Pearl


 このところ(2005年2月から4月半ば)、できるだけヤフーオークションは見ないように努めていた。理由は簡単だ。ま、見ているとどうしても欲しくなってしまう、という、ただそれだけだ。(笑)

 ところが(?)、4月に入って、ちょっと予想しない展開があった。

 いや、たいしたことじゃないんだけれども(笑)、私が顧問をしている「ロック部」に、何と新入部員が十数名、という事態が発生したのである。う〜む...。これまで、10年ほどロック部の顧問をしているけれど、以前、1年生、2年生を合わせて7名ほどという華やかな時代もあった(笑)が、この数年は低調気味であり、毎年2〜3名の入部があって、ま、かろうじてバンドらしくなったり、あるいは教員(私や同僚の教員)が助っ人として参加して大学祭のステージをする、という状況であった。

 で、話を戻すと、とにかく、今回、一挙に部員が増え、しかも(?)ギターをやりたいというものが数名いて、そのほとんどが初心者。で、ロック部の活動場所である防音練習室に私のギターを十数本置いているんだけれど、その中には「ちょっと、それは使わないでいてくれる?」と言いたくなるような(私にとっては貴重な)ギターもあったりするわけで。(笑)
 そういうことで、彼女達が気軽に練習できるギターをちょっとみつくろおうか(笑)ということで、それで、ついつい、オークションを、となった次第である。

 そういうことで、実際(?)、フェルナンデスの格安ギターを購入したりもした(<別途、記すかも。)のだが、そのついでに「ふむ...。そう言えばアコースティックギターで何か掘り出し物はないかな?」ってことで眺めていたときに目に留まったのがこのパールのギター。

 前置きが長くなってしまったが、ここで出品者さんの商品紹介の文面を引用:
---以下、勝手に転載---
ギターのナット部幅、約4.3mm。弦高1、6弦側共に、約4mmですが、サドルをまだまだ削って好みで低く出来ます。ガツーンと弾く時の為あえて少々高めにセットしていますが、決して弦のテンションは硬く無く、ネックも細めですので弾き良いです。音はそれなりですが、材質は??です。が、結構しっかりとした材で、しっかり作られている感じはさすがmade in japan。と、おまけなのですが、譜面雑誌x2、HORNER製ハーモニカホールダー(一度開封していますが新品です)、cのハーモニカ、カズー、カポタスト、と、指を鍛えるガチャガチャ??(この手の物は、楽器店で買うと、2000以上します)おまけはあくまでおまけですし、ギターは中古ですので、御理解の上御入札下さり、無茶なクレーム等は御勘弁下さい。ケース無しですがちゃんと梱包致しまして、お送り致します。お振込手数料と、送料を御負担下さい。又、又、又、、値下げです(,,)//。。
---以上、勝手に転載---

ちなみに(?)、Q&Aコーナーには入札している人からの問い合わせと、出品者さんからの返答が。で、これも勝手に引用しておく。(爆)
---以下、勝手に転載---
質問 1: お尋ねします。おまけが魅力で気になっております。初心者でもいいですか? 弦高は低い方が弾きやすいと聞きましたが、下げることは難しい事ですか? よろしくお願いします。
答え: 御質問有難うございます。初心者と、、モーマンタイ。問題全然ありませんよ。私、初心者から~~までギターを教えたりしておりますが、頑張って下さいね。弦高は確かに低い方が弦のテンション(硬さ)が必然的に柔らかくなりますので、弾きやすいと思います。今のセッティングでも、けっして弾きにくくはございませんが、初心者さんですと、サドルを削って下げるのは、けっして簡単では無いとは思います。ので、落札頂きましたら特別に、サドルをもう少々下げる加工をして差し上げたいと思います。現行でも、けっして弾きにくくは無いですけれど、、御考虜下さい。宜しくお願い致します。
---以上、勝手に転載---

 ということで、既に入札している人もいて、ちょっと悪いかなと思いつつも入札。そしてあっさりと落札。(笑) (ちなみに、質問をしていた「初心者」さんは後日、無事に、もっと安い値段でそこそこのギターを入手されたようで一安心。)

 で、出品者さんからすぐに連絡があり、その文面を読むと、う〜ん、どこかで見覚えのあるお名前...。そう言えば出品者IDも、なんだか馴染みがあったような...。(笑)

 ってことで自分の履歴を調べてみると、確かに以前、取り引きをしたことのある人だった。で、その時もかなりマイナーなギターを入手させてもらって、「し、か、し、、珍しい物がお好きですね。。(..)//」とコメントされたりもして...。(笑)

