Martin 000-16GT


 ってことで、2月23日、即ち「富士山の日」記念に買った3本のギターのうちの2本目は、なんと、マーチン。(2月23日が「富士山の日」ってのは本当だが別にそれを記念して買ったのではない、念のため。)

 とは言え(?)、ギタリストの垂涎の的であるD-45、35、28などのドレッドノートシリーズではない。自分でもまさかこのタイプのギターを手にすることになるとは思ったこともなかったのだが(笑)、000(トリプルオー)即ち、オーディトリアムタイプのギターをゲット!!

 で、この1999年製マーチンギター(シリアルナンバー701888)の正式名称は「CTM 000-16GT」である。最後の「GT」ってのは何の略なのか分からないが、「トヨタ2000GT」などのそれとは異なることは間違いない。(何を書いているんだか...。)

 ひょんなことから(?)、知人の女性(関西セッション参加者)があんまり弾かないからもう手放そうと思っている、2、3万くらいでいかがですか、とメールを送ってくれて、「おお。マーチンがその価格なら! もっと高くても買いますよ!」と二つ返事で商談がまとまり、関西セッション終了後に品物の受け渡し。(笑) (もちろん、上の金額で買い叩いてはいない。(笑))

 その方は、「ネックの塗料が何だかべたつく感じがする...。保管が難しい...。」ということもあったそうだが、帰宅後、取りだしてみたが私には「べたつき」は気にならなかった。(笑) 保管、ということでは、う〜ん...。どうなることやら。(爆) 別の知人の掲示板でマーチンの塗料、保管の方法などについてのスレッドがあって、知識としては分かっているが、いい加減な私のことだ(笑)、他の多くのギター同様、手荒に扱うような気もする...。

 さて、音色、ということで話をすると...。
 今の時点では何とも言えない。(笑) まだまだ若いギターであるし...。主観もあるけれども、ヤマハのダイナミックギターの方が数段上であるように思う。だが、今後どうなるかは分からない。いや、分からないというよりも、どんどんと音が成長してゆくことを期待し、信じている。

 これを譲ってくれた方からは「転売してもいいですよ。」との(笑)言葉は頂いているが、あとしばらく(数年?)は様子を見てみようかと思っている。

 ちなみに上に出している画像はこのギターではない。(爆) 現行の000-16GTはボディトップがつや消し塗装になっているようだが、私のは普通の(?)マーチン特有(?)の薄いラッカー仕上げである、多分(笑)。あ、それから上の画像ではサウンドホールからラベルがのぞいているが、私のにはラベルはない。

 で、2000年夏に発行された『Acoustic Guitar magazine Vol. 5』の新製品紹介のコーナーに現行の000-16GTが取り上げられていたんで、勝手にここに引用。(爆)

「プロミュージシャンにも高い人気を誇るマーティン・オーディトリアムに、このたびグロス・フィニッシュの000(トリプル・オー)が登場した。スプルース・トップにヘリンボーン・ロゼットを配し、サイド&バックにはマホガニーを使用。ブレイシングにはスキャロップ付きのハイブリッド "Aフレイム" ブレイシングが採用されている。新しい素材やフィニッシュをどんどん取り入れていく姿勢は、ただ伝統を守るだけではない、ギター・メーカーとしてのリーダーシップを証明している。」

 ふむふむ...。そうかぁ。
 もう一つちなみに、このギター、恐らくハードケース込みでの定価は「190,000円」とのこと。>現行の000-16GT 実売価格はもっと安いとは思うけれど。

 ってことで、また折を見てこのギターについては書いてゆきたい。
(ここまで2002年02月26日)

