とんぼ(ちゃん)のこと


以下の文はすでに「くまきの部屋」において発表したことのある物だが、自分の書いたものだから、臆面もなく全文引用だ。(爆)
-----以下引用:
 ここ数日、私は「とんぼ」にはまっている。って、もうこのグループのことを知る人も少なくなっているのではないか...。
 私自身、実を言うと、そんなに彼らのことについては知らない。私が持っているのは数本のミュージックテープと数年前にCD選書で再販された彼らのデビューアルバム「貝がらの秘密」だけで、時折引っ張り出しては聴いていた。「とよ」と「よんぼ」のハーモニーがとても心地よい。この頃のフォークソングは、うん、とても私を和ませてくれるのだ。ガロやふきのとうなども、だ。(ちなみに、私にとってオフコースは別格だが。)

 メジャーであることや「売れる」こととは関係のない位置で音楽をやっていたというのではなかろうが、思わずそう思いたくなるほどのモノが彼らの中にある(と私は思う)。

 とんぼ(ちゃん)の一番のヒット曲って何だったのだろうか...? 私は良く分からない。曲の善しあしとは別の要因で売れてしまうこともある日本の音楽事情だ。
 「貝がらの秘密」、「ひと足遅れの春」、「白い夏の詩」、「遠い悲しみ」、「雨の一日」、「まわり道」...。
 これらがいわゆる「売れ筋」の曲だったのだろうけれど。それ以外にもいい曲はたくさんある。個人的には「冬ざれの舗道」、「秋の気配の中で」、「君の彫刻」、「道」、「遅すぎたラブソング」、「OK」なども大変好きな曲である。

 そして、この前、とある方の御厚意により、これまで私が持っていなかった音源をたくさん手に入れることができた。彼らのラストオリジナルアルバム「よろしくさよなら」(1982年3月)など、とてもいい曲がたくさん入っている。(ちなみにこの度初めて知ったのだが、稲垣潤一のファーストアルバムに入っている「月曜日にはバラを」という曲は、とんぼの伊藤豊昇の作曲であった...。そして、この曲は違う歌詞で「スクリーン」という曲となってとんぼの曲でもあるのだ。)

 オフコースと較べても意味がないのだが、とんぼの場合は、非常に素朴なハーモニー、シンプルな曲の構成で聴く人の心を掴んで離さない。(少なくとも私にとってはそうだ。)
 
 1974年 とんぼちゃん、デビュー。
 1977年、とんぼちゃんから「とんぼ」へと改名。
 1982年、その活動が終わる...。(1982年8月、LP「ありがとう とんぼ ラストコンサート」発売)

 私は彼らの最初から最後までをみつめ続けてきた訳ではない。実を言うと、いつから彼らの歌声を耳にすることがなくなったのか明確には覚えていなかった。そして、解散(活動停止?)の理由も正確には知らない...。ただ、ラストコンサートを収録したアルバムのMCでは、とよ(伊藤豊昇)が、よんぼ(市川善光)に向かって、「よんぼ、早く病気、治せよ」と言っていたんで、きっとそれが原因だったのだろうと思う...。(詳しいことはよく分からないが。)

 透き通ったヴォーカルが魅力のよんぼ、そして活動の前半では、どちらかと言うとハーモニーパートの多かった、とよ。初めてとよがリードヴォーカルを取ったのは1977年3月発売のシングル「まわり道」からだと、私の持っている楽譜集には書いてあるが。この、とよのヴォーカルもとても魅力的だ。飛び抜けて声がいいとか、歌が上手いというのではないが、心に思いが伝わってくるようなヴォーカルだ。

 う〜ん...。いいなぁ...。「みなさんも聴いてみて」と軽々しく言えないのが残念だけど。
(1999年6月 書き下ろし)


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