つまんない話　PART 1

---つまんない話001　ワン・モア・トラブル---

　時は1998年、３月４日。羽田空港を目指して飛び立ったJAS機内にて。
　昨今はどこの航空会社も客の獲得に必死で、飛行距離に応じてポイントがつき、一定の数がたまるとグレードアップやらフリーチケットの発行などの特典が得られるという、いわゆる「マイレージプログラム」をやっているということはきっと御存知でしょう。
　で、この機内でもその案内のアナウンスをアテンダントが行なっておりました。
　きっと「大変御好評を頂いておりますJASの『ワン・モア・トラベル』～」と言うはずであったところ、何と、そのアテンダント、
　「大変御好評を頂いておりますJASの『ワン・モア・トラブル』～」
と言ってしまったのでありました...。

　「おいおい、飛行機でトラブルは御免だよ～。本当にそれが好評なのかい？　ワン・モアと言う以上はもう既に一つあるんでしょ？　それは一体何なの？」と心の中で突っ込みを入れ、苦笑いしつつも内心「いいなあ、こういう間違い...。」とほのぼのとしながらも感心した私でした。
「目次」へ戻る

---つまんない話002　謎の物体「みぉ」---

　そう、あれは１０年ほど前、初めてアメリカに行ったときの話。とある関係で、若者５人の所へ１週間、「ホームステイ」することになって...。
　まあ、出発前に覚悟してたけど、カリフォルニア、男５人（兄弟でもないのに）一つ屋根の下に住む...。
　危なくなったら絶対に逃げよう、と思ってました。（笑）
　結局、行ってみたら宗教で固く結ばれていた人達だったけど。
　ま、それはそれでいいんですが。
　そこでは基本的に自炊で、自分よりも年下の「ホストファーザー」と共にスーパーへ買い物に行ったりもしたわけです、はい。
　で、ある時、その「ファーザー」が買い物の途中、
「Nobu,　貴君は『みぉ』は好きか？　今、家にないから買っとこうか？」
「えっ？　何、それ？」と私。
「何って、飲み物だよ。日本には『みぉ』はないのか？」とファーザー。
「（きっぱり）そのようなモノはない。今までの私の人生で見たこともなければ聞いたこともない！」と私。
「それは真実か？　私は『みぉ』は世界、どこでもあるものだと思っていた。」とファーザー。
　ふ～む、アメリカ人は本当に自分たちが世界の中心だと思っているんだな、何て傲慢なんだ、と思いつつも、
「それはアメリカの特産物の一つではないのか？　もしよければ、是非、一度、その『みぉ』とやらを飲んでみたいものだ。」と私。
　で、結局、彼が連れていってくれたのは乳製品売り場。そして「これが、例の『みぉ』だよ。」と言って手にしたのは牛乳...。
　何のことはない、彼の発音した milk という単語の後半の子音部分が私にはほとんど聞き取れなかったという...。ただそれだけの、情けない話...。
「目次」へ戻る

---つまんない話003　みこ---

　なんかの本で読んだんだけど、ある若者が初詣の時にその神社の巫女さんに一目ぼれしたんだって。それで...勇気を奮い起こして「すみません。僕は***という者です！　僕と付き合って下さいっ！！」って言ったそうな...。
　そしたら、その巫女さん、「私は巫女ですから...」と。
それを聞いてその男「そうですか！　美子さんですか！　素敵なお名前ですね！」と。
　ごめん、ただそれだけ...。
「目次」へ戻る

