雑文 Part 7

目次
No. 61 Anecdotage
No. 62 悪者
No. 63 ぷかぷか
No. 64 ネットオークション
No. 65 ネットオークションその後(1)
No. 66 ネットオークションその後(2)
No. 67 ネットオークションその後(3)
No. 68 ネットオークションその後(4)
No. 69 ニャン子が死んだ
No. 70 山口(2000.9.19〜21)出張報告書 No.2
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No. 61 Anecdotage
 ...。英語のタイトルをつけたりして、我ながら嫌なヤツだ...。

 で、英語の単語に anecdote というのがある。その意味は「小話。逸話」というものだが、これに関連した語として anecdotal (逸話(上)の、逸話好きな)という形容詞、そしてタイトルの anecdotage という名詞もあるのだ。これは「昔話をしたがるような老いの齢」ということで...。(爆)

 これは大学2年の頃に覚えた単語である。英語音声学の授業であったのに、何故か担当のアメリカ人教師はいわゆる「ボキャブラリービルディング」(ま、語彙増強、ってことだが)の授業を目論み(笑)、その教科書で覚えた単語なのだ。
 しかし、この語を覚えた20年前から今日に至るまで使ったことは一度もない...。(笑) 「覚え損」ってやつだ。(ま、そのような語は他にもたくさんあるが...。)

 で、その時に、そのアメリカ人教師が「人間って、年老いてくると頭の働きが低下するでしょう? そして同じ話をくどいくらいに何度も繰り返したがるんですよね〜。」と、しみじみと、自分に言い聞かせるように言ったことも、どうでもいいことだけど、私は覚えている...。
 そして、その時の彼の年齢には私はまだ達していないけれども、最近、うん、何となく身に沁みてそう感じることが多いのだ...。

 (いきなりだけど)人間の記憶は大きく、長期間の記憶と、短時間の記憶とに分けられる。前者は、自分の幼い頃、若かった頃の事柄・出来事などについての記憶、言語に関する知識などであり、後者は、例えば「昨夜の食事の内容」など、何日も経たぬうちに忘れ去られてゆく(そして往々にして、取るに足らない事柄)についての記憶である。
 この2種類の記憶に関して、まず、その保持能力が衰え始めるのは後者である。(ま、個人差もあるだろうけれども、自分の親の名前は忘れたが過去一週間の食事のメニューはすらすら言える、というような人はいないだろう、多分。) そして、私も、そして妻もこの歳になって、しきりに「あぁ、惚けつつある...。」と感じるのである...。(爆)
 もう、それは笑い話にもならないほど情けないことである。
 職場に持って行って読もうと思って玄関の靴箱に置いた雑誌を、出かける直前に財布を捜しに(笑)部屋に戻った後にはすっかり忘れてしまう、などというようなことが極めて頻繁に起こるのだ。若い頃から忘れっぽかったのであれば自分に腹が立つこともないが、自分ではそう思っていないんで(笑)余計に腹立たしい...。

 最近、くまきの部屋の更新の頻度が下がっているけれども、ちなみにそれと上記のこととは関係がない(と思いたい(爆))。
(2000年4月22日 書き下ろし)
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No. 62 悪者
 この話は、「不謹慎」である。読んで気分が悪くなるかもしれないし、「何てヤツだ...。」と思われるかもしれない。ま、いいけど。(爆)

 このところ、訳の分からない悲惨な事件が相次いでいるような気がする...。しかも強く印象に残るのは、それらが青少年絡みであることが多い、ということでだ。
 あぁ、日本は病んでいるのか...? この国の行く末は一体、どうなるのだろうか...?

 ウソだ。(爆) そんな心配は、私はしない。そういう事件のことを見聞きすれば、被害者のことを思い胸を痛めることはあっても、個々の事件と日本の将来とを結びつけて考えることは、私はしない。

 で、そのような事件が起こると、「犯行に及んだ少年の生活」やら「見え隠れしていた前兆」だとかに話が移り、そしてわけ知り顔(?)のコメンテーター(?)などが「もう今は***を見直す時期に来ているのではないのでしょうか?」などとほざいたりしている。
 私が自分の意志でテレビを観る、ということはほとんどないのだけれど、それでも見聞きする(?)番組の中で、いわゆるワイドショー(って、これはどういう意味だろう...?)は、実にくだらないと思う。で、その「実にくだらないと思う」ことの原因は、意味不明のゲストやらコメンテーターの存在(と、もちろん、その発言)である。
 これ以上浅薄なものがあるのだろうかと思いたくなるような表面的なコメントの嵐、である。
 「***事件を再検証!」などと言いながら、何一つ「検証」にはなっておらず、ただの「おさらい」(?)であり、そしてそのおさらいをもとに上記のゲストやコメンテーターが口々に思いつきの言葉を垂れ流す...。私は意味不明のものが好きだが(笑)、あのような範疇の意味不明のものは好きになれない。

 最近起こった事件にまつわって「犯人の少年はパソコンでインターネットを始めてから人が変わった」というようなことが報じられた。すると案の定、「インターネットの世界は無法地帯。そろそろ考え直す時期が来ているのではないのでしょうか?」などとのたまう輩が(多分)続出である。
 そんなに見直したいのなら、そんなに考え直したいのなら、自分一人で勝手にそうすればいい。そしてじっくりと見直し、考え直した結果を論旨明確に述べてもらいたいものだ。もちろん独りよがりにならないように多面的な観点を忘れないで欲しいけれども、ま、そんなことは望むべくもないか...。

 ということで、今、包丁がブームらしい...。しかも17歳くらいの青少年の必需品とのことだそうで。町を歩けばどこそこで包丁を振り回している若者がいるとの噂も。流行に敏感などこかのテレビ番組が「今、包丁が大人気! そのブレイクの謎に迫る!」というような特別番組でもやってくれないかなぁ。