 ま、そういう訳で(?)、このギターを入手してまる2週間が過ぎた。この時期、公私共に色々とあってなかなか忙しくのんびりとギターを弾くことがなく、この2週間でこのギターを弾いたのは30分弱だと思う。(笑)
 よって、音のことを詳細に述べることはできないのだが、上で書いた「ヤマハのダイナミックギターの方が数段上であるように思う」というのは取り消す。(爆) いや、ダイナミックギターの方が上だというのは(現時点においては)間違いないけれども「数段上」という程ではない、ってことで。響き(残響? 共鳴?)については確かにまだまだって気もするけれども、ミディアムのピックでのストロークでは、非常にバランスの良い、粒の揃った音、立ち上がり(?)って感じなのだ。オーディトリアムであるから、もちろん、ストロークでガンガン鳴らす訳じゃないけれども。(笑) アルペジオ、スリーフィンガー、あるいは単音のフレーズが得意分野のギターであるのは間違いないけれども、サラリと(?)したストロークも心地よいのだ。

 で、音以外のことについて少し書くと...:

 まず、ネック。これは(当たり前だが)通常のフォークギターと同様、クラシックギターよりも細く、しかも、薄い。ネックの形状はギターメーカー次第でそれぞれに独特の厚さ、アールがついているのだけれど、トリプルオーがこんなに細く薄いとは知らなかった。私のアコースティックギターの「標準」になっているのは(あまり意識したことがないけれど)かつて所有していた K. Yairi YW600 である(ような気がする)。そのためか、この CTM 000-16GT は、う〜ん、何だかエレキギターのネックを握っているような印象である。ちょうど、ストラトプラスと同じような握り具合である(ような気がする)。
 もちろん、このことそのものはいいとか悪いとかいうことではなく(笑)、好みの問題であるんだけれど、今の私(?)にとっては少し物足りないような印象を持っている。ま、これは「慣れ」でもあるから、じきに気にならなくなるかもしれないし、「実にしっくり!」と思うようになるかもしれない。

 ついでにフィンガーボードのことについて言うと、さすがマーチン、このクラスのギターであっても良質のエボニーを使っている...。私が所有しているギターでエボニー指板であるのは(多分(笑))7本であるが、これはオヴェーションコレクターシリーズ1983年モデルに次いでしっかりと目の詰まった堅牢な感じのエボニーである。うむ...。
 そしてフレット形状も実にスタンダード(?)なものである。これまたギターメーカーの特徴が現われる部分であるけれども、フィンガリング(運指)に大きく影響(笑)するものである。普通に押さえる分にはさして影響がないけれども、(特にエレキギターの場合は)チョーキング、そしてスライド、プリングオン、プリングオフなどのときに、フレット次第ではちょっと違和感を感じたりすることもあるのだ。(例えばレスポールスタンダードなどは私にとっては弾きづらいものだ。ES-335の方は弾きやすいけれども。(笑)) で、この点、この000-16GTは及第点である。(笑)

 その他、これは私には関心がないところだが(笑)、ボディの傷(?)について。
 これは驚くほど少ない。ボディトップ(表板)に極く僅かながら、米粒半分くらいの当て疵が3個所ほどあるだけで、しかもこれらは光の反射(?)しだいでは全く気づかないほどのものである。もちろん、私には全く気にならないことであるが。(笑) 以前の所有者が細心の注意を払っていたことがうかがえるところだ...。ま、ピックガードにはそれなりの痕跡があるが、あって当然である。というか、そのためにピックガードがあるのだから。(笑)

 ってことで、000-16GTの画像を幾つかアップしておきたい。(?) まずは全景。(笑)

Martin CTM 000-16GT

ね? サウンドホールの中にはラベルがないでしょ?(いや、だからどうしたって訳じゃなく。(笑)) ちなみにこの写真は私の自室(通称「男の城」、略称「城」、そして妻や子供は「ノブ小屋」と呼ぶ)である離れ(笑)の前庭である。下の緑色のはもちろん私の愛するアイビー。城壁(笑)にも絡まっていっているが。(笑)

 そしてこれがヘッド部。

Martin CTM 000-16GT
 

 象眼のような埋め込み細工ではなく、ただ書かれているだけ、ってのはちょっと悲しいが、ま、仕方ない。

 そして(あんまり意味はないけれど)サイドから写したところ。胴体の面積が小さいだけでなく、ボディの厚さもドレッドノートほどではない(ま、当たり前だけど)ってことが見て取れると思う。

Martin CTM 000-16GT

 ということで、またいずれこのギターについては記したい。
(ここまで2002年03月09日)

