音楽の話 Part 13

目次
その121 面白いメール
その122 有線放送
その123 続・面白いメール
その124 (横浜発) 邦人2名によりイギリス館占拠される
その125 ふきのとう

トップへ戻る

その121 面白いメール
 最近、って、この数年なんだけれども、仕事で対外的なやり取りのほとんどはメール、つまり、電子メールとなっていて、業者さんとのやり取りなどもそうである。
 そのためか、平均すると1日に20通前後のメールが届いたりする訳だが、もちろん、その中には、いわゆる迷惑メールというか、ゴミメールというか、DMっぽいのが混じったりもしている。
 その一方で、音楽関係のページを持っていることに関連して、見たこともないアドレスからメールが舞い込むこともある。
 今日、受け取ったメールの中にもそういうのがあって、なかなか面白かったんで、ここに再掲したい。(笑) このメールを書いた人には「再掲させて下さいな。」とお願いのメールを出したが、今の時点では返事なしだが、その方の個人的な情報(?)は伏せることにして、そして読みやすさのために若干、改行を入れたりするけれども、以下の通り:

---以下、引用---
 HASENOBUさん、初めまして、こんにちは。私、Kと申します。隙間タイムをぬって鍵盤叩いたので文面はふしだら下劣無頓着知性ゼロに決まっていますが伝えたいことの46分の1は確実に表現されています。それに免じて馴れ馴れしさと不躾さを許してやってください。それではスタートぉ!

 私はこのページの何人目の犠牲者でせうか。相当深手を負わされています。いやぁ〜、あなたの御手に汚されたギターの数々凄いもんです。増殖・駆逐・乱獲、あなたの歩いた後にはとりわけ国産名器はその温もりさえ残しておらんでしょう。また、押さえどころがマニアック。私も危うくARにはまるとこでした。実際80年代のイバニーズカタログ鵜の目で見ましたもん。一方でルカサーモデルをあっさり処分する潔さは収集道の徳を納めている御仁ならでは。私欲しかったです〜。それにしても来るたびに増えていますなー。
 しかし、私のメールの趣旨はそのようなことではなく、(驚嘆・感動・羨望・恋愛・人生・レーザー手術の効果の相談の類のメールは私以外からでもきているはず)某所で書かれていたリペア絡みの体験談に関連して、ショップこそ違えど、私の賛同を述べたいところにあります。結論。私、身をもって勉強しましたよ。「羊頭を掛けて狗肉を売る」ってやつを。
 これほど世評とかけ離れた仕事をするところがあるのでしょうか。初期の広告、有名ギタリストとのマブダチ写真をギター雑誌なんかで見て幼かった私なんかはここがいい!と決めてしまったもんです。
 喩えるなら、もはや行楽地で歩き疲れ空腹にもたえかねた末に眼中に入ってしまった平時なら奢ってやると言われてもぜぇっ〜たいっ入らない怪しい食堂を指さし、ここでいい!っていうのと違う!ととっていただきたい。或いはお姉ちゃんゲットしてホテルを目指したはいいけどどこも満室! たどり着いたは開店以来一度も改装無しと地元でも悪評高いモーテル、怪訝な表情を浮かべるねえちゃんに強気でここでいい!というなだれ込み趣旨は毛頭なかったのです。
 一言で言えば信じていたのにぃ〜というニュアンスですな。他に当時盲信していたギタリスト(仮名:X)のお薦めというのがでかかった。
結婚式場とリペアショップ選びは慎重にしないといかんね・・・。