 え? 不謹慎極まりないって...? そうかなぁ、今ある番組と大差ないと思うけどなぁ...。
(2000年6月3日 書き下ろし)
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No. 63 ぷかぷか
 あまり仕事のことについて語ることのない私であるので(笑)ほとんどの読者の方々は知らないだろうけれども、私はこの4月から新しい講義科目を担当している。それは「ことばと文化」という授業であるのだが...。
 当初、つまり私がカリキュラムを編成した段階においては、この科目は選択科目であった。ところが文部省へ認可申請を出す直前になって「これは新学科の中核となる科目であるから必修に指定しなければならないのではないか?」という事務長の意見により、急遽、変更されてしまったといういわくつきのものなのだ...。
 従って新しい学科に入学した学生は全員受講している。(当たり前だ...。これを履修しなければ卒業できないのだから。(笑))
 となると、当然のことながら「別に、ことばにも文化にも興味なんかありませ〜ん。」という学生も出席している。もちろんそういう学生に意気込みを期待しても無駄である...。

 とはいえ、担当者である以上、そのような者たちにも「ことばの面白さ」や「文化との関わり」について関心を持ってもらえるように努力するべきである。(ま、これも当たり前だ...。(笑))
 だけど...。

 とにかく、難しい...。最初は「日本語と英語の発想の違い」、「言語表現に見られる特徴」などを論じるつもりであったのだが、英語を専攻としない学生達も受講するとなると扱うべきテーマも当然、再考が必要となる。かといって「言語学概論」のような授業にはしたくない...。(あ、これは「不幸の手紙 from カナダ」に書いたっけ...。(笑))
 ということで、学生達の一番身近な言葉である母語(ま、「日本語」ということだが)を中心として論じてゆくのがベストであろう。それならば、毎日使っている言葉のことだ、彼女達にも興味が持てること、請け合いであるっ!!

 と思った私がバカだった...。(爆)
 
 まさに「笛吹けど踊らず」「空回り」「赤貧洗うがごとし」である。(もちろん最後のはデマカセだが。)
 
 私としては手を変え品を変え、色々と工夫して、学生達が「ことばの不思議さ・面白さ」に関心を持つようにと努力している(つもりな)のだが、う〜ん、反応が今一つ、なのだ...。

 この前など「なおざり」と「おざなり」という混同されやすい単語を取り上げて論じようとしたのだが、「先生、この『なおざり』って何ですかぁ〜?」「この『おざなり』って知りませ〜ん。」という者が、ほぼ全員、という信じがたい状況の前には屈服するしかなかった。(爆)

 ということで、暗澹たる気分で授業の準備に神経をすり減らしては愕然とする毎日なのである...、このところ...。
 あ〜、日頃愚痴をこぼさない私だけど(爆)、疲れているんだろうなぁ...。(笑) でも、こんなことじゃ「プロ」じゃないぞ、HASENOBUよ。(爆)

 で、標題の「ぷかぷか」だ。(笑)
 これは、いわゆる「擬態語・擬音語」、併せて「オノマトペ」と呼ばれるような語の一種だ。(私には)面白いのは、この「ぷかぷか」という語は、清音の「ふかふか」そして濁音の「ぶかぶか」という言葉と何らかの関係を持っているのではないか、ということである。「関係」というほどの関連があるのかどうかは分からないが。(笑)
 しかし「さらさら」と「ざらざら」などに見られるような「快」VS「不快」の意味的な対立は見られないし...。
 と、このようなことを考えるのはとても私には楽しいことなんだけれど、学生達はきょとんとした表情で「何を熱っぽく語っているのだろう、この人は...?」と言いたげなのだ...。(爆) そして、私はつくづく教師としての自分の未熟さを思い知らされるのである...。
(2000年6月20日 書き下ろし)
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No. 64 ネットオークション
 果たして「ネットオークション」なる言葉があるのかどうかは確信がない。だけれど、多分、「あぁ、ネット上でのオークションのことか...。」と正しく推測してくれると思うんで説明はしない。

 最近では(飽きたからかもしれないが)毎日必ずチェックするサイトはごくごく僅かである。(少ないときで2つ。多いときで5つほど。) 自分のサイトさえファイルが正しく転送されたことを確認する以外には見ないし。(笑) だが、先日、ふと思い立ってgooの検索で見つけたe-Bayというコミュニティ(?)のオークションサイトを見た。音楽→楽器→ギター、と絞り込んで見てみると、あるわあるわ...。数百ものギター(その他)が並んでいる...。(笑)
 で、それらを眺めているうちに衝動的にギターが欲しくなったのだ...。既に5本所有しているというのに...。売り手は米国マサチューセッツ州のとある楽器店である。一種の在庫処分セールをやっているらしく、フェンダーのギターとアイバニーズの One Day Tripper という小型のアコースティックギターが魅力的な価格で出ていたのだ...。で、その2つに入札した...。(爆)

 そして、今日。私が、それらの winning bidder (落札者?)となった旨の通知が来ていた...。(笑)

 値段は合わせても5万円にも満たないのだけれど、さてさて、支払い、送料などなど結構気にかかることが多い...。妻は「何てことするのよっ!! 引っ掛かったらどうするのっ!」と腹立て気味だが、以前、ネットでプレイステーション2を勝手に買った前科がある以上、あまり強くは言わない。(笑) (ま、妻の場合はソニーから直接(?)買ったのだが。)
 
 早速、問い合わせのメールを書いたもののまだ返事は来ていない...。さてさてどうなることやら...。(笑)

 で、話は変わるけれども、今年の2月に、大事にしていたホーナー社のクロマティックハーモニカの音の調整をしているうちに自棄になって(爆)リード(ま、部品の一種だ)を折ってしまって「お〜、ぱっきゃまらど状態」になったということは、どこかに書いた通りである。そしてこの3月にはカナダで替わりのハーモニカを入手したということも、既に書いているので参照されたい。(←何のための参照なのか...?)

