GRECO MX800R




 ってことで、2003年の救急の日記念に入手した(<デマカセ)4本のギターのうち、もっとも馴染みのあるのは、このギターだ。
 って、意味不明だろうけれど、これは私の知人K氏から譲ってもらったものであるが、私自身、20年以上前に弾いたことがあるギターである。
 ま、これでも意味不明だろうからもう少し詳しく書くと、K氏というのは昔のバンド仲間であり、その頃(ま、1980年頃前後)、私の率いる(爆)「HANDORGAN」というオフコースコピーバンドで私は当時の愛機、Aria Pro IIのTS-800を、そしてK氏はこのグレコのギターを弾いていたのだった。
 もっと詳しいことを書くと(笑)、当時、オフコースコピーバンドを始めるにあたって、私は既に(?)上記のエレキギターを所有していたが、K氏はまだ持っていなくて、それで(何年何月のことなのかまでは知らないが)高校の時の同級生だったM氏から譲り受けたのであった。>って、M氏もK氏も私も同じ中学校出身で、お互いに面識はあるが。(笑)
 で、当時は雰囲気としてはストラトキャスターに似た(軽量の)TS-800を愛用していたため、時々、練習でK氏のこのグレコを弾いたりすると「うわっ。お、重い...。」と思っていたのだが、現在、(数々の(笑))ARをメインとして使っている私には「れれ...? このグレコ、こんなに軽かったっけ...?」というのが二十数年ぶりに抱えた第一印象である。

 おおっとぉ、話が想い出話になってしまったが...。

 で、私自身(?)このギターはMRシリーズのものだとばかり思っていたんだけれど、とある有識者のホームページの資料を見るかぎり、その認識は間違っていて、実はMXというシリーズのギターだった...。(笑)
 
 さて、このギターのスペックについては上に書いた専門家の方のページに当時のカタログが載せられていて、それを見るかぎり(1978年、並びに1981年の資料では)ボディは「メイプル単板削り出しトップ、マホガニー単板バック」ということであるが、う〜ん...、私が今回入手したのは、ちょっと違うような...。「メイプル単板削り出しトップ」というのは当てはまるけれども、バックについては「マホガニー単板」ではないような...。側面から見ると、確かにマホガニーが挟み込まれているけれど、バックは違う材木のように見えるんだけれどなぁ...。>少なくともマホガニーの木目じゃないと思う。
 なお、モデル名としてはMX800Rということになるらしい。>「R」というのは「レッドサンバースト」ということのようだ。


 ってことで、画像をいくつか。
 まず、ヘッド部分の表と裏。

   

 気づいてもらえたと思うが、ナットはARなどでも使用されている、いわゆる「ハーフ&ハーフナット」という、牛骨とブラスとを組み合わせたもの。
 そしてヘッド裏のシリアルナンバーは「E795017」ってことでAR同様、富士弦の製作なんできっと「1979年5月出荷予定品」ということだろう。なお、1弦のペグのみ「Royce」と裏ぶたに書かれたものに交換されているけれども、そのデザインは他のものと同一と言ってよいほど似たもの。

 で、続いてボディのバック:


 盛大に貼られた(笑)シールは、恐らくファーストオーナーが貼ったんじゃないかなぁ。共に、当時熊本市内にあったレコード店、楽器屋さんのもの。

 それから、ボディのアップ:


 ま、まさにプレーンなメイプルってところかな...。トグルスイッチの周りの保護用の白いゴムは撤去されている。(ま、あれは劣化してかなり変色・硬化してしまうからなぁ。)
 ちなみにエスカッションは3点支持で、どうやらARと共通パーツらしい。

 パーツということで、掃除ついでにブリッジとテールピースを外してみた:

 

 見ての通り、テールピースはAR同様、「QUIK CHANGE」の初期型。(結構、ごつい感じのもの。)
 そしてブリッジはジブラルタルではなく、Tune-o-maticっぽいパーツ。裏には(画像でははっきりしないだろうけれど)「L. S. BRIDGE」と刻印されている。で、それに伴い(?)、ボディ部にはピックアップに対して少し傾斜がつけられた感じでネジが2本。ちなみに、この2本のネジの装着の仕方はARとは異なり、直打ち。
 
