Ibanez MC200DS


 1970年代半ばから1980年頃というのは、(私見であるが)いわゆる「クロスオーバー」や「フュージョン」と呼ばれる音楽が台頭してきた時代である。そしてそれに伴い、例えばエレキギターにしても従来のストラトキャスター、レスポールなど(もちろん、その他数多く)の「定番モデル」から脱却し、時代のニーズにより適合した、様々な機能を盛り込んだオリジナルギターが続々と登場したのだった。(<多分、だけど。)

 ま、そういうことで、Ibanez社もご多分に漏れず、時流に合わせ、「24フレット、スルーネック仕様」という、同時期のアレンビックギターを意識した(であろう)モデルを作ったりもした。その中にはArtistの2700や、そしてこのMusicianモデルなどの、同社オリジナルモデルがあった。

 ってことで、今回入手したMC300DSもそういうモノの一つで、他に所有しているMC500の下位モデルということになる。

 ヘッド裏に刻印されたシリアルナンバーは「B794012」ということで、1979年の2月生産のものと思われる。
 私の知っている(?)MC300は、同時期のAR系列の「2700:2710」と同様の関係であり、「MC500からアクティブ回路を取り除き、各ピックアップをフェイズ、シリーズ、パラレルと切り替えられるミニスイッチが2つついているモノ」であったのだが、う〜ん...、これはそういうスイッチはない...。
 ということで、同年8月期のMC500との違いを記すと:
300のネックは5ピース式。(500は7ピース)
300のボディは(恐らく、セン、マホガニー、センの)3プライ。(500はプラス、(おそらく)ウォルナットの5層)
300のハードウェアはクローム。(500はゴールド仕様)
300の指板は、どうやらローズウッド。(500はエボニー)
300のマシーンヘッドはツマミがグローバー社のそれと良く似た感じ(下の画像参照)で、トルク調整機能付きのベルベチューンの最も初期と思われる型。(500の方は、ツマミがパーロイドで、おなじみの(?)型のベルベチューン。<但しトルク調整機能はついている)




 ってことで(?)、スペックからすると何となくMCシリーズの初期型、って感じだ...。ま、ピックアップも同じSuper80だし、思いきってボディに穴を開けてミニスイッチを2つつけ、そしてピックアップを4芯にして後期型に改造しようかな...。(笑)

 あ、そうそう。お約束の(?)オークション出品時の説明とQ&A!!(笑):
---以下、引用---
Ibanez(イバニーズ)MC300を出品いたします。年代の割りに美品だと思います。が、少し問題がありますので記載します。
(1)ノブが2個交換されています。
(2)ネックの指板に亀裂あり。
(3)年式相応の打痕キズはあると思ってください全体的には綺麗です。
(4)ケースはソフトケースとなっています。
 以上のような点にご注意のうえ、ご入札ください。(2)が気になるところですが、今のところ問題なく、音としてはとても良く、さすがこの年代のギターは良くできていると思います。ローフレット特に2フレットの1・2・3弦部分が少し凹んでいることに気づきましたので明記します。

質問 1:はじめまして。(2)ネックの指板に亀裂あり。とありますが、具体的にどのあたりに、どのくらいの大きさの亀裂があるのでしょうか?

答え:表現がうまくできなくて申し訳ありません。写真でもどうも分かりにくいので掲載しませんでした。具体的には指板が剥離したのを前オーナーが修繕したようなのです。亀裂として見られるのは18フレットから24フレット、しかし中はきちんと接着されているようでプレイには支障なく、びびり等もありません。
---以上、引用---

 上の質問にもあるように「指板に亀裂」というのは、うん、結構気になるところだったが、この時期のギターに時折見られるような塗装面でのトラブルではないかと思っていたところ、やはりそうだった。「指板が剥離したのを前オーナーが修繕したよう」だとのことだったが、これは修復歴なし、だと私は思う。(ARのネック接合部分でも特に塗りの厚いモデルなどではよく観察される。(笑))
(ここまで2004年04月18日)

