まずはボディ全体。詳細は後ほど述べるが、どうやら1970年代前半のモデルらしく、30年の時を経てトップも、そしてボディ周りのバインディングもアメ色になり、これはこれで風格(笑)ある。
ヘッド部分。筆記体のPearlの文字は、う〜ん、多分だけれども何らかの貝(アバロン?)みたい。で、そこだけ豪華で後は特筆すべき点はなし。(笑) ちなみにペグはかなり安っぽいものだけれど、特にガタもなくしっかりチューニングできる。
リアビュー。ま、特に言いたいことはありません、はい。
ボディバック。材としてはローズウッドの合板のようであるけれど、その木目などしっかりしていてD-28と遜色ない。
サイドもしかり。なかなかだと思う。
ボディーセンターの刻印。判読できると思うけれども「PEARL GUITAR FOLK MADE BY HAYASHI」とある。で、この「HAYASHI」というのは「林楽器」ということらしく、後のHEADWAYの会社だとのこと。
センターブロックに見える「010529」のシリアルナンバー。下4桁は恐らく「5月29日」ってことだろうけれども、最初の「01」って...? 年を表しているようではあるが、西暦? 1971年? それとも年号? 昭和41年?(1966年だ...。ありえないか。) とすると昭和51年?
ということで、入手した時にはちょっと弾きにくい感じがしたんでサドルを削り、またトラスロッドでネックの調整もして、うむ、なかなか弾きやすくなった。
肝心の音については、う〜ん、ま、そこそこ、って感じかなぁ...。
開放の音では、低音の方はなかなか深みのある感じ。だが、職場に置いているMartin D-15と較べると、どうしても音の響きが足りない。弾いたときの振動(?)も少ない。また高音の弦については、う〜ん、正直言って悲しいものがある...。明るいと言えば確かにそうだけど、伸びやかさがなく、弦だけが鳴ってます、という感じで倍音成分も少ないような気がする...。
で、音と関係するんだけれども、このギター、フレットがちょっと...。幅はともかく高さが足りない...。ま、好みの問題かもしれないけれど、「あ〜、ギターを弾いている!」って感じがしない。(すごいこと書いている...。(爆)) ちなみにフレットが減っていて、ということではなく、もともとのシェイプがそういう感じである。
とは言え(?)、まだまだ調整すべき点もあるだろうし、弦も違うのに変えれば印象も変わるかもしれない。造りそのものはかなりしっかりしているし、丁寧な仕上げだと思う。
なお、入手後、インターネットで検索したところ、何とパールギターのサイトを発見。で、そこにアップされている1973年のカタログからすると、どうやら「PF-270」というモデルではないかと思われる。(ま、パールのフォークギターってことでPF、そして定価が27000円ってことで270。)
で、そのカタログの情報を再掲すると:
表甲・・・特選スプルース
裏甲・側胴・・・特選ローズウッド
ネック・・・ナトー
その他・・・高級輸入弦使用
定価・・・¥27,000
サッシケース定価・・・¥8,000
うむ...。「高級輸入弦」、それからハードケースを「サッシケース」と書いてあるところなど、なんだか時代を感じさせる...。
ってことで、もしかしたらペグをロトマチックに交換するかもしれない。そしたら少しは音質が向上するかもしれないなぁ...。30年くらいは経っていそうな気もするんで、それなりの音かと期待したけど、どうもこのコンディションからするとほとんど弾かれてないような気がしないでもないし。オール合板であるとはいえ、ドレッドノートタイプでこれだけのちゃんとした造りなんだからもっともっと良い音色を奏でてくれる潜在的能力(?)はあると確信している。
ま、ギターの音色ってのは(もちろん主観的なモノも多々あるけれど)、それを形作るのに実に様々な要因があるし、私が最近入手したD-15やD-28のように最初から「鳴る!」ってのもあるし、ま、長い目で見ていこうというところである。>PF-270
(ここまで2005年04月30日)
ということで、このギターについて掲載し、上で触れた「パールギターのサイト」の管理人さんにも連絡をしたところ、どうやら「PF-270」ではないのではないか、とのこと。
ふむ・・・。確かにヘッドが1973年のカタログの画像とは異なっている。
ってことで、型番は不明。で、上記の管理人さんからは「おそらく少し後の年代になるように思います。」ということ、そして恐らくはTF-○○という型番になるのではないかとの連絡を頂いた。
で、また何か分かったら記す予定。
(ここまで2005年05月01日 追記)
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