 XとショップQの詳しい関わりはここでは割愛しますが一例として以下の出来事。90年代初頭XがショップQのハーフオーダーギターを紹介。全くゼロからの受注ではなくある程度フォーマットがあって指板、ピックアップ配置、色程度が選べる物だった。ショートスケールでネックが薄く細く速弾きに抜群、ショートスケールにも関わらず音がのびる、低音も出るような趣旨であった。値段はピックアップの数がだいたいの値段差になるのだが私は1個もっとも安価な物を頼んだ。約10万円也。私と同時にリスナーが数人初期発注した。発注時に受けた説明ではオールホンジュラスマホガニー。もったいぶってアフリカンマホとは全然違うんだこの値段でありがたく思え!位の言いぐさで親方自ら説明されたのを覚えている。そりゃーありがたや、お代官様〜というこちらが恐縮してしまう位の押し切られ方でしたわ。
 当時有名プロの面倒を一手に受け、ギターメンテでポルシェに乗れた男として業界でも有名だったので当時20歳そこそこ、買ったギターも2、3本という私はひとたまりもなかった。完成報告、引き渡し。なぜかヘッドストックにはブランドがはいっていない?!
 数日後私にギターを貸して欲しいと親方自ら電話が入る。理由は私のギターが一番色が良い、写真映えもする。今回ラジオだけでなくちゃんと広告を出したい、写真が必要だ、是非私のギターの写真を広告に使いたいというのだ。
 おぉっ、光栄だね。でも店は遠いな、けど了承した以上もって行かねばと、かくしてショップQに里帰りさせた。 数日後済んだから引き取ってくれ、取りに来いと連絡が入る。近隣の県とはいえ、ただで店まで行けるわけではないのだ、こちとら暇じゃないし。送ってくれてもいいじゃないかとも思った。なにしろ当時のショップQはきっちり土曜は弟子が一人きりで受け付け引き渡し、日曜は完全に休みであったのだ。もっとも今のご時世、日曜にも営業をやっているそうだが。
 私は引き取りにいった。写真、広告の話は一切無しにギターを返された。それと某国産の電車賃よりも安い010の弦をつけてよこした。因みにこのギターは原則008に合わせて作られている。Xが008を使っており実質Xモデルであったからだ。しかもGHSがより好ましいとされている。欲を掻いてはいけないが説明も無しに余りもんをもって礼に変えたその態度を不愉快に思ったが私は努めて柔和な表情で008、せめて009いただけませんかと伺った。
 途端に親方Qは声をあらげて「何であなたに弦をくれなきゃいけないんですか? ぐにゃぐにゃ」とくってかかってきた。私は穏やかに、言われるがままギターを持ってきた、取りに来たと言い返したら、「こんなギター作ったってうちは儲からないんですっ! ぶーぶー。」と怒鳴り返されてしまった始末である。
 すんごい殿様商売。それにラジオで紹介された恩恵もあろうに儲かる儲からないはこちらには関係ないこと。それとも儲かったらお礼でもしてくれるんかい?
 ここで知り合いの店員から後日得た情報は私以外の私と同時期に発注した連中のギターにはブランド名が入っていなかったこと。それと私自身がXから聞いた話はX及び私と同時期発注の連中のギターの何本かにデッドポイント、すなわち極端に音が延びないポジションが出てしまった、そこで私のギターも調べてみたかったのだという。私のギターは他の連中と違ってピックアップが一つだけ、そしてネックだけはホンジュラスマホガニーという仕様だったのが幸いしたのもしれない。私のギターにはデッドポイントはなかった。
 ここで述べておくがオールホンマホで説明を受けたのにネックのみがホンマホであった。私はこの出来事の前に2本目を注文していた。限定だからと煽られていたからである。
 そして後日、大分工期を無視して完成されたそれはオールアフリカンマホであった。作りについては、酷い・・・。素材も工作もとてもお金を取れるものではないはずだ。まるでギター制作学校の生徒が最初に作ったような代物である。しかし、平均数十万のギターを作る名ショップ、私のようなへっぽこ小僧がたてつくところではない。とにかく写真の話はでたらめであった。
 さて、ここから何が読みとれるか? 答えはこうである。私を含めた初期発注は試作品だったのである。つまり、販売前に試作した物はなく、発注品は極めてイレギュラーな企画であったにもかかわらずぶっつけで作った物だったのだ。さらに低価格で品質にも甘い基準で望んでいるもんだからブランドネームをはずしていたと考えられる。限定品のはずが結構長い間番組で受付をしていたのもそれを裏付けている。かように私は思うのである。
 というのが私の体験談です。まだまだありますが・・・。HASENOBUさんがひょっとしておかしなものを食って判断力を遺失或いは包丁の刃先に舌をはわす如き冒険家ならとめませんが、リペアの際には慎重にというお話であります。Q氏には押し切られまくっていましたがはっきりとした対立のようなものはありませんでしたので念のため。呆れて信用のかけらもありませんがうらんでいるわけでもありません。ちゃんちゃん!