 さて、上の方で今回入手したギターは私の知っている「MC300」とは何だか違っているような感じがするということを記したが、先日、何気なくIbanezの古い(英語版の)カタログが置いてあるサイトを見ていたら、な、なんと〜。 MC300ではなく、MC200だということが判明!  
 ちなみに、知人から送ってもらった1978年の(日本語の)カタログにはMC200については掲載されておらず、どうやらこのギターは海外輸出専用のモデルだと思われる...。当然(?)そのカタログに載っている300の仕様とも異なっている。また、確信はないのけれども、シリアルナンバーがB79〜というからしても、もしかしたら1979年製であるけれども、スペック的には前年度のものなのかも、と思っていたところ、やはり1978年の英語版カタログに掲載されているものと同一だということで了解しておきたいところである。(ちなみに上で触れている1978年のカタログ画像はこちらです、はい。)

 ついでながら、フィニッシュのカラーは「DS」で、それは「Dark Stain」ってことだと思っていたが、これまた違っていて(笑)、正確には「Dark Brown Stain」だそうな...。
(ここまで2004年04月25日 追記)

このギターも2016年の冬に処分した...。

★機材処分20 Musician MC200DS(1979年製)★
手持ちの機材が多くなり過ぎ、保管場所の問題も生じて来たため、このギターも、勢いで処分することにしました。

Ibanez社のギターが大好きでAR、つまりArtistシリーズを専門(笑)としていますが、それをきっかけとして、1980年代の国産ギター・ベースに興味を持ち、色々と買いあさってしまいました。このギターは、十数年前、「MC300です!」という触れ込み(笑)でヤフオクにて入手しました。

さて、Ibanez社のMusicianシリーズについては1970年代末までは国内向けにも販売されていましたが、それはMC300と、MC500のみ、でした。一方、海外では(1980年代も含めると)100、150、200、300、400、500というラインアップがあったようで、うらやましい限りです。(ちなみに年によって仕様が複数あったようです。) となると、今回のギターも本来は海外輸出モデルですが、AR や ST モデルなどでもごく少数、国内に流出するケースがあったようで、その一本なのもしれません。

ということで、色々調べた結果、今回のギターは1979年製のMC200DSということで出品します。「スルーネック、24フレット仕様」ということを除けば、いたって普通の回路をもつギターです。

シリアルナンバーはB794012となっており、「1979年2月期の通し番号4012」ということになりますが、同年のカタログ掲載のものとは異なっていて、むしろ1978年の英語版カタログに掲載されているものと同一の仕様のようです。以下、その情報を元に記述すると以下のようなスペックです:
ボディ: アッシュ/マホガニー/アッシュ
ネック: メイプル/ウォルナット(スルーネック、5層構造)
指板: ローズウッド24フレット
マシンヘッド: ベルベチューンII
ナット: ハーフ&ハーフ(ブラスと牛骨の組み合わせ)
ブリッジ: Gibraltar
テイルピース: Gibraltar
ピックアップ: Super 88×2、
ハードウェア: クローム
コントロール: 2 Volume、2 Tone
コントロールノブ: Sure Grip
スケール: 24.75インチ
フィニッシュ: DS(ダーク・ブラウン・ステインド)

なお、上の情報は以下のURLを基に得ました:
http://www.ibanez.com/anniversary/expansion.php?cat_id=30&now=1

なお、画像は入手時のものを使っておりますが、コントロールノブの不統一が好ましくないため、黒いテックノブ(?)に変更していることをご了解ください。それ以外はオリジナルで、上記のスペック通りだと思われます。

その他、補足情報としてこのベースについていくつか気づいたこと・思うことを記します:
・ネックはIbanezらしく薄いタイプで、ストレート、フレットの変な摩耗はありません。
・トラスロッドはいじったことがありません。
・スルーネック仕様のためハイフレットでもかなり弾きやすい造りです。
・ボディには大きな目立つ傷はないようです。
・ボディ裏、PUセレクタの裏側のところに、ひっかき傷みたいなのがありますが、演奏に支障はありません。
・コントロール系、妙な引っ掛かりやガリはありません。
・PUを4芯化して、コントロールをスイッチングポットに代えればデュオサウンド、あるいは工夫によってはトライサウンドに変更することも可能かもしれません。(が、保証はしません。)
・もちろん、国産です。富士弦楽器(現フジゲン)製です。
・保管場所に置いていて正確に測っていませんけども、この時期の AR 同様、かなり重いギターです。