 実は、その壊れたハーモニカ、腹が立って仕方がなく(笑)、ドイツのホーナー本社に事情を添えた手紙と共に送っていたのだった。「一体これはどうしたことか? 私は長年貴社のブルースハープを数多く購入し満足しているのに、このクロマティックは『はずれ』だったではないか〜っ!?」という文面だが。(笑)
 で、そのハーモニカを小包みにして送るときに郵便局で「中に手紙が入っていますか?」と尋ねられ、正直にそう答えると「では代金は2,000円になります。物品だけならば1,000円程度なのですけれどね。」と言われ、少なからぬショックを覚えた私である。(正確な代金は忘れたけど。)
その後のホーナー社とのやり取りの詳細はここでは割愛するけれども、概略、「貴君の話は分かった。しかしクロマティックハーモニカは極めて繊細な楽器でありブルースハープと一緒にしてもらっては困りますがな。既に保証期間は過ぎているけども、よっしゃ、今回は特別に100マルクで修理しまひょ。」という返事が届き、そして私もゴーサインを出し(笑)、そして「修理が終わったよ〜ん。」という連絡が来たのが先月半ばのことである。
 結局、修理費用、返送料込みで120マルクほどの金額をドイツの指定銀行に振り込む、あるいは銀行小切手を送る、ということになった。120マルクといえば、ま、日本円にすれば6,000円程度である。ところが郵便局、あるいは近辺の都市銀行では時間も手数料もかなりかかるようであったため、私は広島市中心部まで足を運び、東京三菱銀行から送金することにした。(日銀広島支店からの助言に従ったのだ。)
 なのに(笑)、手数料が2,500円。そして「現地での銀行での先方様が引き落とす際に手数料がかかるかもしれません。それについては何かの記述はございませんか? もしそうなった場合には送金した金額からその手数料が引かれることになりますので請求書に記された金額のままだと不都合が生じます。もちろん、改めてその不足金額をお客様から頂くことになりますが、その場合、改めて送金、となりますので最低2,500円の手数料がかかります。」との行員の言葉...。「そこで当銀行では、一種の委託金として1,600円を頂き、不足が発生した場合にはその不足分に充当させていただくシステムを御用意しております。え? 不足が生じなかった場合ですか? その場合には生憎ですがこの1,600円は返金できません。」

 はぁ...。なんだか面倒くさい話だ...。海外送金するなんて...。

 で、「分かりました。一種の掛け捨ての保険みたいなものなんですね。つまり1マルク(約50円)足りなくっても改めて送金するには2,500円はかかる訳ですね。じゃあ仕方ないですね、はい、その1,600円の手数料も支払います...。」ということで、結局はハーモニカの修理に12,000円ほど費やしたことになる...。(ちなみにそのハーモニカはカナダでは8,000円ほどで買えるのだが...。日本では15,000円ほどだったと思うが...。)
 何だかかなり損した気分である...。

 ということがつい最近あったために、アメリカの楽器店からギターを購入することになった私としては「さてさてどうなることやら...。(笑)」気分なのだ...。

 あ、ついでに言うと、今日(7月3日)は、Yahoo Japan の主宰(?)するネットオークションで別のエレキギターに入札してしまった...。(爆) これもどうなることやら...。(笑)
(2000年7月03日 書き下ろし)
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No. 65 ネットオークションその後(1)
 で、昨日に引き続きネットオークションのその後だ。

 さて、上に書いた通り、私はアメリカのとある楽器店がオークションに出していたギターを2台、見事に(笑)落札したのであった。そして「落札した方は至急、出品者に連絡をお取り下さい」とのガイドに従って今後の詳細を問うメールを送っていたのだが、今日、その返事が届いた。

 「悪いけど、2台とも売れちゃったよ〜。」との返事が...。(爆) ま、もしかしたら何らかの行き違いがあったのかもしれない(?)んで、このことの顛末はまたいずれ報告することとしよう。(何のためにだ...? 誰に報告するのだ....?)

 で、ここからが本題だ。(ま、本題というほどのことじゃないんだけどね。)
 「Yahoo Japan の主宰(?)するネットオークションで別のエレキギターに入札」ということについて、だ。

 このギター、何を隠そう(笑)、今では「アイバニーズ」と呼ばれてしまっている旧「イバニーズ」のアーティストモデル、である...。その名もAR-300!(って、もったいぶった、というか、大袈裟な書き方だ...。)

 このモデル、元オフコースのギタリスト、鈴木康博氏が同種の(もちろん、上位の、しかも特注の)モデルを使っていた、ということもあって前々から「いいなぁ...。欲しいなぁ...。」と思い続けたギターなのだ。だけれどもその頃(つまり、私がそのギターを欲しいと思っていた1980年頃)は高嶺の花、だったのだ...。(1986年にそのモデルの Special edtion (AR-305)を購入されたとある方からは「当時10万円で購入」という情報を頂いた。) それに私はコピーバンドの結成にそなえて既に別のエレキギターを買っていたのだ...。(アリアプロIIのTS-800。8万円也、である。)

 しかも今回オークションに出ているのは、そのシリアル番号から察するに1981年製、である...。ま、中には「は...? そんな古ぼけたギター?」と思う人もいるかもしれないけれど、私にとっては「オールドギター」あるいは「ヴィンテージギター」と呼んでもいいようなものだ...。