 追伸 本状使用上の注意ですがこれはオリジナル文章で他の誰にも送っていませんし、送る予定もありません。転載等されると私が特定される可能性があります。こともあろうに使いたいなーという願望がむくむくと沸き立ってきたら諦めるか、私に一報ください。では。
---以上、引用---

 とまあ、特に「いやぁ〜、あなたの御手に汚されたギターの数々凄いもんです。増殖・駆逐・乱獲、あなたの歩いた後にはとりわけ国産名器はその温もりさえ残しておらんでしょう。」の辺りなどは「ん...? ケンカ売ってんの?」と言いたくなるところだけれど、ま、発言の趣旨は当たっているような気もする。(笑)>だけど、放っておいて欲しいが。

 ということで、私自身は(上に書いてあるリペアショップでは)何も被害は受けていないのだけれど、このKさんは、実被害に遭った分、とても痛ましい...。
 ちなみに、途中で(伏せ字で)Xと記しているのは、とあるギタリストの名前であり、私はその名前は良く知っているが、どういう活躍をした人なのかは丸っきり知らないし、もちろんファンでもない。

 で、話は変わるが、というか、戻るのだが、このK氏、結局、2本オーダーでオリジナルギターを作ってもらっている訳で、今はそれらを気に入って使っているんだろうか...? ま、氏にとっては高い授業料だったのかもしれないけれど、私のような貧乏人は「ショップにカスタムオーダー」なんて夢にも思ったことがない訳で、ある意味、うらやましいとさえ思うんだが...。

 とにかく、教訓として、ギターショップ選びは、慎重に慎重を重ねて、ってことで。
(2004年03月08日 「書き下ろし」と言うか、何と言うか。)
(2004年03月13日 ちょいと修正)

その122 有線放送
 確か先月の月末のことだったかと思う。
 その日、私は風邪のため、職場を休み、ベッドの上で「う〜ん、う〜ん。」と唸り続けていた。その前日辺りから本格的に体調が崩れ、悪寒と発熱で苦しんでいた訳だ。

 と、その時(って、朝の10時くらいだったか)、ベッドの傍らに置いた携帯電話が鳴りだした。
 「む...? 職場にはちゃんと今日は休む、会議も欠席しますと連絡したのに...? 誰だろ?」と思いながら出てみると、若いお姉さん(笑)の声。
 それを再現するつもりはないが、以前、何かの懸賞サイトに応募していた関係で、よく分からないが(笑)、とにかく「有線放送の初期導入費用がただになるというキャンペーンに当選した」とのこと。で、「おめでとうございます!」を連発されるが、取り立てて興味はないんで「はぁ、そうですか。」と軽くいなす。(笑)
 だが、暇だったので(笑)話を良く聞いてみると、うむ、なかなか面白そうな...。
 取り敢えず、カタログというか、冊子を送ってもらって検討してから導入するか否かを決定するということにする。

 で、数日して届いた冊子を見ると、ふむ、なかなか魅力的である...。「初期導入費用」ってのは、「パラボラアンテナ設置、ならびにアンテナ線の工事、そして機材のレンタル料金」ということらしいが、(それはどうせ懸賞に当選していなくたってただなんだろうけれども(笑))月々5,500円の費用で440チャンネルが聴き放題というのは、う〜ん、魅力的...。世界の音楽のジャンルには「ガムラン音楽」専用のチャンネルもあるし、「70年代の日本の歌謡曲」や「フォーク」なんてのもあって、これは楽しめそうだ...。