---つまんない話004　「どうして『じゅそ』なの？」---

　娘が昔、まだ文字を覚えたてのころ、カタカナを書くのに「ン」と「ソ」の区別がつかなくって、「パン」なんて「パソ」になってしまうわけで....。
　で、以来、わが家では「ん」のことを「そ」と読む風習ができあがり、「ごはん」は「ごはそ」っていう具合に。「アンパンマン」も「あそぱそまそ」というかなり情緒豊かな名前に...。「パソコン」はもちろん、「ぱそこそ」。
　「ちゃそぽそ」や「わそたそめそ」なんて、ふくよかな響きが食欲をそそります。
　そのうち、下の子が生まれ、名前に「純」という文字があるんで、当然、「純ちゃん」なんてのは「じゅそちゃそ」というこれまた風変わりな名前に。
　略して「じゅそ」。でもその名を使って呼ぶのは私と妻だけですけど。
　ちなみに、この「じゅそ」という名前、しばらくとあるチャットルームで使用しておりましたが、「呪詛...、怖い...。」とか「十三？　へえ、良く行くの？」とか、「重曹...？」とか、挙げていくと悲しいくらいの対応をされました。最初のうちはちゃんと答えていたのですが、あまりにも「何、その名前？　変...。」という感じを持たれる方が多いので（当たり前だけど...）封印しました。
「目次」へ戻る

---つまんない話005　「ぎゅろどそ」---

　以前、「ん」を「そ」と読み替える風習についてお話しました。

　で、これはその続編です。今度は「う」を「ろ」に読み替えるという、これまた奇抜な風習について、です。

　はっきりと覚えていないのですが、そうですね、1985年頃のことです。その日、私は、九州のＫ市の街中を（当時の）愛車のセリカで走ってました。で、信号待ちの停車中に何気なく横をのぞいたら、とあるラーメン屋が目に留まりました。そして、その店先にぶら下がっている（ラーメン屋や中華料理店や焼鳥屋や屋台などによくある）大きな赤い提灯にふと目をやると...。すると、そこには...。

　意味なく、じらしました。すみません。ま、よくあることですが、その提灯には「みそラーメン」だとか「焼き肉定食」などのメニューの一部が、これまたよくある黒の太い文字で書かれていたのです。（大体どんなのか察しつきますよね？）　で、それはそれでいいんですが、そこに「餃子」が漢字でではなく、また、カタカナででもなく、ひらがなで書かれていたのです。が、しかし！！　どう見ても、「ぎょうざ」には見えない。筆文字がひっついてしまって、「う」の上の点と下の部分がひっついている...。つまり「う」ではなく「ろ」としか読めない！だから「ぎょうざ」が「ぎょろざ」（！）になってしまっているではありませんか！（取り立てて驚くことじゃないんですが。）

　「こいつはいい！！」と思わず心の中で快哉を叫びました。（そんな大袈裟な...。）

　ということで、以来、私は「う」を「ろ」と読むこととしました。って言っても、それをのべつ幕無しやっていたらただのバカですので本当に親しい仲間内でだけですが。広島に移ってからはこれといって友人もできません（笑）ので、専ら家庭内での語法にしております。

　だから、「ぎゅうにゅう」は「ぎゅろにゅろ」となります。「お～い、娘！　玄関からぎゅろにゅろ取ってきて！」などのように。また、例の「ん」と「そ」の交替現象と組み合わせて「牛丼」は「ぎゅろどそ」と相成ります...。　「ちゅろかどそぶり」、「ぴそぽそだま」、「いちらそひょろ」など、なかなか斬新な日本語の楽しい音配列が楽しめること、うけあいです。みなさんも、御家庭で、職場でどうぞ。（責任は持てませんが。）
（書き下ろし1998.8.）
「目次」へ戻る　