 当時のイバニーズのカタログは2年ほど前に知人に進呈したため詳しいスペックは分からないけれども、その頃のギターの材質は、いい。私のTS-800ですら(笑)、指板は黒檀を奢っているのだっ!!(って、そんなに叫ぶほどのことじゃないけれど。) 現在、黒檀を使ったエレキギターは、あったとしても20万円くらいはするような高級機種に限られる。(と、思う。)

 そして、出品されているギターの、気になるお値段(爆)は、5万円...。これまた様々な意見があるだろうけれど、私は、安い、と思った。完動品であるかどうかは不明(!)とのことだが、写真を見るかぎりボディやネックには異常はないようだし、仮にスイッチ類その他の電気系統がおかしくてもリペアに出せば済む話だ!  アーチドトップのボディには目立つような傷はないし、少し虎目がかっているアンティークサンバーストの色合いも、う〜ん、渋い! 渋すぎるっ!(笑)


 そのギターは6月25日に出品されたようで、タイムリミットは今日(7月4日)の午後8時...。昨日の夜の時点で私以外には誰も入札者はなかった...。しめしめ...。これで憧れのARが私のものに...。

 と、今朝、ヤフーの、そのアイテムのページを開いて私はちょっと焦った...。「s***2001」さん(伏せ字にしてもあまり意味はないけど)という方が入札していたのだ...。で、値段が51,000円になっている...。

 う〜ん、どうしようか...。いや、少々値段が上がっても構いはしないけれど、対抗者が出た、というのが意外だったのだ...。ここで私がさらにより高い金額で追加入札すれば、もしかしたら白熱して泥仕合(笑)になってしまうかもしれない...。
 
 よし、そのs***2001さんには悪いけれど、オークション終了寸前、午後7時59分50秒頃に52,000円で落札させて頂くことにするか...。(爆)

 ということで、そのページで「残り時間の詳細」を表示する画面を開いて私は待機した。「残り時間 あと1:30:45」というような画面だ。それが秒刻みでカウントダウンしている...。何となく時限爆弾を見ているようで緊張してしまう...。いや、正確には時限爆弾を仕掛けたような気分だ。(って、そんなことやったことはないけどね。)

 午後7時57分。私はそのページで「入札更新」の準備をし、金額の記入を終え、「その時」が来るのをドキドキしながら待ち構えていた...。「入札者のコメント」の欄には「s***2001さん、すみません!!」と書いて、後は「送信」ボタンを押すだけ、という態勢である...。

 あと2分、あと1分、あと30秒...。

 あ、充分に長くなったぞ。ここで、一応切り上げ。(爆)
(2000年7月04日 書き下ろし)
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No. 66 ネットオークションその後(2)
 で、何の話だったっけ?(爆) 何だか、事情が分かった今となっては非常にお間抜けな話なんであんまり書きたくないのだけれど...。(笑) って、乗りかかった船だ!! 見事、沈没するまで見届けようじゃないかっ!!

 と、冗談はさておき、前回の話の最後のあたりから、少し遡る。(爆)
 午後6時過ぎから私は部屋に待機し、そわそわしながら「詳細な残り時間」のカウントダウンをちらちらと眺めていた。(ちなみに職場の私の部屋の2台のPCはほぼ常時、インターネットに接続しているのだ。)

 そして時折、問題の商品が出品されている画面をリロードしては、「よしよし...。新たな入札などの動きはないな...。」と確認していた。
 競売相手である(笑)s***2001さんも、もしかしたら、今、私と同じようにコンピュータの前に陣取って、ことの成り行きを息をひそめながら見守っているのかもしれない...。

 もしも私が十分な余裕を持って、つまりお昼頃から入札の金額を引き上げてしまったら、それこそ泥仕合になってしまっていたかもしれない...。ふと気づくと思わぬ金額に達していて、熱くなってしまった自分を悔いることになったりしそうだ...。(私の性格上、あり得ることだ...。(笑))

 その人物の詳細は知る由もないが、日本のどこかで、この同じ画面を緊張した面持ちで見つめているであろうs***2001さん...。あなたには悪いと思うけれど、オークション終了の数秒前に、私は52,000円でAR-300を落とさせてもらいます...。(爆)

 あ〜、終了寸前まで「最高入札者:s***2001」となっていたのが、その数秒前に「最高入札者:hase1961」になってしまうのですよ...。その画面を見守っていたとしても、もう、無駄...。いくら慌てて入札金額を書き換えてパスワードを入れて送信しても、その次に「送信内容の確認」の画面までたどりついて無事に再入札できるだけの余裕などないのですよ...。
 ま、今回は運がなかったのだとあきらめて下さいな、s***2001さん...。

 で、午後7時59分50秒(笑)、私は「送信内容の確認」ボタンを押した。

 あ〜、何で「サーバーに接続しています」が、そして「情報を読み込んでいます」に、こんなに時間がかかるのだっ!!(爆) 実際はほんの数秒のことだったのだが、どぎまぎしながら私は画面が更新するのを固唾を呑んで見守っていた...。
 よし、画面が更新されたぞ! すると...。れれ...? 何てことだ!? 「他の人がさらに高い値段をつけました!」だって...!?(爆) そ、そんな...。

 ウソだ、そんなことはあり得ない!! 私の再入札が認可(?)されたのは、終了時刻の2秒前くらいのはずだ!! その画面を見て新たな値段をs***2001さんがつけたというのかっ...!?

