先日、つまり1月14日、「やれやれ...。また一つ歳をとったなぁ...。」と私は意気消沈していた。そこで、ここは一発、景気づけにということで(意味不明)、その数日前にヤフーオークションに出品されていたこのギターに入札してやろう、と思った。いや、別に冷やかし(?)ってことではなく。  イバニーズのMCシリーズ、つまりMusicianシリーズ、というのはARシリーズと同様、長い間、私の中で「あぁ〜...、いいなぁ...。」という憧れの対象でもあったのだ。  ま、画像を見てもらえば分かるかと思うが、1970年代末〜1980年代初期の頃に流行していた「24フレット、スルーネック仕様、そしてアクティブ回路つき」というパターンのモデルであり、私が最初に買ったAria Pro II のTS800などもこの部類に入るものだ。

MC500

 で、この型番が示すように、MC500はAR500とかなり似ている(と私は思う)。これを書いている時点でまだギターは届いていないのだが、手持ちの資料からすると回路に関してはほぼ同じ。フロント、リアのそれぞれについて「トライサウンドスイッチ」があり、アクティブイコライザの可変幅(?)も多分同じじゃないかなぁ。(ちなみに、このMC500とAR500とを足して2で割ったようなモデルもあったりするのが面白い...。)
 ってことで、現物が届いたらまた改めて書きますので。

MC500

MC500

 で、このギターについては私を含めて13人の入札者がいた。ま、そのうちの一人だけが最後になってむきになって価格をつり上げていってしまったが...。
 それはそれとして、このオークションでの「Q & A」の情報を(記録の意味も込めて)再掲しておく。(あ、もちろん質問者、出品者の名前は出さないが。)

質問 1
初めまして、質問ですが重量はどのくらいでしょうか? またアクティブ回路は問題ないでしょうか? それからフレットの減り具合はどうでしょうか?
答え
重さは4.7kgです。回路は問題ありません。フレットもごくわずかな減りがあるだけで、問題ありません。
質問 2
ハードケースは付属しますか?
答え
付属します。
質問 3
ネックの状態について教えて下さい。
答え
ネックは特に問題ありません。
質問 4
発売当時、MC300 や MC500 等のグレードが ありましたが、このギターのグレードは何ですか?また、ネックにそりはありますか?
答え
申し訳ありませんが、中古入手の為、グレードがわかりません。調べて判るようでしたら、説明に追記致します。ネックは特に問題ありません。
質問 5
コンディションを10段階評価すると、どの程度ですか? 目立つキズとしては、どこに、どんなキズがありますか?
答え
ヘッドの先端とジャックの横に打痕、24F6弦側指板サイドに補修はしてありますが、剥離していたらしきところがあります。どれもそう大きいものではありません。指板サイドは7〜8mmくらいありますが、それ以外は小さいです。点数は主観になりますが、8点はあげたいです。
---
ってことで、到着が楽しみ〜。
(ここまで2003年01月18日)

 さて、ギターが到着した。うむ、外観を見るかぎり、これは結構、いいコンディションだ。出品者が「10段階で8」という数字をつけたのも頷ける。恐らくこの頃のARと同様、ポリウレタン塗装なのだろう。色はナチュラルだけれど塗装膜は厚く頑丈のように思える。

 で、どうせ誰も真剣に読まないだろうが(笑)、1981年度版の『ザ・楽器』という書籍に記されている MC500 の仕様を書いておこう:
ボディ:   アッシュ+マホガニー(アーチドトップ)
ネック:   メイプル+ブラック・ウォルナット
指板:    エボニー、ベルベタッチ・フレット
ピックアップ:スーパー88トライサウンド・ハムバッキング×2
コントロール:マスターV×1
       マスターT×1
       ブースト×1
       3バンドEQコントロール×3
スイッチ:  トライサウンドSW×2
       EQオンオフ
ペグ:    ベルベチューン
ブリッジ:  ジブラルタル
カラー:   NA(ナチュラル)、DS(ダーク・スティン)

 ちなみに上記の本によると当時の本体価格は125,000円。(ってことはAR500と同じだ...。)

 さて、肝心の音についてだが、エフェクタに繋いでヘッドフォンで聞いたかぎり、うん、これまたかなりいいと思う。AR500と弾き較べたのだが、かなりパワフルなピックアップだと思う。>スーパー88
 そして、この点が興味深いのだが、この「トライサウンド」は、「シングル→パラレル→シリーズ」というAR300などに使われているものとは異なり、どうやら「フェイズ→シングル→シリーズ」となっているみたいだ...。(違ったらゴメン。(爆)) う〜む...。
 ブースト機能についてはAR500、550と同様、かなり元気なもの。ただし(?)、このMC500のブーストコントロールは他のノブと同様、0〜10までスムーズに廻るものである。(AR500、550では5の位置で「カチッ」と止まりやすいようになっている。)
 その他、このMC500が契機となって(?)AR、あるいは2700のことで気づいたこともあるが、それは別途、「AR愛好家の部屋」の方にいずれ記したい。
(ここまで2003年01月21日)

 ってことで、自宅でデジタルカメラを駆使して(ウソ。)撮影した画像を追加しておく。
 まずは全体画像。うまく撮れずぶれてしまっている...。で、12弦ギターみたいに見えるがそうではないことを明記しておく:

MC500  
 
ま、見ての通り、MCというのは向かって左側はストラトキャスターのようなカッタウェイになっている。右半分はARのシルエットと、まぁ、似ている。
 続いてAR500と並べた写真:

MC500  
 
 そして、ヘッド、並びにヘッド裏の写真。ナットはブラスと牛骨の合わせナット。って、ブラスの部分はかなり細く、比率で言うと1:4くらいかなぁ...。トラスロッドカバーが金属の豪華なものであるのはいいとしても、Ibanezのロゴは貝のインレイでも貼り物でもなく、ただ金色で塗ったものというかなり悲しい仕上げ。またヘッド材は、う〜ん、なんだか変な木目の木材。悲しいぞ...。

MC500 MC500

シリアルナンバーはフラッシュの反射で読み取れないけれども(笑)、「H795848」である。
 ボディの構造を示すのが下の画像。「アッシュ+マホガニー」ということだが、アッシュ材がマホガニーを挟むような構造である:

MC500  
 
 続いてボディのアップ。注目して欲しいのはピックアップ。
 これまで私は「周りのエスカッションに黒のピックアップ」だと思っていたが、そうではなくて、エスカッションと一体の成型で、色も黒ではなく「焦げ茶色」である...。:

MC500  
 
 最後(?)は、AR500とのコントロール部比較の画像。見ての通り(微妙に位置が異なるが)同一の配列となっている:

MC500  
 
しかし、上でも書いたようにMC500のトライサウンドはARのそれとは異なっているようだが。で、個人的には3つの音が明確に違うMC系の方が好みである...。
 ま、完全に好みの問題で善しあしの問題じゃないんだけれど、私はネックにはバインディングが入っている方が好きであったりもする...。
(ここまで2003年01月22日)
コレクションのページへ戻る inserted by FC2 system