 さて、肝心の音なんだけれど、これはいつもながら(私が貧乏耳ということもあって)表現しづらいのだが、ARと取っ換え引っ換えしながら較べてみると、MXの方が何だか「強力」って感じがする...。特にフロントの方はかなり甘く太い音、って感じ。(久しく弾いていないけれど、レスポールを彷彿とさせるような感じだと思った。) 一方、ARの方は(おしなべて言うと(笑))もう少し、アコースティック感が強いというか、エアー感があるというか。(意味不明?)
 それから、リアの方は、かなりキンキンする感じで、いかにもフィードバック奏法が簡単にできそうな気がする。>そう言えば、K氏はよく練習の時やステージの時にハウリングを起こしていたような。(笑)
 ちなみにセンターポジションは初代オーナーのM氏によって「フェイズ」となるように配列されている。

 ま、また、報告はいずれ〜。(笑)

(2003年09月11日)

 ってことで、K氏から届いたこのギター、私に負けず劣らずヘビースモーカーである彼の所有物らしく、う〜ん、かなりの汚れがこびりついた状態であった(笑)が、きちんと磨き上げると実にサンバーストの赤がきれいなギターである。
 で、先日防音室に持ち込みちょいと弾いてみた訳だが、うむ...、ちょっとフレットが浮き気味のところがあるかなぁ...。木槌でトントンとすればいい程度だけど。

 さて、それはそれとして、K氏から上の文面を書いた後、メールを受け取った。ま、内容的に全然問題ないと思うんで本人の了解なく(爆)ここに再掲だ〜!(爆)>ま、句読点、改行の位置など一部、手を加えたりしたけれど。

---以下、引用---
 やあ、ホームページ見たよ。グレコのギターはMXだったの? 記憶では、MRだったと思ってたんだが、、、実際自分で買ったものではないから、良くは覚えてないが、カタログを持っていた記憶がある。一番記憶に残っているのは、ピックアップが当時グレコで一番高いピックアップだったってこと。

細かい変更点
・T君がピックガードをつけていたが、割れてしまったので、僕が取り外した。赤いアクリルだった。(オリジナルはピックガード無し)
・ヴォリューム、トーンのノブは、僕がスピードノブからハットノブに取り替えた。(理由はなんとなくだった。)
・ボデイ裏のシールで黄色い大きなのは、T君がバックル傷防止のため貼ったもの。赤い小さいシールFUNのやつは僕がなんとなく貼ったもの。
・ペグで種類が違うのはT君が取り替え。あと一つペグの裏ブタが取れたものを無理やり押し込んだ(いや叩きこんだ)。これは僕。

思い出
あのギターを背中に背負ったまま車に巻き込まれて、小指を折った。そのときの傷が、ボデイサイドに、その傷の凹みが残っている。ソフトケースもそこが破れている。でもそれだけで、あとは元気だった。

やりたいと思っててやっていない事。
・ペグの交換
持ってみたらよくわかるが、バランスが悪い。ヘッドが重過ぎる。それを少しでも是正するためにペグをクルーソンタイプの小さいものに変更したかった。
・フェイズからノーマルへ
センターポジションでフェイズにしてあったが、(T君は当時自分の全てのギターをそう改造していた)僕はノーマルに戻して、フロントとリアのミキシングにしたかった。
・ピックアップの切り替えスイッチの場所移動
大胆ではあるが、スイッチの場所は弾くとき邪魔! ARの位置に変えたかった。(これは難しいけどね)
---以上、引用---

ということで、元持ち主のK氏からの想い出話でした〜。
(ここまで2003年10月13日追記)

 で(?)、このギター、9月末にちょいと防音室で使用したんだけれど、う〜ん、フレットの浮きが少し気になる...。いや、手に傷を負うほどではないけど、いずれ処置をせねばならないかも...。でも、使わないギターだしなぁ...。
(ここまで2003年11月17日 文面修正(笑)&追記)

 そして、とうとう、このギターも「2015年 秋の大処分祭!」としてヤフオクに出品することに...。

 で、以下、自分が書いた文面だから、何のためらいもなく(笑)転載:
---以下、転載---
標記の通り、Greco MX800R (1979年製)を出品します。

私自身は Ibanez の AR シリーズを中心に集めていましたが、同時期に、同じ「富士弦楽器」の工場で作られていたこともあり、Greco にも興味があって、十数年前に、知人から譲り受けました。が、全く使うことがなく、機材整理のために出品します。

コンディションとしては、35年ほど前のギターだということを考慮すれば、まぁ、「悪くない」方だと思います。当時の定価は8万円で、いわゆる中級レベルのものだと思います。