 緊張と安堵とパニックを僅か数秒のうちに味わった(笑)私だった...。
 落ち着いてその画面を見ると「残り時間 10分」となっている...。(爆) どういうことだ...? もう1台のPCで、先ほどの、出品商品が紹介されている画面を見てみる。うん、終了時刻は今日の午後8時で間違いない...。
 
 さらに「再入札しますか? その金額をお書き下さい」という趣旨のことも書かれている...。ええ〜い、ままよ!(爆) 53,000円と書き入れて再入札だっ!!

 すると、また「他の人がさらに高い値段をつけました!」だって...!?(爆) そ、そんなバカな...。s***2001さん、一体どういう手口を使っているのだ...? 私の再入札の金額の情報が受け付けられ、それが商品案内の画面に表示され、それからs***2001さんはそれよりも高い金額を書き入れ、送信、送信確認、という手順(?)を、私のPCの画面が更新される2秒間ほどの間に行なっているというのか...?

 よ〜し、どんな手口を使っているのかは分からないが、こうなったら、受けて立とうじゃないか!!(爆) 54,000円、55,000円、56,000円、とどんどん値は吊り上がってゆく...。(笑) ええ〜い、まどろっこしいっ!! では、60,000円で、どうだっ!(爆)

 あ...。それでも...。(ToT)

  一体どうなっているのだ...? もう65,000円まで来たぞ...。それでも「他の人がさらに高い値段をつけました!」なのだ...。時刻は午後8時20分だ...。どうやら「オークション終了時刻」は、新規入札があると自動的に10分延びてゆくようだ...。

...。

 もう、いいよ、s***2001さん...。私は今回は見送ることにするよ...。私はB.C.リッチのモッキンバードと同じディマジオのピックアップ、電気回路を搭載したTS-800、それからギブソンのレスポールも持っているし、本当はエレキギターを何本も必要としているわけじゃないんだ...。(爆)

 そんなことを考えながら自分を説得し、なおかつ「あのブドウはすっぱい」と、イソップ寓話のキツネのような気分で家路についたのであった...。(笑)

 ということで、いよいよ次回は、感動と涙の嵐を呼び起こすこと必至の最終回!(笑) 全ての謎が今度こそ解き明かされるっ!!
(2000年7月06日 書き下ろし)
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No. 67 ネットオークションその後(3)
 ってことで、連日の駄文攻勢だ。(笑) (いやぁ、何だか久し振りだ...。こんなに次々と書くのは...。)

 で、平たい話(笑)、オークションでしくじった、というだけのことだけれど...。言い換えれば、私がヤフーオークションのシステムを良く分かっていなかった、ということでもあるっ!!(何も力まなくったって...。)

 ま、前回の後半で書いたように、どんでん返しの抜け駆け入札(笑)を目論んでいた私であったのだが、神業のようなs***2001さんの即時更新に尻尾を巻いて逃げ出さざるを得なかったという次第である...。

 さて、ここで次の「入札履歴」を御覧頂きたい...。(何のために...?)

[6月25日 0時0分] オークション開始。数量: 1 で 50,000 円
[7月3日 19時51分] hase1961 入札。数量: 1 で 50,000 円
[7月4日 6時27分] s***2001 入札。数量: 1 で 50,000 円
[7月4日 6時27分] hase1961 自動入札。 51,000 円
[7月4日 6時27分] s***2001 自動入札。 51,000 円
[7月4日 6時27分] s***2001 入札。数量: 1 で 51,000 円
[7月4日 6時27分] s***2001 自動入札。 52,000 円
[7月4日 19時56分] s***2001 入札。数量: 1 で 52,000 円
[7月4日 20時0分] hase1961 入札。数量: 1 で 52,000 円
[7月4日 20時0分] s***2001 自動入札。 53,000 円
[7月4日 20時0分] hase1961 自動入札。 53,000 円
[7月4日 20時0分] s***2001 自動入札。 54,000 円
[7月4日 20時4分] hase1961 入札。数量: 1 で 54,000 円
[7月4日 20時4分] s***2001 自動入札。 55,000 円
[7月4日 20時4分] hase1961 自動入札。 55,000 円
[7月4日 20時4分] s***2001 自動入札。 56,000 円
[7月4日 20時8分] s***2001 入札。数量: 1 で 56,000 円
[7月4日 20時9分] hase1961 入札。数量: 1 で 56,000 円
[7月4日 20時9分] s***2001 自動入札。 60,000 円
[7月4日 20時9分] hase1961 自動入札。 60,000 円
[7月4日 20時9分] s***2001 自動入札。 61,000 円
[7月4日 20時14分] hase1961 入札。数量: 1 で 61,000 円
[7月4日 20時14分] s***2001 自動入札。 63,000 円
[7月4日 20時14分] hase1961 自動入札。 63,000 円
[7月4日 20時14分] s***2001 自動入札。 64,000 円
[7月4日 20時20分] hase1961 入札。数量: 1 で 64,000 円
[7月4日 20時20分] s***2001 自動入札。 65,000 円
[7月4日 20時20分] hase1961 自動入札。 65,000 円
[7月4日 20時20分] s***2001 自動入札。 66,000 円

 さぁ、どうだろうか...?(「どう?」って言われても困るでしょうが...。)

 最初の方の「hase1961 入札。数量: 1 で ****** 円」というのは私が初めてこのAR-300のオークションにコンピュータで金額を送信した時の記録である...。それから「午後8時寸前」に、というのはどうやら午後8時ジャストとして登録(?)されているようだが...。
 で、見てもらえば分かるように「自動入札」という文言が何個所かに見られる。実は、私はこの「自動入札」というシステムをどうやら理解していなかったのである...。(ま、興味がある人はヤフーオークションの詳しい説明をヤフーのサイトで確認して下さいな。(笑))