 そこで、家族会議を開き、導入を決定。<ちなみに、邦楽、洋楽問わず、最新の楽曲が流れてくるようなチャンネルがいくつもあるということで娘、息子が強く賛意を示す。

 そういう訳で(?)、18日(土)に工事をしてもらい、早速、色々と聴いてみる。おお...、これは実に多彩だ...。「ラジオ体操第二」を延々と繰り返すようなチャンネル、「羊が145匹...、羊が146匹...」の声がゆるやかな音楽と流れてくるチャンネルなど、「え...? 何、これ?」というのもたくさんあるのだけれど、横浜のFM局、BBCやVOAはもちろん、ハワイやロスアンゼルスの放送局までも受信できるのだ...。(ほんと、色んなジャンルがあるんで、ヒマな人は「USEN440」をキーワードとして検索してみてね。))

 ってことで、一気に音楽環境が整った(?)次第であるが、本格的に聴き始めたのは今日から。(笑) インターネット上で、どのチャンネルでどの曲が流れるかをチェックして、昔の「エア・チェック」(これは死語か...?)気分で「おお、『あのねのね』の『雪が降っています』があるぞ! おお、三木聖子ヴァージョンの『まちぶせ』も! あ、早乙女愛ヴァージョンの『魔法の鏡』だ!!」とはしゃいでMDに録音している次第である。(笑)

 新品のCDは年に20枚も買わないけれど、昔の音楽を求めて中古CDは(多分だけれど)年に100〜200枚くらい買っているんだけれど、これからはその必要がないかもしれない...。どうしても「この一曲だけが聴きたいんだけれど...。ええ〜い、仕方ない、アルバムで買うか...。」という状況であったのだ。だが(?)、「NEW DISC J-POP」チャンネルでは、新作のアルバム(邦楽、洋楽共に)が丸々一枚、例えばスピッツの新作アルバム『色色衣』も、完全ノーカットで録音できるのだっ!

 ってことで、決して私はUSENの回し者ではないが(笑)、これ、なかなかいいっすよ〜、と宣伝したい。(笑)

 いきなりだけど、追記。
 今、田口清の『ルーレット』を録音した...。ううう...。まさかこの曲が、ちゃんとしたステレオ方式で録音できるとは...。(涙) 70年代中盤から後半にかけて、色んな(特にフォーク、ニューミュージック系の)曲を、愛用のモノラルラジカセで、AM、FM局から録音したものだったのだが、20有余年の時を経て、こうやってちゃんと聴けるとは...。(感涙)

(2004年03月27日 書き下ろし)

その123 続・面白いメール
 さて、上の方で「面白いメール」と称して紹介させていただいたK氏から、再び私の元にいくつかの画像とともに、新たな書簡が届けられた。流れの関係で「続・面白いメール」とタイトルをつけたものの、実際のところ、ちっとも「面白い」ものではなく、「あ〜、ご愁傷様です...。」と呟きたくなるような悲惨な状況である...。
 K氏からはこのページへの再掲の許可も頂いたので、(ところどころ改行やスペースを入れたりなどしましたが)どうぞ、ご一読下さい〜!:
---以下、引用---
 HASENOBUさん、先日の書簡の続きです。
「今はそれらを気に入って使っているんだろうか...?」 
ぎくぅ!!! それがですね・・・、まだ、手元にあるんですよぉ・・・。だって売れるわけないじゃないですか。楽器の形しているから捨てるにも忍びないし。では行きます。

 私は当レポートの執筆後、久方ぶりにぶつをご開帳することにした。この何とも形容のしがたいいや〜な懐古の念はなんだ?犬のう♂ちを踏んづけて一心不乱に洗う。アライグマの早送りと化して必死になってう♂ちの付着した愛靴を洗う。そして、恐る恐る靴底に鼻を近づける。正にそれではないだろうか。しっかし今見てもひどいなー。土曜ワイドに市原悦子、夕方ニュースに欠陥住宅という取り合わせはもはや全国民が待ってましたの局地的正義である。しかし、本音としては欠陥住宅レポートなんかで床下潜った映像に見ちゃいけないものを見てしまいました状態の家人に「同情<好奇心」の不等式を立てちゃうんだなー。敢えてこの手法を己に当てはめてみよう。いくつか写真貼付しましたのでその恐怖をご堪能後私を笑うがいいさっ!