---つまんない話006　佐賀県立体育館にて---

　いつもながらわかりにくいタイトルですみません。（結構、直截的な気もしますが、関連性が見えにくい、という意味で分かりにくいかと存じます。）
　で、いつごろの話かというと、確か大学３年生の頃だったような気がするんで、１７年くらい前の話です。その頃、HASENOBU は普通の大学生の生活を送っていました。要するに、バイトに精を出し、授業はそこそこ出て、そしてクラブ活動に没頭する、というよくあるパターンの生活を送っていたのです。
　時期的に大学３年生というと、これといって就職について悩むでもなく、むしろ勉学以外のことに持てるエネルギーの殆どを費やす時期なのですけれども、私もバンド活動にのめり込んでいました。他のところにも書いたのですが、私はオフコースのコピーバンド（ちなみに HANDORGAN というバンド名でした）をやっていて、その誠実な人柄（爆！）ゆえ、バンドのリーダーとなってあちこちで活動していたのでした。主に、アマチュアの音楽組織（ちなみに「熊本フォーク村　とまと」と言います）で、定期的にコンサートを開き、また大学祭で演奏したりもしておりました。
　さて、HANDORGAN の活動は、当然地元ばかりだったのですが、どういういきさつからかは失念しましたけれども、佐賀の、やはり何とか言うアマチュアの音楽組織から「佐賀県立体育館にて近々コンサートをする予定である。ついては『フォーク村　とまと』からの出演を願いたい。」という依頼を受けたのです。
　その時すでに「フォーク村とまと」の実権を握っていた私は「よし、それでは我が HANDORGAN が遠征しようではないか！」と決め、佐賀でのステージを踏むことにしたのでした。
　で、ここまでが前置きですので（笑）佐賀での HANDORGAN のステージの話は省略します。（爆）
　ここからが本題です。
　当時は、まだワードプロセッサーなども普及しておりませんでしたので、当日、会場で受け取ったコンサートのパンフレットも手書きのものでした。出演前にパラパラとそのパンフレットを見ていると...。
　当たり前ですが、当日の出演者の紹介が書かれていました。ところが、中に「ロックグループ　セキリ」というのがあったのです。私達 HANDORGAN のメンバー一同、「ほぉ～...。すごいねぇ、このバンド名。すごいインパクトがあるよね！『セキリ』って、もちろん病気の『赤痢』のことだよね～。この名前をつけるのはなかなか勇気があるよね～。斬新そのものだね！」などと妙に感心してしまったのでありました。
　が。いざ、そのバンドが出てきたとき、司会のアナウンスでがっくり...。そのバンドは「セキリ」ではなくって「セキソ」だったのです...。（「赤楚」のことでしょう、きっと。）
　何のことはない、そのパンフレットを書いた人の「ソ」が「リ」に見えただけ、という...。ただ、それだけ、のことでした...。
　が、今でもこのことは HASENOBU の脳裏にしっかりと焼き付いています...。忘れたくっても、なぜか忘れられないでいるという...。（笑）
（書き下ろし1998.8.）
「目次」へ戻る

---つまんない話007　言葉の可能性と限界「Ｍさんのこと」---

　つい先日、とある方のホームページで「ネット上の友人は『まぼろし』なのか」ということをテーマに一連のスレッドがありました。たまたまそこを覗いた HASENOBU は、次のような文面を投稿しました。

（以下、引用）

言葉の可能性と限界「全ての人の意見を読んでからの投稿じゃないので的を射ていない、あるいは、既に決着のついた事柄かもしれませんが...。ネット（メールやチャットを含む）に対する個々人の考え方が最重要なポイントなのでしょうが、行き着くところ（というか、もしかしたら、出発点）は「言葉にどれだけの信頼を寄せられるか？」ではないでしょうか...？
　「どうせ文字だけの世界なんだから...。」と初めからスタンスを限定していれば、言い換えれば「言葉を見限っている姿勢」を持っていれば、それはネット上の友達を「まぼろし」だと思う道を自ら選択したことになるように私には思えます。他方、「文字だけしかないんだから、その中で精一杯伝えてゆこう」と考える人の場合は、もちろん、ネット上で知りあった人の中に「現実にいる友達」と同じ、あるいはそれ以上の存在感を持つ人と知りあえる可能性が高くなる、と思います。
あ、別に「真剣」「不真面目」「楽しむ」「真に受ける」などといったレベルの話ではなく、不真面目な言動だけれども、言葉に賭けている、ということもあるはずです。（そういう人は誤解されたりすることが多いかもしれないけど。）
中途半端な意見でごめんなさい。」
（以上、引用）