 結局は、「自分が、その商品に対して払っていい最高限度の金額」というものを最初から(正直に)入札しておけばいい、ってことなのだ。だから、仮に私がAR-300に「10万円までなら払うぞっ!」という強い意気込みを持っていれば、入札の金額として「100,000円」を入れておけばいいのだ。そして、もしも競合者がいたとしても、その人が僅か「55,000円」(笑)という金額を入札してきたとしても問題ない。私の「100,000円」という数字は表には出ない。その人は「他の人がさらに高い値段をつけました!」(笑)というメッセージとともにhase1961が56,000円をつけたということを知るだけなのだ...。(爆) (そして、その場合にその人があっさりと引き下がれば、そしてそれ以外に誰も競合する者が出なければ、私は56,000円で落札できるわけである。)

 従って:
[7月3日 19時51分] hase1961入札。数量: 1 で 50,000 円
 というのは、(実は私は51,000円という金額で入札したのだが)競合者がいなかったために「50,000円」という価格が表示されたということだ。(念のため、繰り返して言うと、そして、もしもそのまま誰も入札しなかったら私は51,000円ではなく、50,000円でAR-300を落札できていた、ということになるのだ...。ま、正確には、出品者が「希望最低落札価格」を定めていたらその金額となるのだが...。詳しくはヤフーで調べてね〜。)

 ということを理解すれば、少なくとも午後8時の時点では私はコンピュータ(の自動応答)を相手に独り焦っていたということがお分かりだろう...。(笑)

 あ〜、間抜けな話だ...、とことん...。ちゃんと「説明書き」を読んでいればパニックに陥ることなど、そしてくまきに(笑)焦ることもなかったのに...。(ToT)

 しかし...。

[7月4日 20時8分] s***2001 入札。数量: 1 で 56,000 円

というのを見ると、その時点で s***2001さんもコンピュータを前にして「おや...? hase1961って奴が何だか張り合っているみたいだな...。こざかしいなぁ...(笑)」という苦笑いでも浮かべながら新しい金額(恐らくは「70,000円」といったような金額)を書き込んでいたのだろうと思われる...。

 で、最終的には「65,000円」を入れても「他の人がさらに高い値段をつけました!」となって私は引き下がった訳なのだが、考えてみるとs***2001さんには悪いことをしたものだ...。(爆)
 本当ならば(?)s***2001さんは53,000円で見事、落札、ということになっていたのかもしれないのだ...。それが、このhase1961という中途半端に熱情的な男が無意味に張り合ったばかりにさらに13,000円の余分な出費を強いられることになったのだから...。(笑)

 ま、それがネットオークションの面白いところなのだろうが...。(←反省の色なし。(爆))

 結局、喜んだのは出品者だけ、ってことだ...。出品者からは何らかのお礼をしてもらいたいほどである...。(爆)

 ってことで(?)、この教訓を踏まえ、今、実はギブソンのES-335に手を出している...。(爆) 今回は「101,000円」という入札をしているのだけれど(笑)、今日の午後確認したところでは更に高い値段をつけた人がいるようだ...。さてさて、景気づけ(?)に150,000円というような微妙な金額をつけてやろうか...。(爆)
 
 ということで、私の「せこさ」、「意地汚さ」が見事に表わされた駄文四部作であった...。(笑)

 あ...? でも、ちょっと待てよ...。考えてみれば、このs***2001さんって人物が出品者と同一人物、ってことも考えられるぞ...。(爆) つまり、自分の出した商品の価格を吊り上げるために名前を騙っている、ということも充分にあり得ることだ...。(笑) で、異常に熱した人物が納得できる高い値段をつければそれでめでたしめでたし、で、そうならないならばまた時期を見て改めて出品すればいいだけのことだ...。(さらに猜疑心を旺盛にすれば出品者とs***2001なる人物がグルであった、とも考えられる...。)
 そうかぁ、その手があったかぁ...。(爆)
 よぉ〜し、今度、この手を使って私のレスポールを出品してみようかな...?(爆) 10万円ほどで買ったギターだけど思わぬ高値がつくかもしれないぞ...。(爆)(あ〜、自分のあさましさに嫌気がさしてきたぞ...。(笑))

 ってことで「疑心暗鬼」という言葉を見事なまでに実証した私である...。(笑)
(2000年7月07日 書き下ろし)
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No. 68 ネットオークションその後(4)
 「駄文四部作」と書いたけれども、まだまだ続きそうである...。(爆)

 ボストンの楽器店が出品しているギターを私が落札したという話、そしてその後「『落札した方は至急、出品者に連絡をお取り下さい』とのガイドに従って今後の詳細を問うメールを送ったこと、そしてそのメールに対して、あにはからんや(笑)『悪いけど、2台とも売れちゃったよ〜。』との返事(爆)が届いたことも既に書いていることだ。が、約束通り、このことの顛末を報告することにする。(何のためにだ...? 誰に報告するのだ....?(笑))

 結局、やはり、これはちょっとした行き違いであったのだ...。(笑) 私が落札後送ったメールに、実はオークションで使用していたユーザーIDを記していなかったのだ...。(爆)(って、メールアドレスで向こうが気づいたっていいんだけど。(笑)) 
 ARを手に入れそこなったため、私としては、そのボストンの楽器店のギターを、本当はそんなに欲しいとも思わないし必要でもないのだけれど、癪に障るんで(笑)やはり手に入れたいなぁ、と考え直し、改めてその楽器店にメールを送ったのだった。つまり「おいおい、ちょっとちょっと...。私は落札者ですよ〜。」というメールを送り、それから商談を秘密裏に進めていたのである、実は...。

 ただ、何と言っても気になるのが郵送料、そして個人輸入をするわけだからその税金のことだ。ついでに代金の支払い、というのも(ハーモニカの件で身に沁みて分かったように、なかなか面倒なことで)気掛かりなところだ...。

