Greco SGW

 うわ〜っ!! 「一体、オレは何をやっているんだぁ〜!!」と叫びたくなるような心境である...。
 まさか、このギターを自分が所有するとは...。英会話学習の宣伝で、いかにも胡散臭い感じのものがあるけれど「いつの間にか英語を話している自分がいた。」っていう、あれに倣って書くならば、「いつの間にか、ダブルネックギターを抱えて店のお兄さんに『これ、下さい。』と言っている自分がいた。」というところか。(意味不明)

 ダブルネックギター。ま、画像を見てもらえば分かるんだが、ネックが二本あるギターだ。中にはアコースティックギターのダブルネックというのもあるが、エレキギターの方がより一般的だ。って、「一般的」とはいえ、あくまで「アコースティックのダブルネックと較べれば」であって、「ダブルネックギターが一般的」ということでは、決して、ない。
 
 と言うか、正直なところ、「ダブルネックギター...? はぁ...。結構、酔狂ですね...。」というのが偽らざるところである。あ、ダブルネックギターを所有している人にケチをつけるつもりはない。特に(知人にもいるんだけれど)とあるギタリストが使っていたということで、同じモデルが欲しくなって購入、というようなケースなど、よ〜く分かるところ、共感できるところである。
 だが、それでも(?)、その使い勝手(の悪さ(爆))、バランス(の悪さ(爆))、保管の際の占有スペース、移動の際の煩雑さなどを考えると、私は欲しいなぁ、と思うことがなかった。

 が、別件で、正確に書くと「手ごろなベースギターはないかなぁ....。」と物色しに行った店(釣具&楽器の店(笑))に置かれていて、しかもダブルネックにしてはかなり安い価格ってことで、ちょいと気になったのが今週はじめのこと。「う〜ん、どうしよう〜...。」と悩んでいた訳じゃないけれど、今日(2003年4月26日)、お昼ご飯を食べに出かけたときに、「あのダブルネック、まだあるかなぁ〜...。」ということで寄ってみたら、案の定、まだ売れていなかった。(笑)
 この前来たときには「ほっほぉ〜。グレコのSGダブルネックかぁ。」と思っただけだったが、じっくり見てみると、うん、かなり程度は良いようだ。店のお兄さんに声をかけて棚から取りだしてみる。うむ...、これ、想像していたよりもかなり軽い...!
 前にセッションの時に「ちょっと抱えさせて下さい。」と頼んで持たせてもらったイバニーズのAR1200というダブルネックギターは理屈抜きに重かったため、その印象が強すぎたのかもしれないが、このグレコのSGは、うん、軽い。計っていないけれど、多分、(通常の6弦のタイプである)AR300よりも軽いのでは、という感じである。(いや、冗談ではない。ほんとだってば!)
 
 ボディはマホガニー単板、ネックもマホガニーのようだ。トップやバックもかなり良い状態で打ち傷などは特に見当たらないし、ネックの先端なども(大袈裟に聞こえるだろうが)新品のようにきれいである。長い間、ハードケースにしまわれていた可能性大である。

 う〜ん、12弦の方のナチュラルコーラスが何とも心地よい...。(そう言えば私は12弦ギターを持っていないぞ...。) ピックアップ切替えには若干のノイズが乗るみたいだけれど、ま、これは許容範囲内である。ボリューム、トーンコントロールはスムーズでガリはない。

 って訳で、その数分後には、ダブルネックギターを抱えて店のお兄さんに『これ、下さい。』と言っている自分がいた、って次第である...。

 ってことで、そのまま職場の自室に持って来た。(笑) 
 ホームページ、その他の資料で調べてみたが、今回私が入手したのは1980年頃に生産されていたSGW-1300というのに似ているが、ピックガードの形状が若干異なるようである。また、コントロールノブも(昔の)トップハット型ではなく、いわゆる「スピードノブ」であるというのも1300とは違っている。
 ま、またモデルの詳細なことが分かったら、あるいは弾いた感想などがあれば、はたまた、やはり手に負えず売り飛ばしてしまったりしたら(笑)、報告する予定。
(ここまで2003年04月26日)