 沿革としては当時FENDER Jがミディアムスケールのストラトを出した後でその弾き易さが好評なのを調子づいたF社はさらにショートスケールのストラトの開発に着手。私はそれに備え資金繰りしたところで犬のう♂ちを踏んだ訳である。当時エレキギターを複数所持することなく(出来ず)購入に当たっては必ず処分が伴った。今回も同様である。しかも巨額の上乗せである。コピーモデルとはいえストラトもレスポールも弾いてみた、今度は(ハーフ)オーダーだ、これでギターは打ち止めにしようと今思うと童貞のうちに仏門へ入るが如き既得(奇特)な決心をしてしまった。
 とにかくすんごい気合いが入っていたのである。だってX一押しのショップQといえば敷居だって屋根より高い。期待だってヘリウムに負けじと高くなる。(そりゃー期待やなくて気体やろっ!) かくようにして私にとってはショップQの2本だけが所有するギターとなった。
 1本目と2本目の違いはフロントピックアップの有無だけのはずだがどう見ても違うモンだった。両者に共通しているのはネックが暴れる、反面トラスロッドが効かないという点にあった。1本目については問題有りだが何とか弾き続けることが出来た。色が白なので色紙代わりにちょうど良かったが。2本目は触るのも嫌だった。すぐに立体キャンバスの任務を与えてやった。塗装の練習用である。売値10万円のギターがである。
 そもそもこいつはギター学校の生徒の練習課題程度の工作である。新たな人生を拒めまい。ショップQでの引き渡し当時の私のリアクションは「あれっ?」とか「えー!」じゃなくて「う゛っ!」「あ゛ぁっ!」。梅図かずおの漫画に出てくる口の中に糸を引きながらあんぐり、げじげじ文字で「う゛っ!」「あ゛ぁっ!」を想像していただくと再現シーン忠実度高いです。そうこうしているうちにF社からショートスケールのストラトは噂通り発売された。定価5万円程度である。高い授業料? い〜え、そんな生やさしいモンではありません! あれは「お布施」ですぅっ。お・ふ・せ。
 今このギター頼まないともう作ってあげないよっ!≒今この壺買わないと家族共々救われないよっ!
煽り上手は営業上手、当代必要とされるTIPSを当時から実践していたショップQに完敗。否、乾杯。