 最初っからメールには私が「Hiroshima, JAPAN」だということをシグニチャに明記していたにも関わらず「おうちはどこ〜? すぐに送るよ〜ん」という能天気な応対をされたりもした(笑)のだが、今回の購入は海外からのものであることを宣言し(笑)、輸入の手続きが必要になりそうだがどういう手順を踏んだらいいのか、そして郵送料もかなりかかりそうだが一体いくらくらいになるのか、などを尋ねるメールを送ってやっと向こうも(ことの重大さ(笑)を)理解してくれたようだ。

 で、今日受け取ったメールで、送料が、今回落札した二台のギターの価格の6割くらいかかってしまうことが分かった...。(爆) 分かりやすく金額をおおまかに言うと、ギターの価格が(二台で)約5万円(ま、安いギターなんです、はい。)、そしてその送料が約3万円、ってことなのだ。そして、前述のように、さらに輸入税、ってのがかかるはずだ...。(それがいくらなのかまでは調べていないが18円とかいうような破格の金額であるとは思えない...。) さらに送金の手数料などを含めれば、場合によっては合計で10万円ほどの出費になるかもしれない...。(爆)

 ってことで(笑)、「やっぱ、やめるよ〜。キャンセルさせておくんなはれ〜。キャンセル料は払うけん〜。」と返事したのだが、いやはや、どうなることやら...。

 あ、ちなみにヤフーの方で新たに手を出していたセミアコ(Gibson ES-355)の入札価格が更新されている...。私も張り合って高値をつけ、今日の午後8時前の時点で私が「最高入札者」であったのだが、これもどうなることやら...。(爆)

 ってことで、オークション絡みの話は、少なくともあと1回は続く...。(笑)  
(2000年7月11日 書き下ろし)
---2000年7月12日追記:上記のES-335、昨夜、新たな競合者が現れたようで7月12日午前5時42分、その人が落札者となってオークション終了...。(ToT)
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No. 69 ニャン子が、死んだ...。
 もう、タイトル通り、である...。

 先日、って正確に書くと9月6日の午後8時半頃、九州の母から電話がかかってきた。最初は息子が応答したのだが、私に替われと電話の向こうで言っているようである。
 「何だろ...? また『タバコは身体に一番悪い!』の類のお説教か...?」と思いつつ出てみると、母は挨拶もそこそこに用件を切り出した。「午後2時頃からクロの姿が見えない。」と言う。(ちなみにニャン子のことを母達はクロと勝手に改名したのだ。)
 私がお盆の頃に帰省したときには、かろうじて流動食を食べることはできていたし、ちゃんと歩ける状態であったのだが、その後、ニャン子は日に日に元気がなくなり、8月末辺りからは出血がひどくなり、歩くのもやっとの状態になってしまっていたとのことだ。そしてその前の晩(つまり9月5日の夜から翌朝にかけて)は、しきりに屋外に出たがっていたらしく、か細くニャアニャアと鳴き続けていたそうである。で、母も心配でろくに眠れず、翌日のお昼に、つい、うとうととしてしまい、ふと気づくとニャン子の姿はなかったのだ...。
 「猫は死期が近づくと姿を消す、と昔から言うし、クロも出ていったみたい...。」
 そう話す母の声は涙声である...。あの気丈な母が、である...。「イヌやらネコは嫌い!」と言って、なかなかニャン子を引き取ってくれなかった母が、である...。
 よその家の庭や物置に行って、そこで死んでしまったのではないか、よぼよぼ歩いていて、車に轢かれてしまったのではないか...。
 こういう時の想像は不安を募らせる方向にしか行かない。
 夕方になってもニャン子は戻って来ず、母は懐中電灯を持って父と近辺を随分と捜索したらしい。しかしその甲斐虚しくニャン子は見つからなかった...。何だかんだ言いながらも十年以上、ニャン子と共に暮らしてきたのだ。せめて最期だけは見届けてやりたくって、と母は言う。
 そして、前の飼い主だったから、一応、報告だけはしておこうと思って母は私に電話をしたのであった。

 時々声を詰まらせながら以上のような話をする母に対して、私は何と言っていいのか分からなかった。元気を出すように言い、そして今迄長い間ニャン子の世話をしてくれたことに本当に感謝していることを伝え、私は電話を切った。

 私は、どうしても抜けられない事情でその電話の翌日の夕方から神戸に行ったのだが、その晩(8日)に母から再び電話がかかってきたらしい。
 母はその日も朝から近所を捜し回り、そして近所の人に尋ねたりして、幾つかの目撃情報も得て、自宅から50メートルほど離れた道の脇で寝そべっているニャン子を、ついに見つけたそうである。その時はまだ息もあったらしい。母が急いでニャン子を家に連れ帰ったのは言うまでもない。

 そしてその日の午後4時40分、ニャン子は母に看取られながら、14歳3カ月の生涯を終え、永遠の眠りについたのだった...。
 彼女の一生が不幸なものだったのか、幸福なものだったのかは、私には何とも言えない。(つまり、動物が「野生」であることが望ましいのかどうか、ということも分からないんで。)
 だけれども、生まれてすぐに段ボール箱に入れられ川に流されたのを救出されて以来、病気になっても捨てられることなく、天寿を全うしたことは、うん、ニャン子にとってはラッキーなことだったんだと思いたい...。
(2000年9月10日 書き下ろし)
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No. 70 山口(2000.9.19〜21)出張報告書 No.2
 ってことで、この報告書のNo. 1は別のカテゴリーにあるけれど、そんな小さなことを気にしてはならない。
 別に報告しなければならない訳ではないのだけれど(笑)、ただ書きたいから書く。