付属品は古い汎用のビニール製ソフトケースのみ、です。ソフトケースに入れてエアキャップで包み、再利用の段ボールで梱包して発送します。できれば「はこBOON」を利用したいのですが、もしかしたらサイズオーバーでヤマト便になるかもしれないこともご了解ください。

開始価格は、即ち最低落札価格です。送料込みでかなり低く設定したつもりです。(<ちなみに、今、他に出品されている Musician モデル、強気の価格設定に驚愕しました...。いや、いいんですけどね。(笑))

特に大損をしたい訳ではありませんが(笑)、楽器で儲けたいとは思っていません。というか、最近の落札状況を見ると、何だか自分が「高く買って、安く売る」という社会奉仕活動に携わっているような気さえしています...。ま、とにかく、そういうことで「激レア!」やら「ジャパンヴィンテージ!」などの言葉でむやみに煽りたくはありません。(煽りはしませんけど、今回のギターはレアであり、ヴィンテージであることは間違いありません。(笑)) ちなみに、新規の方でもきっちりと取引をしてくださるのであれば大歓迎です。なお、今回は機材処分での出品のため、ノークレーム、ノーリターンでお願いします。

35年以上前のギターですが、ステージでもまだまだ使えると思います。ご検討のほど、よろしくお願いします。

***ご注意ください***
このところ、立て続けにギター類を出品しておりますが、ちょっと気になることがあり、付記します。私自身、最近、ヤフオクで買うことは滅多にありませんが、確か、ある程度の金額になると入札できる最小限の金額が規定されているかと思います。が、時折、「1円」上乗せした価格で落札されるケースが見受けられ、悲しく思っています。いや、もっと高値で売りたかったということではなく、次点になってしまった入札者の歯がゆい気持ちがよく分かるからです。(という私も、それで逃したことが何度かありますから。) ということで、今後、そのような形で落札された場合には、私の方で次点繰り上げを行ないます。その報復で私に「悪い」評価をされても一向にかまいませんので。


(2016年 12月 5日 0時 20分 追加)
楽器の説明追加ではありませんけど、ここで改めて私のスタンスを表明しておきます。

今回の出品(ラッシュ)について、知人その他(笑)から電話、メールその他での連絡・問い合わせ・諫言がありました。

青少年時代、お金がなくって欲しいギターがあっても指をくわえて見ているだけだったということの反動で、そしてインターネットの普及によって情報が容易に得られることも手伝って、一時期は三桁のギター、ベースを収集しました。中には、シンコーミュージックさんのムック本の原稿を書くために入手したものもありました。

ですが、楽器は増えても私の手は2本から増えることはありません。(笑) その結果、入手してもちょこちょこと弾いて、そのまま死蔵ということになってしまいました...。本職は音楽とは無関係ですから、ギターを手にする時間もごく僅かです。そして、人生の残り時間も少なくなりつつあることを考えると、楽器たちに対して申し訳ない気持ちが湧いて来ました...。

私の手元で、弾かれることもなく眠り続けている楽器...。「カネは天下の回りもの」と言いますが、楽器も同じでしょう。私は、それなりの金額を払って「自分のモノにした」って思っていますけども、楽器の寿命は(ちゃんとケアしていれば)世紀をまたがるものだと思います。そういう意味では「支払った金額」というのは、(村上春樹っぽいけど)「自分が自由にできる時間」のための「賃借料」だとも思っています。

そういう意味で、オークションを「1円スタート」などで注目を集めようとするのは、個人的には理解できないことです。それって、その楽器にも、そしてその製作者に対してもすごく失礼なことだと思っています。(ま、思わないからそうするんでしょうし、それは出品者の勝手ですけどね。)

と、そういうことをベースにしての開始価格です。安いままなら、それはそれで構いません。ただ、私と違ってきっちりと弾いていただける(可能性がある)のならば、それが楽器にとって幸せなことだろう、ということで納得できますから。(数年前、とあるギターを入手した際に「遺品整理です」とのことを知って、色々と思うことがありました...。) 以上、意味不明かもしれないことを書いて申し訳ありません。

 で、記録のために書いておくと「アクセス総数: 2091 ウォッチリストに追加された数: 51」で、入札は24。開始価格は送料込みで13500円。だけど36500円にて終了。ボランティア活動認定。(涙) (ここまで2017年01月31日)
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