 大筋こんな話であるが文句を言わなかった私が悪いという論も立つであろう。ただ、当時はまだバブル期、正に売り手市場。土地でも車でも売ってやるよの時代であった。出来合のものでも職人仕事を気取ってへーきでぽんっと出して「さぁ、受け取れ、金を出せ! 文句あんならよそいってくれっ!」という態度である。ショップQが雑誌でも広告が載り、ギター弾きXが事あるごとに宣伝してる、私自身といえば学生20歳そこそこのまだまだ大人に押し切られてしまっても無理からぬ輩ではなかろうか。実際私も言ってはみているのだ。その結果、言うのも嫌になってしまったのである。2本目の引き渡し時もっとも目立った材料の悪さも指摘した。が、こーいうもンだと相手にもされなかった。1本目についてだがアームを使った後の回復が悪いので調節を頼めばトレモロのエッジにグラインダーを掛けながらこんだけの仕事でも5000円かかると文句ばっかり。引き渡しから半年も経っていないのに・・・。
 くどいようだがあくまでも私の体験談である。営業妨害のつもりもないがその期待もしていない。大事なギターをどこで作る、任せるの判断材料にしていただければという趣旨が大きい。不当な仕事に金を取られるのも、最悪愛機を台無しにされるのはまっぴらごめんだ。同じギター好きがわざわざどぶにはまるのをほっとけん。HASENOBUさんの場合、リペアショップの放つ異臭に気がついて自ら危うきを離脱したわけだけど私の場合は腐ったどぶ板で異臭に気づかず事もあろうか腐れどぶ板の上でスキップスキップで踏み抜いてしまったわけさー。とほほ。
 ショップQに限らずオーダー・リペアショップの基準ってどこにあるのだろう。先に言えば私はどこであろうといい悪い関わらず二度とショップのギターには手を出さない。言われるがままの値段を払わざるを得ないところに危険が多すぎる。いくら理想を伝えても食い違う、あるいはそもそもの技量がないなどでどんなものができあがっても拒否できないでしょう。
 ショップQのように確信犯なのは最悪だけど別の例としてこういうのがある。ブライアン・メイ、クラプトンのサイケSGで定評のあったKという工房があった。今はもうない。知人で結構セッティング・メンテに詳しい人がいてそのぶん注文も詳細に渡るものだった。何度打ち合わせしても最終的に言ったとおりのものは作れなかったらしい。技術的にも知識的にも駄目だった。前述のヒット商品は忠実な外観が良かったのでそもそものギターの評価ではなかったようだ。オーダーショップといえども大半がストラトのモジュールをそのままで材料・色・部品で特化しているだけでなんか独自の技術を持っているとも思えない。
 いまストラト、テリーなんかの忠実なレプリカをやっているところもあったりするが品質は材料、組み上げで効果を上げている。反面、全くオリジナルでスケールやボディ構造を違えたものでこちらの望む音を出せるギターを作ってくれと言って可能な職人を見つけるのは困難であり、レプリカでさえあの値段が普通なら職人の腕に関わらず偉い高いものになる。
 持論を押しつけてしまったので単にオーダーギターの話に戻すが、リセールスバリューは大半のものが望めない。それに私は別に人と違うものを所有したいとも思わない。市販品でも自分には十分なものはごろごろある。(この点廉価で上質な市販品を楽しんでいるHASENOBUさんのスタンスは私が理想とするところだ。) オーダーとリペアを一緒くたに語るところに問題なきにしもあらずだけどまあ、大部分かぶると言うことで許されたし。
 さて、話は続く。あれほど儲からないと愚痴ったはずなのに数年後この企画をまたぶちあげた。きっと儲かる黄金則をみつけたのであろう。しばらく演奏から遠ざかっていた私であるがぼちぼちギターをいじり始めたこの時期、相変わらず1号機はネックの不調なのだが、よそに持って行くわけにも行かずとりあえずショップQに持ち込む。親方は不在。若い従業員にネックの不調を訴えた。その時の会話はおおむね以下の通り。これももちろんネタではない。

従:「反りとかじゃなくてもう、作りが全然駄目ですよー。」
私:「???」
従:プラハンマーでフレットを上から下まで軽やかにリズミカルに叩くとさながらラーメンからゴキブリを摘出した客のような口調で(って漫画でよくあるけど実在するのかな?)
「ネックもひどいけどフレットがほとんど浮いちゃってますよー。これ、もともとみたいですよぉー。一体どこでつくったんですかぁー?」
私:眉間に青ミミズ絶好調で声を押し殺して
「ここだよ・・・。」
---以上、引用---

 ってことで、上の方では「このKさんは、実被害に遭った分、とても痛ましい...。」と私は軽々しくコメントしているけれども、今回は、ひしひしとそう思った...。それから、同様に前には「ある意味、うらやましいとさえ思うんだが...。」とも書いているんだけれど、これは発言を撤回したい...。すみません、Kさん、ここまでの厳しい現実をつきつけられては、ちっともうらやましく思えませんです...。本当に、本当にご心中、お察し申し上げます...、としか言えない...。>送ってもらった写真は、もう、絶句モノだった...。

 ということで、どこのショップを利用するにしても、十分に話を聞いて、それなりの納得と覚悟の上で、とお節介ながら読者諸氏には伝えたい。
(2004年04月04日 「書き下ろし」と言うか、何と言うか。)

その124 (横浜発) 邦人2名によりイギリス館占拠される
 以下、唐突だけど新聞記事からの引用:

 今月7日、午前11時過ぎ、横浜市中区山手町にある「イギリス館」に邦人2名が立て籠り、一時占拠していたことが、本日、当館勤務のYさん(48)の届け出により判明した。
 Yさんの証言によると、この邦人2名は11時過ぎにふらりとイギリス館に現われ、「涼を求めてきました。」と悪びれた様子もなく館内に侵入したとのことで、2人組の一人が携えていた大きなケースに気づいて不審に思った同僚のKさん(51)が中味を問うと、男は居直った態度で館内奥の部屋に押し入り、やにわにケースの中からギターを取り出したという。
 男達は事件発覚に気づかずに入館した十数名を人質とし、主犯格と見られる男はスキンヘッドで事務員を威嚇しつつ、ギターに合わせて数曲を歌い、そのまま「港の見える丘公園」に向かって逃走した。
 尚、館を離れる直前に、たまたま事務室に詰めていた館長に丁寧にお礼の言葉を述べていったということから、かなり悪質な愉快犯であったと推測される。
-------------------------------
 
 う〜ん...。事件風に書いたけれどインパクトないなぁ...。(意図不明)

 ま、そういう訳で、先日の上京の際、最終日(8月7日(土))は午後3時過ぎの新幹線で戻るということで数時間の自由時間があったわけで...。
 で、個人的には、非常に思い入れのあるところ、つまり横浜の「港の見える丘公園」に行きたいなぁ、と思っていて、それで、せっかくだから(?)、やはり同好の士(笑)、Sさんに連絡をして、現地に集合しましょう、となったという次第である。

 JRで品川から横浜、そして根岸線に乗り継ぎ、石川町で降りれば良いところを関内駅で降り、てくてくと暑い中を歩き、フェリス女学院、外人墓地方面から港の見える丘公園入口前の駐車場にてS氏と落ち合う。

 前にもどこかに書いたと思うけれど、「秋の気配」から本格的にオフコースのファンとなった私にとって、この公園は、まさに「聖地」である...。そしてその公園に向かう時の私はまるで「巡礼者」気分である...。これまでにも、う〜ん、何回訪れただろうか...。<って、地方に住む私にとって、気軽に行ける場所ではないのだが。

 ま、そういうことで(?)、多分、5、6回は訪れているところではあるが、そしてその公園自体はものすごく雰囲気のいい公園という訳でもなんでもないのだけれど、それでも私にとっては特別な場所なのである...。<説得力ゼロ

 それはさておき、8月7日のことに話を戻すと、その日はほんと、汗ばむような好天気で、実際、上り坂を歩き続けていた私は帽子もずぶ濡れ(笑)になるほど汗をかいていた。
 で、S氏に会って、公園内に入ってすぐ右手側に「イギリス館」があって、その前月にS氏が奥様と、そして大阪からの来客Mさんと3人でその中で開かれた小さなコンサートに出演したということから、「中はどんな風になっているですか?」とS氏に尋ねたところ、「確か、今は一般公開されてますから、入ってみましょうか?」ということになり、それで冒頭の事件勃発に繋がる訳である。>しつこい...。

 ま、冗談はさておき、イギリス館に入ってみると、中はとても涼しく、事務員の方も愛想よく出迎えてくれた。しかも、S氏がたまたま携えていた(笑)ギターのケースを見て、「あ、それはギターでしょ? え、先月のコンサートに出演された? 今日もコンサートが夕方からあるんですよ。どうぞどうぞ、弾いてみて下さい。」と実に熱心に(<これ、ほんと。)勧められたのだった。
 そしてピアノが置かれた1階ホールの奥のサンルーム(?)に招き入れられ、そこのテーブルで和むように勧められ、かつ、逡巡するS氏は館員さんから「ギター、弾いて下さいよ〜!」と懇願され、そこで、S氏は(本当は公園内で弾くはずだったのに(爆))、押し切られるように(笑)ギターを奏で始めたのであった...。
 ええっとぉ、まずは「夏の日の午后」をS氏が弾き始めたため、スキンヘッドの私も意を決して(笑)、歌う。う〜ん、なかなかエコーが心地よい...。
 演奏&歌を所望してくれた(笑)事務員さん達は(夕方からのコンサートのために)ピアノを磨いたり、座席を並べたりしながら聴いてくれる。