　昨年の６月から７月末にかけて、私はとある女性と頻繁にメールのやり取りをしていた。彼女のメールに返事を出すと、時には15分後にさらにリプライが戻ってくるという程、頻繁に私信の往復が続いた。だからと言って別に、その女性と恋仲になったとか、そんなのでは、決して、ない。ただ、ある事柄を出発点にして、お互いの意見を交わしあっていたのである。
　ことの発端はささいな出来事だった。彼女は私の意見に「噛み付き」、私はそれに対して振り払うことなく、精一杯、応えたつもりだった。それぞれのバックグラウンドを明らかにすることが互いの距離を狭めたとは思わない。が、頑なに思えた彼女の姿勢は、明らかに当初の頃とは違うものになっていったと思ったのは私の独りよがりでも思い過ごしでもないと思う。
　しかし彼女との私信のやり取りは途絶えた。ことの終端もささいな出来事だった。
　彼女は詩作に秀でていて、語彙も豊富、そして何と言っても、激しい気性を持った女性だった。想像力、そして創造力に溢れる人だったのだろうと思う。
　しかし、どんなに言葉を尽くしても、分かりあえないこともあるのだ、ということが私には教訓として残った。別に、私が彼女の考えをことごとく否定した、だとか、私の考えに同調するように強要したとかいうのではない。だけれども、私は今でも誤解された、と感じている。そして、残念ながら間違いなく、彼女は私のことを「理解した」と思っている。
　でも、だからといって、彼女に実際に会って話をしたい、だとかは思わない。私は言葉の可能性を信じる者であるから。一方、彼女は言葉の可能性に見切りをつけてしまったようだった。

　彼女は本音で語ることを私に望み、私はそれに応じた。しかし、それは時に彼女にとっては堪えられないものであったのだと思う。私とのやり取りの中で「色々学んだ」と、殊勝なことを書いていたがそれは（きっと彼女は自分ではそうなんだと思いたかったのだろうけれども）彼女の自己満足、もっと言うなら自己欺瞞に過ぎなかったのだとさえ、今は思える。（厳しい言い方だけど。）

　彼女は、私が、それまでの彼女の周りにいた人々と同じく、彼女の意見を否定せずに何でも受け容れて、「うん、そうだね。」と頷いてくれる人だとでも思っていたのだろうか...？
　そうではないことを私は最初から伝えようとしていたのに...。意見を否定することと、その人の人格（やプライド）を否定することは全くの別物だということを伝えようとしていたのに....。それが彼女には伝わらなかったのだろうか....。
　本当に残念なことに、彼女にはきっとそれは伝わらなかったのであろう。それはそれで悲しいことだけれども、仕方のないことなのかもしれない。
（書き下ろし1998.9.）
「目次」へ戻る

---つまんない話008　名前の話（続篇）---

　「名前の話」の正編は違うところにあるんですが、ま、それはいいとして...。
　かつて、自分の子に「悪魔」と名付けようとして役所で拒否され、大騒ぎしたちょっと変わった父親がいた。（ちょっと、かどうかは疑わしいが。）　その後の顛末は詳しくは知らないのだけど、結局、父親が引き下がる形になったと覚えている。どうして引き下がったのかは知らないが、それが法的な機関による説得（というか規制？）によるものだったとしたら、それはどこか違うんじゃないか、という気がしている。
　「そんな名前を付けられたら、子供が可哀想じゃないか！　それを法律で守ってやって何が悪い！？」という声が聞こえて来そうだが、前半は同意するものの、後半については私は異論を唱えたい。
　そんなもの、法律で縛るべき性質のものじゃないのでは？　もう少し言うなら、家庭裁判所かどこかは知らないけど、法廷で判断すべき問題じゃあないでしょ？　「じゃあ、どんな名前を付けてもいいって言うのか？」と、すぐ反論されそうだけど、そうは言っていない。
　むしろ、こちらから問い掛けたいくらいだ。　もしも子供の命名に関して何らかの規制を加えるとしたら、それは一体、何を基準に、そして誰がどんな権限で行うというのだ？
　「悪魔」だけでなく「亡霊」、「殺人鬼」、「屍」、「呪詛」、「青酸カリ」などなど、いくらでも「危なそうな名前」はある。（って言っても、生まれたばかりの子供に「屍」なんて付けようとは思わないだろうが...。）「いくらでも」っていうのは大袈裟かもしれないけど、一つ一つ指定できないくらい夥しい数の候補が挙がるだろう。また「死を連想させるもの」や「公共秩序に反するもの」や「風俗を乱すもの」だとか「一般の良識からはずれるもの」などという制限でも、それでも、曖昧すぎて規制の枠が判然としない。
　「小悪魔」ならいいのか？　「天皇」なら？　「灰皿」は？　「水子」は？　「動詞」や「形容詞」は？　（これこそ何でも出てきそうだ...。）
　例えば「不安」という言葉の響きが何よりも好きで、是非、我が子には「不安」と名乗ってもらいたい、という強い願いを持つ親達がいたら...？　やっぱり役所は受け付けてくれないのか？
　またちょっと発想を変えて（変える必要はないが）「出美瑠」と書いて「デビル」と読ませるのは？（まるで生まれつきの暴走族みたいだ。）
　カタカナの名前も認可されるはずだから「ナイセズ」というのだったら？　これはいいかもしれない。（つまり、受け付けてくれるかもしれない、ということ。）
　たとえ、その「ナイセズ」というのが古代スカンジナビア語で「この世を滅ぼす偉大なる悪魔」という意味であったとしても。（あ、これはデマカセです、ごめんなさい。）
　かのごとく、制限などできはしないのではないか？　であれば無理して規制しようなどと思わず、親の判断に任せるしかないのではないのか？
　まぁ、中には例の「悪魔」の件のごとく突拍子もない言葉を持ち出す者も現れるかもしれないが、それはどうしようもないのではないか？　確かに子供は可哀想であるけど。でも「悪魔」と名付けられた子供が大きくなって、そのことを恨みに金属バットで父親を撲殺したとしても、その父親は本望だろう。（何てしめくくり方だ...。）
「目次」へ戻る

