。が、TAMA が1984年までギターを作っていたとは思えないのですけども...。

ちなみに「BlueBell」、「ギター」などをキーワードとして Google などの検索サイトで調べていただければ、それなりの情報が出てくるかと思います。、

ということで、J-Guitar.com でヒットした(1981年製の)W-1000 の説明をぱくって(笑)おきます:

---以下、勝手に引用---
BLUE BELL W-1000 / Made by TAMA・Solid German Spruce Top・Solid Rosewood Side and Back・Diamond Inlay・Herringbone Binding【With Hard Case】1981年製
comment
稀少なTAMA製 BLUE BELL W-1000の入荷です! ヘリンボーン・バインディングにスノーフレイク・ポジション、ヘッドには'70年代グローバー製ゴールドチューナー、べっ甲柄ピックガードとシンプルながら高級モデルならではの仕様です。トップは稀少なジャーマン・スプルース単板、サイド&バックはローズウッド単板、エボニ?指板&ブリッジでオール単板のジャパンヴィンテージです。サウンドはタイトでパワフルな低域とクリアーで歯切れの良い中域にドイツ松の煌びやかで透明感の有る高音域は魅力です。状態は軽いスクラッチ傷や軽い打痕は有りますが、目立つ酷いダメージも見られず年代を考えれば綺麗なコンディションを保っております。トラスロッドはナット下に有り調整可能で余裕も見られ、弦高も12F6弦で約2.7mm、サドルの余裕も約2mmありネックを含めプレイヤビリティも良好です。中古市場でも滅多にでない稀少モデルです。ハードケースも付属した、お買得なレア・モデルです!

top: ジャーマン・スプルース単板
side: ローズウッド単板
back: ローズウッド単板
finger board: エボニー指板
neck: マホガニー
---以上、引用---

上のギター、今でも検索すればヒットしますけれど、ハードケース付きで10.1万円で売れたようです。

また、別の個人の方のサイトには以下のような記述がありました:

---以下、勝手に引用---
この度ヤフオクで入手したBLUE BELL W-1000は外観において多少打痕や傷がありましたが材の割れや剥れはなくリペアの必要はありませんでした。音に関しては低音域のボリュームと高音の伸びにショックを受けるほどでまったくパワフルな音に圧倒されてしまいました。

本器はTAMA製でシリアルナンバーが6から始まるので1976年製造ではないかと思います。仕様はトップがジャーマンスプルース単板、バックは2Pローズウッド単板、サイドもローズウッド単板、ネックはマホガニー、指板・ブリッジはエボニー、ペグがグローバーゴールドといったところです。ペグは入手時ガタが来ていたのでゴトー製に交換しています。サドルは象牙製でしたが低すぎたので新規に牛骨で作製しました。サイドの割れ止めはテープ状のものが付けられています。また、ネックの調整はナットを外してその下に隠れているトラスロッドを回すようになっています。

本器の特徴として挙げたいのはバックの材で、部分的にマホガニーに似た木目を持っており全体的にもローズウッドとマホガニーの中間のような木目になっているように思います。

見た目はそれ程凄さを感じませんが弾いてみてその実力には本当に驚かされました。

上位機種のW-1500やW-2000はいったいどれ程かさらに興味津々であります。
---以上、引用---

音の記述については、かなり主観が入ってくるため、私自身は強く主張したいことはなく、「購買心をそそるような煽り言葉」も使いたくありません(笑)が、「う〜ん...。やはりハンドメイドだけあって、しっかりしてるなぁ...。」と思います。知人に譲渡した Martin D28 に決して引けを取らない豊かな鳴りのギターだと。<あくまで個人の感想です。

また、1970年代の「BlueBell」のカタログなどは以下のURLをご参照ください:
http://www33.tok2.com/home/jacar/all-list/Bluebell-70L.htm
http://www.oldguitar.jp/catalog/bluebell/BLUEE%20BELL%2076_0007.jpg

全体的なコンディションは、40年ほど前のギターだということを考えれば、かなり良いほうだと思いますが、新品ではなく、それなりに弾かれたギターです。当然、ボディにも線傷やストローク痕(?)もあります。USA Patent Pending の刻印のあるグローバーのゴールドメッキも、それなりに、です。サドルやナットは、おそらくオリジナルの牛骨だと思います。