 で、「それじゃ、次、あの曲行きましょうか?」ってことでSさんがマーティンD-76で弾き始めたのは「秋の気配」...。う〜ん、この地でこの歌は、もう涙モノである...。
 と、座席の方に何人かの来館者が「ん? 何ごと...? ギター、弾いているよ...?」という感じで興味深げにこちらを見ながら、並べられたパイプ椅子に腰掛け始めた。
 が、そちらに背を向けてギターを弾いているSさんは気づく気配なし...。
 
 そこでまたまた意を決した私は(笑)おもむろに立ち上がり、「秋の気配」を2番から歌い始める...。かなり恥ずかしいんで本当なら(?)サングラスに帽子といういでたちに戻りたいところであるが、これはかなり怪しい...。かといってスキンヘッドというのも、これまた理屈抜きに合わないところであるが、背に腹は代えられぬ。(意味不明)

 「うわ、これ、かなり恥ずかしいよ...。あ、またカップルが座って聴き始めたよ〜...。」などと思いつつ、どうにか最後まで歌い上げる。
 エンディングが終わり、そしてパチパチと響きわたる(笑)拍手...。で、S氏は初めて十名ほどの観客が聴いていたことに気づき大慌てする。(笑)
 観衆(笑)は、「さて、次の曲は?」という風情でこちらを暖かく見守ってくれていて(笑)、そこで私も図に乗って(笑)、S氏に何かもう一曲やりましょうと提案し、「それでは、続いて、もう一曲、オフコースの歌、やります!」と宣言し(笑)、「でももう花はいらない」を。
 が、何と(よ〜く知っているはずの歌なのに)歌詞を途中で間違えてしまうというミスを...。(号泣)

 ということで、これを持ってミニライブは終了とし(笑)、お客さん達も三々五々、帰って行き、そして人がいなくなったところで、ついでに(?)次回のセッションの演目の「五時半の電車」の練習を少し。
 
 こういう次第で「邦人2名によるイギリス館占拠事件」は幕を閉じ(笑)、私とS氏とは、館長さんに挨拶をしてイギリス館を後にしたのであった...。

 それから2人で、相変わらず風は強いけれど以前とはすっかり眺めが変わってしまった「港の見える丘公園」に行き、ベンチに座って雑談や相談(笑)をしたりして、それから少しだけ園内の散策をして午後1時過ぎ(だったかな?)に巡礼を済ませたのであった...。
(2004年08月28日 書き下ろし)

その125 ふきのとう
 今日、(自宅の)部屋の片付けをしていたら、何年か前に甲斐君から送ってもらった、ふきのとうの「ever last」のMDが出てきた。>私自身、「ever last コンサート」のCDを所有しているはずだが、この5年ほど行方不明...。

 で、久し振りに聴いてみた。

 マジで涙が出そうになった...。大好きな曲はたくさんあるけれども、このアルバムのシンプルなアレンジ、この年齢になると(笑)、心に染み入る感じですらある。

 彼らの曲、ほとんどが、ま、マイナー調のものなんだけれど、リードヴォーカルの細坪氏の透き通る声が、ほんと、良く合っている...。そして、どちらかと言うと「だみ声」に近い山木氏のヴォーカルが(これまた良く言われることだが)妙に「合う」のだ...。

 と、既に10曲目あたりに来たが、なるほど、このアルバム、ドラムレスなんだ...。ギターがメインだったり、ピアノやヴァイオリンが入ったりすることもあったり、ではあるが、ふ〜む...。

 そうこうしているうちに(?)、矢野君を思い出した...。(爆)

 年齢は私より一つ上だけれど、何故か大学の同級生となった人だ...。で、彼にはギターの手ほどきをしてやって、そして「フォーク研」(なつかし〜...!(涙))で、二人でユニット(笑)を組んだのだった...。>その後、彼はドラムに転向し、当時、私のやっていたオフコースコピーバンドのメンバーとなった。
 今も元気にしてるかなぁ...。10年ほど前に、そのバンドで集まったとき以来会ってないなぁ...。

 おっと、話がずれた...。

 ということで、70年代後半あたりの音楽、いいなぁ。(爆)

(2006年10月22日 書き下ろし)
トップへ戻る inserted by FC2 system