 改めて報告を、と言いながらも2カ月が過ぎてしまった...。(笑)
 その間、手をこまねいていた訳ではない。(意味不明) とあるグレコマニアの方から実に信憑性の高い情報を得たり、あるいは弾いたり(笑)もしていたのだ!(<何も力むことじゃないんだけれど。)

 まず、このギターそのものの素性についての情報。
 情報を提供して下さったのは、その世界では泣く子も黙る権威者の方である。その方についての素性(笑)も良く知らないのだけれど、「どうしてこんなことまで知っているの...?」と驚嘆するほどの知識を有しておられる方である...。
 ってことで、この方からの鑑定結果のメールを(改行位置などに若干の修正を加えつつ)紹介:
>さっそくアップされたSGWを拝見しました〜。

>グレコでは1980年にスーパーリアル・シリーズを始めたときから、
>ギブソン・コピーの製造番号が、ギブソン・オリジナル・レスポール
>(1950年代のもの)を踏襲します。

>「0 8806」は1980年製または1990年製を表しているんですよ〜。
>先頭の文字が「西暦の末尾1桁」になっているんです。
>さらに、グレコ製のギブソンコピーは、概ね1990年で終わりになっています。
>(実はこのあと韓国製でノー・シリアルのギブソン・コピーがあります)

>で、HASENOBUさんのギターは1990年製のものに見えます。
>アジャスト・ロッドカバーの形状が、1980年製ならギブソン型なのです。

>また1980年製ではヘッド・ロゴの「O」に切れ目が無く、
>1990年製のものは上部で「視力検査のように」口が開いています。

>グレコではギブソンに配慮して1970年代後半から、
>「SGタイプ」のギターに「SS」のモデル名を与えます。
>しかし1980年代初頭でも、ダブルネックだけは「SGW」なんです。
>これはオリジナルギブソンが、
>「EDS-1275」と言う名前だったからだと思います。

>1990年になると名称が改められ、
>「SSW-1600」または「SSW-1400」が該当機種になります。
>この2機種は多分同じものだと思っています。
>カタログ上でSSW-1600は定価16万円。
>SSW-1400は定価14万円(別売りハードケース2万円)と掲載されています。

>1600も1400も共に、6弦部のピックアップはブラック・ボビンの
>オープンタイプです。ネックとボディーはもちろんマホガニー製。
>DOUBLE TRICKというピックアップが4つ使われていました。

>鑑定としてはこんなところでしょうか。

う〜む...。なぁるほどぁ〜...、そうだったのかぁ...。と納得していたところに、さらに追加の修正情報が:

>1989年10月発行カタログ
>SSW-1600 価格16万円

>1990年6月発行カタログ
>SSW-140 価格14万円(ハードケース別売り2万円)
>モデル名から「0」が一つ消えました。

>1991年10月発行カタログ
>SSW-165 価格16万5千円(ハードケース別売り2万5千円)

ふむふむ...。ってことで、私が今回ゲットしたのは1990年製SSW-140ってことになるようだ...。(カタログ発行の時期と実際の生産・流通の時差(?)があるとすれば1990年製のSSW-1600ってことも考えられるが、いずれもモノとしては同じってことらしいが...。)

 そうかぁ、定価が14万円なのか...。そうは見えないけれど、高いんだなぁ...。(爆)

 で、このギターそのものについてだが...。実は関西セッションの仲間のG氏も色違いであるけれども、これと良く似たギターを所有されているとのことで、早速、氏のホームページのギターコーナーを見てみる。

 ふむふむ...。
 G氏の感想としては「PUはちょっと音が暴れる感じかな、ラフな音がでます。弦のテンションも弱いです。20フレット(!)仕様っちゅうことも影響あるのかな? 12弦と6弦の切り替えスイッチが6弦側にツノのほうでピックアップセレクターが12弦と6弦の間にあります。ネックのセレクターの方もセンター(爆)があってどうやっていっぺんに12弦と6弦を弾くんやろう???? それにボディがすごく軽くて楽なんやけど、ヘッドが重くてバランスが悪いのが欠点・・かな? ストラップをつけて立って弾いてると左手を離した時ヘッドがさがっちゃう。」とのこと。(以上、勝手に引用。(爆))