 「またいずれ」と言いつつ8カ月が過ぎた。この間(?)、新たに判明したこと、思ったことなどを記す。

 まず、上の方で指板について「しっかりと目の詰まった堅牢な感じのエボニーである」と述べたが、訂正したい。(爆) とある方が私の掲示板に書いて教示して下さったのだが、このギターの指板の素材はエボニーではなく「ミカルタ」という新素材らしい。詳細は不明だが米国宇宙局、つまり「NASA」が開発した素材らしい...。ふ〜む...。見た目からして完全にエボニーだと思っていたんだけれど、新素材だったとは...。(で、そのミカルタなる物質については知らないんだけれど、ファイバーカーボンなどの類なんだろうか...?)

 それから「サウンドホール内にラベルが貼られていない」ということについて。
 もしや「並行輸入品...?」などとも思っていたのだが、愛用者カードには(日本での販売の総代理店である)黒澤楽器店の印もあるし、「マーチンクラブの加入申込書」も付属していることを考えると、その可能性はないみたいだし...、と不思議に思っていたわけだ。
 が、これについても謎は解けた。(笑) 先日、お茶の水に行ったときに(黒澤ではなかったけれど)立ち寄った楽器店で店員さんに「あのぉ、トリプルオーの16GTにカスタムなんてあるんでしょうか?」と尋ねたところ、「ああ、それは黒澤さんがマーチンに依頼して作ってもらっている分ですね。ま、何が『カスタム』なのかはその時によって違いますけれど。例えばヘッドの仕上げが違うだけ、ってこともありますよ。」との明快な回答を得た。

 あ、それから、最後の「GT」ってのは何の略なのか分からないということも上に記しているけれど、これは「Gloss Top」の略であるということもその後の調査で判明したことも付記しておく。

 さて、入手後、しばらくはケースにしまいこんでいたのだけれど、このところちょこちょこと弾いていて、それで感じたことを一つ。

 付属していた英文の取扱い説明書には「弦は最もけちってはならないものですよ〜。」と書いてあったが、実は、私はまだ交換していない...。(爆) で、もっと言うと、このギターの前オーナーも「張り替えてお渡ししようかと思っていましたが、結局、そのまんまです。」とのことで、1年以上、場合によっては、2年ほど前に張り替えられたっきりかもしれない。(弦の巻き方からすると、これはショップで交換されたものではないと思われる。>そうでしょ、Cさん?(笑))

 だが...。恐るべし、マーチン...。(笑)

 通常、ギターの弦は張られた瞬間から劣化が始まり、その寿命は極く短い、と言われているのだが、マーチンのギターの場合には「弦が古くなっても、それなりのバランスの取れた響きがする」との話を聞いていたが、まさにその通り。もちろん新しい弦を張ったときの「艶やかな響き」ではないけれども、私には十分な、まだまだ使える(笑)音がする...。いや、実験するつもりはないんだけれど、まだしばらくはこのまま使うつもりだ。
(ここまで2002年11月24日)

 さて、「しばらくはこのまま使う」と書いていたんだけれど、その後、一度弦は交換した。が、相変わらず弾くことがなく、おまけにエレアコをさらに買い足したりしたもんだから、尚一層、このマーチンは可哀想な状態だった。
 と、元の所有者の方から、「あのマーチン、また弾きたくなりました。」とのことで私が譲ってもらった時の価格で返却することになった。(笑)
 ってことで、う〜ん、このマーチンのネックを握っていた(あ、つまり「弾いた」って意味ですよ。(笑))のは、どんなに多く見積もっても90分くらいか...?
 今日、発送する前に2分ほど弾いたけれど、う〜ん、特に音が成長したとか、退化した(笑)というようなことはなさそう。

 2002年の「富士山の日」に入手した、このギターとのつきあいは1年半弱で、実質90分弱...。う〜む...、縁がなかったんだなぁ〜...。

 さて、ここから「お気に入りのMartin探索の旅」が始まってしまうのか...?(爆)
(ここまで2003年08月06日)
コレクションのページへ戻る inserted by FC2 system