Chet Atkins SST Studio



Chet ひさびさの「やっちまっただ...。」である。
 って、そんなに久々でもないか。(爆)

 ま、それはさておき、このギターの購入のいきさつから書こう。
 
 実は、自分で買っておきながらこう言うのもなんだけれど、取り立てて欲しいと思っていたギターではない。(爆) ま、たまたま立ち寄った店で安く出ていたんで、という、それだけのことである。

 もう少し詳しく話すと:先だって東京出張の際に、帰りの飛行機までまだしばらくあるからということでお茶の水界隈に足を向けた。本当なら(?)半日、いや、丸一日かけてあのあたりの大小様々な楽器屋さんを巡りたいところではあるけれど、そうもいかない。(いかないことはないかもしれないが、涎の垂らしっぱなしで精神衛生上も良くない。(笑))

 最近は(ついにAR550、500も手に入れたということで)エレキギターにはもうそれほどの興味はない。(あ、「興味はない」=「弾くつもりがない」ではなくって。(笑) もうこれ以上買い足そうというつもりは(今のところ)ない、ということ。) 従って(?)これからは(爆)アコースティック、もしくはエレアコに走る予定である。(おいおい、「走る」って...。(笑))

 で、この時には6軒ほど軽く見て回っただけだったのだが、そのとある店(って、シモクラセカンドハンズPart IIという店なんだけれど)で、2本、気になるものがあった。一つはヤマハのCPXシリーズのエレアコ。(新品での)定価は15万円ぐらいのもので、かなりの美品が半額強の値段。う〜む...。このシリーズではサドル下のピエゾマイクに加えてコンデンサマイクがサウンドホール内に仕込まれているはずだ。で、それらをブレンドすることでかなり良い響きが得られるというもっぱらの噂である...。
 だが、う〜ん、ナチュラル仕上げか...。いや、ギターのナチュラル仕上げは嫌いじゃないけれども、(マーチンなどの)本格的純アコースティックギターの場合はともかくとして、せっかくのエレアコであれば、色つきの方が...。

 そして、もう一本の「気になったギター」というのが、今回購入した「エピフォン社製 チェット・アトキンスシグニチャーモデル」である。「チェット・アトキンス」というギタリストのことは何も知らないが(笑)、ギブソン社からそのシグニチャーモデルが発売されていることは知っていた。(以前、(オヴェーションのエレアコを買うときに)手を出しかけたこともある。)
 で、楽器店の店頭に、正確に言えば、一階から二階へ上がる階段の途中の壁にぶら下げられていたのを見て、そしてその価格を見て「ほほぉ〜...。これだったら気軽に買えるなぁ...。」と思ったのだった。

 だが、研修会、そして学会ということで東京に出張したというのに、いきなりこんなものをぶら下げて帰ったら、家族から非難の声を浴びせられること、必至である...。(妻はともかく、子供に対してしめしがつかない。(爆)) ということで、その場は引き下がって(笑)、何も買わずに試奏もせずに広島に帰った。

 ところが(笑)飛行機に乗ったあたりから、そして家に帰ってからも「う〜む...。あれ、買っておけば良かったかな...。」という思いが強くなり始めた...。逃した魚は大きかったのかも...。(意味不明)

 ってことで、翌日の月曜に、職場で休憩時間(?)にインターネットで色々と調べてみた。>このチェット・アトキンスモデルのこと
 ふむふむ...。そんなに目茶苦茶悪いギターじゃないみたいだぞ...。どうやら韓国製らしいけれども、そういうギターを1本くらい持ってみるのも悪くない。(爆) で、夕方、店に電話をして押さえてもらう。(笑) ただ、「ちょっとマイクの調子が悪いみたいで...。音が割れるような感じで、こちらで詳しいチェックをしてリペアに出すことになるかもしれませんが。」とのことだったが、とにかくそれでも(笑)押さえてもらい、後日連絡をしてもらうことにした。
 木曜に「内蔵バッテリーが切れかかっていただけでした〜。」とのことで、問題なしという連絡があり、即、注文。そして今日(11月23日(土))、到着。もちろん、例のごとく、自宅にではなく職場に。