 で、うん、まさに同感。>ま、同じギターを持っているんだから。(笑)
 特に最後の辺りに書いてある「バランスの悪さ」というのは、ひどい。かなりの滑り止めの効果があるようなストラップを使ったとしても手を離した途端にネックがずるずるとずり下がってしまう。座って(足で支えている時は別だが)立って弾くときには当然、ぐぐっと上に持ち上げながら(笑)、ということになるわけで、これじゃあ運指もままならない。(爆)
 これじゃあ使い物にならない、ってことで、ストラップピンの位置を変更することにした。(笑) ま、いまボディセンター下部についているオリジナルのものを動かすと、その痕跡が悲しくなるだろうから、追加することに。
 バランスを考えれば当然、12弦側の方に寄った位置につけないといけない。いくつかの実験(笑)を経て、取り付け位置を決定。ささいなことだけれど、これも一種の改造だ! ドキドキしながら(笑)ボディにキリで穴を開ける...。そしてピンを装着!!

 げぇ〜っ!! なんてこったぁ〜!(爆) 10数センチずらしたというのに、それでも変わらない〜!(ToT)
(以下、省略(笑))

 さて、肝心の音の方だけれど、生で、つまりアンプを通さずに弾くと、うん、12弦の方はかなり心地よい...。今まで12弦を所有したことがなかったため、このナチュラルコーラスというか、不思議な音の広がりが耳にやさしい...。6弦の方は、う〜ん、ちょっと「ペンペン」した軽い感じかなぁ...。サスティーンがあまり感じられない...。

 で、5月のバンドの練習時に「さよなら」を弾くためにこのダブルネックをスタジオに持ち込みアンプで弾いてみた。

 う〜ん...。買ってしまったものだから悪い点を書き並べたくないけれど(笑)、ちょっとこれは〜...、である...。
 12弦の方は、うん、ま、こんなもんだろうと思うけれども、6弦の方は、質の悪いおもちゃのギターを弾いているような音だ...。エフェクタで多少ごまかすことはできるけれども、(特に)響きの豊かなARと持ち替えたりすると、伸びやかさのなさ(笑)、膨らみのない(?)音にガクッと来てしまう...。
 ま、バッキングに徹して、ディストーションをかけ、ただのリフ(?)やパワーコードを弾いたりする分には問題ないのかもしれないけれど、ソロのフレーズを弾くというのには合わないような気がする...。

 ってことで、その練習の時に弾いて愛想が尽きて、そのままスタジオに放置したままである...。

 とある知人がこのギターに関心を示して譲渡の話がないわけでもないけれども、う〜ん、知った人にこれを譲るのもちょっと気が引けるような...。ヤフーオークションで転がそうかな...。恐らく私が買ったときよりも高く売れるだろうし...。(爆)
(ここまで2003年06月22日 追記)

 さて(?)、「質の悪いおもちゃ」だとか、さんざん好き放題書いてしまった(爆)が、今回、縁あって、とあるギタリストの方に譲ることとなった。
 ま、そのいきさつ(?)はいずれどこかで詳細に記すとして、昨年春に入手して、その時は物珍しさ(爆)もあって時折弾いたりしたのだが、夏、冬はほとんど放置状態であった。ま、今年になってバンドの課題曲で(12弦ギターを使う曲目があるということで)何度か弾いたものの、やはり私にとってはあまり使うことのないギターだなぁ〜...、って訳であっさりと手放すことにしたのだ。

 で、このギターの次のオーナーさんは、(ご本人はプロではないとおっしゃっているけれども)知る人ぞ知る有名な方のようで、このギターもきっと華々しい活躍をしてくれるのではないかと思っている次第である...。
(ここまで2004年04月28日 追記)
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