画像にあるように、(2005年4月発行の)シンコーさんから出たムック本『Japan Vintage Vol. 6』の101ページに掲載されているギターです。(>あ、同じモデル、という意味ではなく、まさにその個体、ってことです。また、その後、発行された小さな『Japan Vintage Collection』にも掲載されています。)

私自身はサードオーナーで、最初のオーナーは中学時代の同級生で、彼は高校時代に購入しています。その1年後、やはり中学時代の同級生で、しばらく一緒にバンドを組んだ人物の手に渡り、大学卒業後は、ほとんど弾くこともなく所有していたようです。

そこで、上記のように AR シリーズとよく似ているということもあって、2003年9月9日に、その、元バンド仲間から譲渡されたという経緯です。

3点支持のPU-2も、なかなかの音を出してくれます。<個人の感想です。

ネックはまっすぐでトラスロッドもいじったことがありません。写真には写っていませんが、かなり古い(汎用の)それなりに豪華な厚手の合皮のバッグに入れた上で、ダンボールで梱包しますが、ジッパーの部分が結構、ほつれています。

パーツについて書くと、ほとんどが純正ですが、4つのノブ、そして6弦のチューナーは(良く似た)他のメーカーのものに交換されています。それから、これはファーストオーナーによるものですが、トグルスイッチをセンターにした時にはいわゆる「フェイズアウト」の回路になっています。<恐らく、ハンダ付けレベルの作業だとは思いますが。
また、ストラップピンも純正ではないと思います。

なお、ヘッド裏に刻印されたシリアルナンバーはE795014です。(1979年5月期)

手前味噌ですが、以下のサイトに(入手してからしばらく経ってアップロードした)画像や情報を記しています。よろしければご確認ください。
http://arworld.web.fc2.com/collection/collection47.html

上でも書きましたが、機材整理のための出品ということで、申し訳ありませんが、ノークレーム、ノーリターンでお願いします。その代わり、送料込みで、私としては譲れる最低限のところからスタートしていますので。(つまり、「開始価格」=「最低落札価格」ということですが。)

ドットポジションマークで、プレーンなメイプルトップ、エボニー指板、当時のグレコでは最高機種のPUを搭載した、ずっしりとした重量感のある(笑)このギター、いかがでしょうか??

あ。書き忘れそうになりました! このような国産のギターを安価で入手し海外のオークションで高い値段で売りさばくような入札者はお断りします...。評価を確認し、そういう入札者は取り消すことがあります。(>それによって私の評価が下がっても構いませんので。)
---以上、転載---

 そして、出品後、質問コーナー経由で以下のようなやり取りが:
質問1:参照URL先の説明に、フレット浮きがあるとの表記がありましたが、具体的にどの様な状態ですか?使用には、プロによるメンテナンスが必要ですか?

回答:ご質問、ありがとうございました。「フレット」については本文中に触れるべきでした! 演奏に支障が出るほどのものではなかったと思いますが、明日、確認して夜には情報の追加をしておきます。<ほとんどのギターは自宅に置いていないため。
 併せて、接写できる範囲でフレットの様子が分かる画像を追加しておきます。
 プロによるメインテナンスが必要なのかどうかは、お答えできかねます。私だったらこのまま使うレベルでした、入手した時点では。
 ですが、ずっと放置していたため、音詰まりが発生しているかどうかも含めて、明日の夕方にはチェックし、この点についても情報を追加いたします。
 中途半端な回答で申し訳ありません。

 ということで、仕事が終わって19時過ぎにギターを検分。う〜ん、確かにフレットの「浮き」は(当たり前だけど)ある...。けれどもアンプに繋いで全ての弦の1フレットから22フレットまで押さえてみても、音のビビリや音詰まりは感じられない。普通に(どんな風に?)弾く分には差し支えのない程度。

 だけども、人によっては「いやいや、十分、浮いている」と判断されるかもしれない。普通のコピー用紙が1枚は挟まる程度だし...。

 ってことで、画像を撮影。併せて、全体的に軽くクリーニングをしたところ、う〜ん、これまた人によっては気になるかも、っていう事項が幾つか。

・1. ネックの接合部分、少し「割れ」が生じている感じ。
・2. バインディングの部分、トップコートの黄色化はいつものことだけど、バインディングそのものに亀裂が入っている箇所あり。
・3. コントロールノブを外してみたところリアのPUのVoコントロールのシャフトの片方がが折れていて、紙を挟んで固定してあった。(!)

 で、画像を17枚、追加。ま、似たようなものもあるけど、気にしないでください〜♪:


(ここまで2015年10月08日追記)
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