 弾いた感想、並びに気づいたことを簡単に書くと:
・ボディはソリッドで空洞はなく、従って生音はかなり小さい。
・とは言え、普通のエレキギターよりは鳴る。(笑) ま、弦の種類もテンションも異なるからだが。
・ただし(?)、ES-335(セミアコボディのエレキギター)よりも小さな音。(笑)
・ネックはやや厚く太い。グリップ感はTS-800に似た感じ。いわゆる(?)カマボコ型かな?
・もう少し言うと、「クラシックギター」に近い。確か、このモデルは「ガット」ヴァージョンもあるんで、そのネックと共用しているのかもしれない。
・ローズウッドの指板は取り立てて可もなく、不可もない。フレットの形状も普通で、山はほどんど新品状態。
・アンプに繋いだ音は、う〜ん、かなりピエゾ特有の感じ。ふくよかさ、歯切れの良さに欠ける。
・バックから見ると、まるでレスポールみたい。(もちろん電気回路の裏蓋はないが。)
・シングルカッタウェイの形状であるため、20フレットあたりまではかなり楽に押さえられる。
・重さはオヴェーションとほぼ同じくらい。ARよりは遥かに軽く、ストラトキャスターよりも若干軽い。
・傷はかなり少ない。金属部もまだまだきれい。
・シリアルナンバーはS990445529。解読方法は不明だが、「1999年製」なのかな? ま、それくらいのような気もするが。
 
 ちなみに、サウンドホールもないからハウリングはまず起こらないだろう。
 エピフォン社のホームページからの情報だが、このギターの仕様については以下の通り:
Chet Atkins SST Studio

Pickups: Piezo/1 Tone; 1 Volume
Hardware: Gold
Scale: 24.75"
Nut Width: 1.68"
Neck Joint : Set
Neck Material: Mahogany
Fingerboard: Rosewood/Dot
Binding: Body
Body Material: Mahogany
Top: Maple
Finishes: Ebony, Natural

で、今回購入したのは色が「エボニー」のもの。(ギブソン社、エピフォン社で言うカラーの「エボニー」というのは「黒」のことだ(と思うが)。) ま、完全に黒塗りされているため、トップ材がメイプルだと言われても分からないし、その他、ネックやボディ裏のマホガニー材だって適当なものが選ばれているんじゃないかな...。(笑) 自宅での深夜の練習、あるいは職場の自室での練習(笑)という用途であろうから、さして気にしないけれども。>材質、音、全体的に

 ってことで(?)全然愛着が湧きそうにないギターなので(爆)、早々に手放すかもしれない。(笑)
(ここまで2002年11月24日)

 最初に手にした時に思ったんだけれど、このギター、やけに弦高が低い...。12フレットの真上で(フレットの山の頂上(?))から弦まで1.5ミリ程度しかない...。まるでエレキギターを弾いているような感じ...。ま、それが弾きやすいってこともあるんだろうけれども、私としては(自分の原点(笑)はクラシックギターだと思っているんで)もうちょっと高い方が(特にアコースティックギターの場合は)好みである。
 でも、ま、いいか、と思っていたら、何と、1弦3フレットを押さえたら弦がびびることに気づく。(爆) ちょっとちょっと、これじゃあ使い物にならない...。
 上にも書いたように、このギターはあくまで「アコースティックギターの練習用」に買ったものだ。もちろんエレキギターを使ってアコースティックギターの練習もできない訳じゃないけれども、テンションも弦も異なるんで、やはり「しっかり弾く」(?)という意味ではエレキギターではダメなのだ。
 ってことで、何とかびびり問題を解決しなければならない...。すぐに思いつくのは「サドルの交換」だ。だが、サドルを低くするのなら削れば済む話だが、「高くする」ためにはまず新品に取り替え、それでは高すぎるだろうから好みの高さになるまで削るという方法だ。しかし、これはこれで面倒だ...。
 で、結局、禁断の(笑)「トラスロッド調整」に挑むことにした。(「挑む」というほどのことじゃないか...?) で、良く見るとヘッドのトラスロッドカバーのネジには廻した痕跡が...!(笑) う〜む、ショップの人か、あるいは以前のこのギターの所有者がいじったみたいだぞ...。(笑) だから幾分、「逆ぞり」になってしまっていて、弦とフレットが僅かながら干渉する事態になったのかも...。 
 道具を取りだし、そして調整。その結果、12フレットで1.8ミリ(←適当に書いていますが。)くらいにまで弦高は回復し、びびりも解消。うん、これくらいがちょうどいいぞ。
(ここまで2002年11月26日)