---つまんない話009　名前の話（続々篇）---

　名前の話の第三弾、です。（だれも望んではいないだろうが。）
　職業柄、多くの名前を目にすることがあり、また、暇なときには個人名別の電話帳を読んだりしていることから、世の中には結構、意表をついた名前があるんだなぁ、という思いに駆られる私です。（電話帳の件はいつものごとく、デマカセですけどね。）
　　広島に来て、はや12年。その間、殆ど友人ができなかった。（爆）　できない、というより、そういう機会を意図的に避けているからだが。そんな HASENOBU にも、「知り合い」は、それでも何人かはいて、その中に「池田さん」という人がいる。私とほぼ同年代で、たまに一緒にテニスをしたりする仲だが、彼の息子さんの名前は「竜馬」という。これは池田さんが「坂本龍馬」に憧れ、その名前にあやかったものだそうな。
　ま、これは別に、騒ぐほどのことじゃない。でも、先日、２番目の男の子が産まれたそうな。
　その名は「怜央」。（おおっ、何かかっこいい書き方！）
　「江崎怜央奈」博士の「奈」をはずした漢字だ、とは池田夫人の弁。「レオ」と聞くと、つい「ジャングル大帝レオ」を思い出してしまうのは私だけじゃないはず。でも何となく勇ましいイメージを抱かせる。
　お兄ちゃんが「りょう君」と呼ばれ弟が「れお君」と呼ばれるのは、ちょっと紛らわしいが、それはいいとしよう。（なんだ、偉そうに...？）
　問題は、姓が「池田」で、併せて「池田怜央」...。おいおい、こりゃぁ...。
　もしも私が「怜央」君の同級生だったら、絶対（！）に「池、誰男？」とか言ってからかったことだろう。（やなヤツ...。）さらには「行け！　ダレ夫！」などと言って、「ダレ夫」というあだ名を授けることだろう。（きっと、この文面、見ることはないだろうが、こんなこと書いて、ごめんなさい、池田さん！）