 ま、特別に変わった出来事が続発するようなエキサイティングな出張ではないのだが、やはり日頃とは違う環境に置かれると色々と思ったり気づいたりすることもあるのだ。

 さて...。一日目は午前1時過ぎに床に就いたものの、実は午前3時くらいまで眠れなかった...。10畳の部屋の端っこに布団を敷いて一人で寝たのだけれど、何だか、怖い...。(爆)
 「誰か、いる...。」というような気配を感じた訳じゃないけれど、何か、出て来そうで(爆)怖かったのだ...。(いいよ、嗤いたければ嗤っても。)

 前に、何かの本で読んだ「私は見た! 旅館の部屋の怪奇!」なんていう話を思い出してしまったりすると、最悪である...。「旅のプロ、添乗員が語る日本各地の怪奇旅館」(笑)といったような雑誌の記事だったかもしれない。要するに、旅館の床の間に飾られた水墨画や書や額縁に入れられた絵の裏に、何やらお経のようなものが書いてあったとすれば、それは間違いなく「魔除けの呪文」であり、当然、そんなのがあるのは、その部屋に「出る」から、というような内容の記事だった...。
 寝つけないときに限って、こんな真偽の疑わしい話を思い出したりするものである...。
 大きなちゃぶ台(笑)の向こうにある、あの床の間の絵...。何だか気味が悪いぞ...。あの裏には経文がびっしりと書かれているのではないか...? そんなことを考えたりすると、もう眠れない...。もちろん、だからといって起き上がって確かめてみるような気分にはなれない...。ううう...。

 って訳で、その晩は持参していた文庫本を取り出し、それを読み耽った...。で、そうこうするうちに午前3時を過ぎ(笑)、明かりを点けたまま、眠ることにした...。(笑)

 ま、翌日は午前7時には起きて、あたりを散歩したのだが、やはり何だか頭がすっきりしない。(笑) ま、4時間の睡眠時間というのはちょっと短い。で、お昼ご飯の後には車の中で小1時間ほど(真剣に眠りはしないものの)ぼぉ〜っと、目を閉じたりした。

 さて、二日目の宿泊に話を進めよう。(笑)

 今回は、その日の午後に予約をした「秋穂」の国民宿舎に泊まることにしていた。「チェックインは午後8時までにして下さい」と言われていたのだが、防府市内で野暮用のため、到着が30分ほど遅れてしまうことになった。で、「すみませ〜ん。今、まだ防府市内なんですよ〜。」と連絡を入れると「もう閉めますので...。」という冷たい返事。(笑) で、急遽、前に泊まった「玉泉湖温泉」へと向かう破目に...。(笑) (あ、ちなみに「野暮用」ってのは女性絡みじゃないっす。(笑) 防府市内の古本屋&中古CD屋さんをはしごしていたのです、はい...。)
 で、「玉泉湖温泉」というのは、前に書いたこともあるけれど「窯風呂」のある、そして「ローンゲートボールの発祥地」という触れ込みの小汚い(爆)宿屋さんだ...。「ま、滅多なことではあそこが満室で泊まれないってことはないだろうなぁ〜...。夕食はともかく...。」と思いつつ電話をしたら、やはり察した通り、「いいですよ。お越し下さい。」との返事であったのだ。
 途中のコンビニエンスストアでおにぎりとカップヌードル、そしてアルコール類を仕入れ、宿に着いたのは午後8時30分頃だった。
 案内された部屋は、前回の古びた研修センターもどきの建物ではなく、普通の「離れ」みたいな家屋であった。部屋は12畳、プラス「床の間」(笑)である。おばさんに頼んでお湯をもらい、そして虫の音だけが聞こえる部屋で食べるカップヌードルとおにぎり...。この侘びしさがたまらない。(ま、「たまらない」って言われても、って気もするけど。)
 あ、書き忘れていたが、今回の宿泊にはギターは持参していない。(笑) 代わりに(?)「作務衣」は持って来たのだが。(浴衣も悪くないけれど、眠るときに足がはだけてしまうので...。)
 夕食を終え、お風呂を済ませ、そしてちびちびとアルコールをやり始めた(笑)私は、極めて私らしくない行動を取った...。テレビを観たのである...。(笑) シドニーオリンピックが始まったということは新聞の報道で知ってはいたものの、毎度のことながら、特に関心もなく、観ようという気にもならなかったのだが、ま、昨夜の「床の間」のこともあるし(笑)、気を紛らわせよう、って訳だ。
 ふむ...。思い起こすと(笑)、オリンピックの番組を観るのは実に久し振りである...。いや、「4年ぶり」っていうのではなく。はっきり覚えている一番新しいオリンピックはミュンヘンオリンピックだ...。(ってことは、二十数年前のことか...?(笑) いや、そんなはずはない。柔道の山下選手が戦っている試合を見た記憶もあるから、もっと新しい大会も(部分的には)観たはずだ...。う〜む...、でもそれがどの大会だったのかまでは覚えてないなぁ...。ま、どうでもいいことだが。(笑))
 で、男子体操の種目を、ついつい1時間近く観てしまった。彼らの技術・演技(?)に「ほっほぉ〜...。すごいなぁ〜!」と、半ば呆れながら。
 それから(本物の)出張報告をノートPCでまとめ始めたのだが、しばらく作業をしていると急激に眠くなり、午前零時前には早々に床に就いた。で、今回は何にも怯えることもなく(笑)、翌朝8時まで熟睡できたのであった...。

 あ〜、つまらんことをぐだぐだと書き連ねたなぁ...。ま、いいか。
(2000年9月22日 書き下ろし)
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