 さて...。このギター、不要な、そして不毛ないさかいを避けるために職場に届けてもらい、そして一度も私の自宅に持ち帰ったことがないのだが(笑)、これを購入したときの目論見と大きく状況が異なった。(意味不明か...?) ま、「自宅での深夜の練習、あるいは職場の自室での練習(笑)という用途」ということで買ったのだけれど、自宅の自室には7本のギターが無造作に立ち並んでいるし、アコースティックギターを弾くにしても深夜にかき鳴らす訳でもない。(笑) だから持って帰っても邪魔になる。また「職場の自室での練習」なんて、購入の当初は思っていたのだが、予想外の展開(?)により、職場の自室でギターを弾いてのんびりとするなんてこともできない状況になっている。>早くても来年の春までは。(爆)
 
 ってなわけで、買ってから述べ時間にしても30分そこそこしか弾いていないのではないか...?(笑)<って、笑いごとじゃないが。「弾かれない楽器ほど可哀想なものはない」というのが私の持論なのだ。(かなり白々しい...。)

 で、そうこうしているうちに、このギターを求めている人からのメールが届いた。もう少し詳細にこのギターのことが知りたいとのことで、ここに画像を追加する。(って言うか、このページのトップにある画像はエピフォン社のホームページのを勝手に使っただけで、現物はちょっと異なるのだ。(爆))

 まずは全景。



雑な撮影なんでちょいとピントがずれているけれども。(笑) ま、そこそこの美品だと思う。致命的な傷や不具合はない、と思う。

 で、ボディ上部、ネックとの接合部分あたりのアップ。



 これを見ると分かると思うけれど、指板に若干の白い粉らしきものが...。(爆) って、別に「人間やめますか?」の世界ではなく(伝わったかな?(笑))、どうやら、フレット磨きのために楽器屋さんがコンパウンドで磨いたらしくて、その痕跡。(ちゃんとマスキングテープを使って欲しいものだ、プロならば。) で、



 上の写真で分かるようにヘッドの真ん中辺り、ギブソンの(ES-335などに良く見られる)王冠を二つ重ねたようなインレイはなく、Chet Atkins のサイン(っぽいロゴ)が金色で描かれているだけ。
 ちなみにこのエピフォンのヘッド、ま、好き好きだろうけれど、私にはあまりにも不均衡(というか、大きくて長くて)気に入らない。(笑) ノコギリでばっさり切り落としたいくらいである。(爆)
(ここまで2003年05月09日)

 さて、半年ほど手元に置いていたのだが、(上にも書いた通り)ほとんど触ることもなく、そうしていつの間にか(笑)他にもギターが増えてしまって、その数は25本を超える...。(爆)
 ってことで(?)、「そろそろどれか処分した方がいいかなぁ...? だとしたらこのエピフォンかなぁ...。」などと思い始めたところに神奈川のTさんという方からメールが舞い込んだ。
 想像に難くないと思うが、「このモデルの詳細を教えて下さい。探しているのですが見つかりません。」という内容のメールである。
 で、私としては特に思い入れがあるわけでもなく(しかも実際に使っているのならともかく放置状態であるから)特に未練(笑)はない。詳細を知らせ、「もしもさがしても見つからないのなら、私のをお譲りしてもいいっすよ。」と返事し、そして結局のところ、数日内に譲渡の話がまとまった。
 ギターなどで儲けようと(あまり(笑))思っていないんで、私が購入した金額を最上限として(そして最低落札希望価格も添えて(笑))Tさんに価格は決めてもらっていいということで、あっさりと発送したのが昨日のお昼。
 梱包前にレモンオイルで指板をきれいにしたり、ギターポリッシュで手入れをしたりして、ついでにアンプにも繋いで数分間弾いて音のチェック。うん、なかなかのものだ。トーンコントロールは少し絞り目の方がアコースティックらしい感じが出るかな。コントロール系も特にガリはなく問題なし。
 
 今さらこういうことを言っても白々しいのだが(そして、しつこいけれど)「弾かれないギターほど可哀想なものはない。」というのが私の持論である...。(爆) このチェット・アトキンスモデルにしても、私が所有しただ並べておくだけよりも、長い間探し続け、そしてきっと大切に弾いてくれるであろう人の手元にあった方がいいに決まっている。
 文字通り、私を通り過ぎていったギターの仲間入りをすることになったけれども、Chet Atkins SST Studioに幸あれ、である...。
(ここまで2003年05月11日)
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