2枚目の画像でお分かりかと思いますが、トップに若干の「日焼け」というか、くすみ(実際には「白っぽい斑点」)があります。(画像、向かって右上、左上、そしてサウンドホールの左) ネックは(トラスロッドはいじってませんが)少し順反りなこと以外には気になる点はないと思います。サドルも(私は)いじっていませんから、弦高を調整することは可能です。

画像にはありませんが、古ぼけたセミハードケースに入れて、エアキャップを巻いて発送します。(通常の宅急便、もしくははこBoonで。)

なお、上の方で書いたことと通じるのですが、このような国産のギターを安価で入手し海外のオークションで高い値段で売りさばくような入札者はお断りします...。評価を確認し、そういう入札者は取り消すことがあります。(>それによって私の評価が下がっても構いませんので。)

すみません、色々と書きたい放題書きましたけれど、このギターを大事に弾いてくれる方にお譲りしたいと思っているということで、笑って許してください...。

最後になりますが、機材処分での出品ということで、ノークレーム、ノーリターンということでお願いします。(その分、送料込みにして、開始価格(=最低落札価格)も相場(?)度外視にしています。単板、ハンドメイドの国産ドレッドノート、いかがでしょうか??
---以上、引用---

 で、出品にあたって(ある意味、発掘された)このギターをじっくりと観察...。うむ...。若干の「ネックの順反り」があるみたい...。かと言って(?)、トラスロッドは、う〜ん、ヘッド側に良くある「トラスロッドカバー」はなく、また、ボディ内部にもそれらしきものは見当たらない...? ヘッド裏のネックとの接合部分には、いわゆる「ボリュート」もあるし、これって、S. Yairi みたいな「SQネック」ってことなのかなぁ...?<同社が打ち出した「永久保証」の堅牢なネック。

 そこで、気になってインターネット上で調べてみると、あらら、何と「トラスロッドはナット下」だったのか...。

 と、出品の翌日には「トラスロッドの余裕はありますか?」との質問が。

 そこで、張っていた弦を(ボールエンドの方で)外し、確認しようとするものの、う〜ん、ナットは接着されていて簡単に取り外すことができない...。そして、これまでに取り外されたような様子もない...。

 ということで、むしろ(?)サドル側の調整で何とかなるレベルということで、サドルを取り外し、汚れを落とし、ついでに耐水ペーパーにで研磨し、0.5ミリほど削る。

 ちなみに、手入れをする前のサドルの高さは以下の通り:
1弦部分: 6mm
2弦部分: 7mm
3弦部分: 7.5mm
4弦部分: 8mm
5弦部分: 8mm
6弦部分: 7mm

その時の(あ、つまり、削る前の)12フレット上では6弦が(1円玉が2枚入って、ちょっと余裕がある)2.2ミリの弦高。1弦側は恐らく1.8ミリくらい。

 サドルにしてもナットにしても、あるいはトラスロッドにしても、その調整は個人の好みもあるだろうから、ってことで、サドル本体(笑)は、う〜ん、1ミリ削ったかどうか...。

 結果、12フレット上、6弦側で2ミリ以下となった様子。<1円玉2枚が挟まっても落ちない状態に。

 だけど、これは、ほんと、個人の好みの問題。テンションが下がることを嫌がる人もいるだろうし、「ビビリ」が出るか出ないかくらいの弦の低さを好む人もいる...。

 ってことで、以下、オークション出品のために用意した画像、そして、質問を受けてトラスロッドをいじろうかと思って作業した時の画像(似たような画像がたくさんあるけど、確認して消去するのが面倒なんで、そのまま掲載〜♪):

















































(ここまで2015年10月01日)

 順調に取り引きは進み、10月8日には新たなオーナーの手元に。そして、その方からは:
「本日午前中、無事に商品届きました。只今チェックさせて頂いたところ、とても満足いたしました。^^ まさに詳細な説明の通りです。^^ 僕はベーシストなのですが、エレキベース、アコギともに70年代〜80年代初頭の日本のメーカーは、とても好きなのです。^^ ホームページ楽器紹介文も、とても参考になりました。梱包発送作業等お手数おかけ致しました。大切に使わせて頂きます。ありがとうございました。また何か機会ありましたら、どうぞよろしくお願い致します。」
との連絡が。いやぁ、良かった...。例のごとく、入手してもほとんど弾かなかった私だから、ギターに対して顔向けができないという、後ろめたい気持ちが、少し、晴れた...。


(ここまで2015年10月12日 追記)
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