 ってことで、以下、出品時ではなく、私の手元に届いて、そして色々とケアをした後の画像を:


まずはボディ全体。詳細は後ほど述べるが、どうやら1970年代前半のモデルらしく、30年の時を経てトップも、そしてボディ周りのバインディングもアメ色になり、これはこれで風格(笑)ある。


ヘッド部分。筆記体のPearlの文字は、う〜ん、多分だけれども何らかの貝(アバロン?)みたい。で、そこだけ豪華で後は特筆すべき点はなし。(笑) ちなみにペグはかなり安っぽいものだけれど、特にガタもなくしっかりチューニングできる。


リアビュー。ま、特に言いたいことはありません、はい。


ボディバック。材としてはローズウッドの合板のようであるけれど、その木目などしっかりしていてD-28と遜色ない。


サイドもしかり。なかなかだと思う。


ボディーセンターの刻印。判読できると思うけれども「PEARL GUITAR FOLK MADE BY HAYASHI」とある。で、この「HAYASHI」というのは「林楽器」ということらしく、後のHEADWAYの会社だとのこと。


センターブロックに見える「010529」のシリアルナンバー。下4桁は恐らく「5月29日」ってことだろうけれども、最初の「01」って...? 年を表しているようではあるが、西暦? 1971年? それとも年号? 昭和41年?(1966年だ...。ありえないか。) とすると昭和51年?

 ということで、入手した時にはちょっと弾きにくい感じがしたんでサドルを削り、またトラスロッドでネックの調整もして、うむ、なかなか弾きやすくなった。
 
 肝心の音については、う〜ん、ま、そこそこ、って感じかなぁ...。

 開放の音では、低音の方はなかなか深みのある感じ。だが、職場に置いているMartin D-15と較べると、どうしても音の響きが足りない。弾いたときの振動(?)も少ない。また高音の弦については、う〜ん、正直言って悲しいものがある...。明るいと言えば確かにそうだけど、伸びやかさがなく、弦だけが鳴ってます、という感じで倍音成分も少ないような気がする...。

 で、音と関係するんだけれども、このギター、フレットがちょっと...。幅はともかく高さが足りない...。ま、好みの問題かもしれないけれど、「あ〜、ギターを弾いている!」って感じがしない。(すごいこと書いている...。(爆)) ちなみにフレットが減っていて、ということではなく、もともとのシェイプがそういう感じである。

 とは言え(?)、まだまだ調整すべき点もあるだろうし、弦も違うのに変えれば印象も変わるかもしれない。造りそのものはかなりしっかりしているし、丁寧な仕上げだと思う。

 なお、入手後、インターネットで検索したところ、何とパールギターのサイトを発見。で、そこにアップされている1973年のカタログからすると、どうやら「PF-270」というモデルではないかと思われる。(ま、パールのフォークギターってことでPF、そして定価が27000円ってことで270。)
 で、そのカタログの情報を再掲すると:
表甲・・・特選スプルース
裏甲・側胴・・・特選ローズウッド
ネック・・・ナトー
その他・・・高級輸入弦使用
定価・・・¥27,000
サッシケース定価・・・¥8,000

うむ...。「高級輸入弦」、それからハードケースを「サッシケース」と書いてあるところなど、なんだか時代を感じさせる...。

 ってことで、もしかしたらペグをロトマチックに交換するかもしれない。そしたら少しは音質が向上するかもしれないなぁ...。30年くらいは経っていそうな気もするんで、それなりの音かと期待したけど、どうもこのコンディションからするとほとんど弾かれてないような気がしないでもないし。オール合板であるとはいえ、ドレッドノートタイプでこれだけのちゃんとした造りなんだからもっともっと良い音色を奏でてくれる潜在的能力(?)はあると確信している。

 ま、ギターの音色ってのは(もちろん主観的なモノも多々あるけれど)、それを形作るのに実に様々な要因があるし、私が最近入手したD-15やD-28のように最初から「鳴る!」ってのもあるし、ま、長い目で見ていこうというところである。>PF-270
(ここまで2005年04月30日)

 ということで、このギターについて掲載し、上で触れた「パールギターのサイト」の管理人さんにも連絡をしたところ、どうやら「PF-270」ではないのではないか、とのこと。  ふむ・・・。確かにヘッドが1973年のカタログの画像とは異なっている。
 ってことで、型番は不明。で、上記の管理人さんからは「おそらく少し後の年代になるように思います。」ということ、そして恐らくはTF-○○という型番になるのではないかとの連絡を頂いた。
 で、また何か分かったら記す予定。
(ここまで2005年05月01日 追記)

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