　やっぱり、命名するときには姓名セットで考えなきゃね...。

　ついでにもう一つ。
　ついでに、ということで引き合いに出して失礼ではあるが、今さらここで取り繕っても、って気もするんで、ま、これもよしとしよう。
　これは、妻の同僚の子供の名前の話。一昨年くらいに結婚して、そしてこの春くらいにめでたく第一子が誕生したそうで...。で、「子供が生まれました！」というハガキに記されたその男の子の名前は「虎輝」...。（「こてる」と読んでね。）
　姓は何だったかは忘れたが、「鈴木」とか「山本」とか「渡辺」などのよくある名前。でも「こてる」って、一体...？
　余りにもインパクトが強すぎる...。勇ましい名前だとは思うけど、第一、意味もよく分からん...。ま、他人のことだし、言っても仕方のないことなんだが。
　
　さらにもう一つ！
　流行りの名前、というのが必ず年に一回は発表される。よくは知らないが、男の子の名前なら「翔」だとか「勇気」だとか...。
　いい加減にしろぉ～～！！と私は叫びたい。
　もう止めよう、芸能人やドラマの主人公かなんかに毒されたような命名は！！

　以前、住んでいたアパートの隣の「多田」さんの息子さんの名前は「勇気」...。「多田勇気」...。「ただ、勇気」って「空元気」の友達？

　あぁ...。何か、自分で虚しくなってきました。と同時に、立ち上がって本当に地団駄を踏みたいような、そんな気分...。（どんな気分だ、それは？）
　ここで取り上げた人達に個人的に恨みがあるのでもなんでもないけれど、「名前」という極めて個人的でアイデンティティーと結びついた事柄を取り上げて、「これはあくまでも言葉の問題ですからね！」って言っても分かってもらえないだろうなぁ...。分かって欲しいんだけど。せめて「くまきの部屋」を訪れる人だけでも分かって欲しいなぁ...。
（書き下ろし1998.9.）
「目次」へ戻る　

---つまんない話010　正直な感想---

　その日、HASENOBU は子供を二人連れて自家用車で広島市内へ向かっておりました。そうです、娘の「いずみ」（当時、小学４年生）と、息子の通称「じゅそ」（当時、保育園、年長「きりん」組所属、６歳）です。
　丁度、お昼頃でしたので途中の店で何か食べてゆこうか、ということになりました。ふと、「そう言えば、このバイパスを出てすぐの所に『牛丼の吉野屋』があったなぁ...。」と思い出した私は、その店に寄ることを子供たちに提案しました。
　「もうすぐ、『牛丼の吉野屋』があるから、そこで食べていこうか？　そこは『早い、安い、うまい』で有名なんだよぉ。」と HASENOBU は子供たちに伝え、では、そうしよう、ということになったのでした。
　その店に入ると、お客さんは多すぎず、少なすぎず、という程でした。場所柄、営業の途中のサラリーマンやタクシーの運転手らしき人達が、入れ替わり立ち替わり入ってきては黙々と食べていました。
　私と同様、息子のじゅそは丼物が好物ですので、私とじゅそは得盛を注文、そして娘は並１つ、さらに、それぞれにみそ汁やごぼうサラダ、おしんこなどを注文しました。さすがに吉野屋、注文して１分前後で品が揃い、食べ始めた HASENOBU 一家でした。（あ、別に母親がいないってことじゃないです。その席はいませんでしたが。）
　みんなが食べ終わって、店員のお姉さんに「ごちそうさま、おいくらですか？」と財布を取り出しつつ声をかける HASENOBU。そして「合計で****円になりまぁす。」とのバイトの店員の答え。三千円には至っていませんでしたが、それに近い金額でした。
　
　すると、いきなり、じゅそが、いかにも無邪気な調子で、かつ、大声ではないにしても静かな店内に聞こえるほどの絶妙のヴォリュームで、
「確かに早くておいしかったけど、けっこう高いね～！」と姉に同意を求めるかのように発言...。
「す、すみません...。」
　息子の口を手で塞ぎながら会計を素早く済ませ、子供の手を引き、店内の苦笑に包まれて、赤面しつつも「おぉ、なかなか『けっこう』の使い方が身についてきたな...。」と思いながら逃げるように店を出た HASENOBU でありました...。

　なお、ちなみにこの息子、今は小学１年生ですが、「そのプールまであとどれくらい？　え～っ、あと30分～！　けっこう高いよぉ～！」などとのたまう変なヤツです。
（書き下ろし1998.9.）
「目次」へ戻る　

つまんない話 PART 1

つまんない話　PART 1