「遠い悲しみ」のこと


 うう...。
 いつもの駄文調で書かないほうがいいような気もするけれど...。

 私は「とんぼちゃんメーリングリスト」というのに入っている。オフコース関係のサイトで知ったとある方(って、「おんおんあおき」さんなのですが...。)から、とんぼ(ちゃん)のメーリングリストがある、ということを随分前に教えていただいていたのだけれど、グズグズしていて今年の初めの頃に入ったのだった。私はメーリングリストの世界(?)は良く知らないが、それ以前に加入したオフコースメーリングリストはかなりの記事のやり取りが頻繁に行われているが、この「とんぼちゃんメーリングリスト」はこの10カ月ほどでも恐らく40通ぐらいの量である。最近入られた新しい方のお陰で随分活気づいているのがとてもウレシイ...。

 さて、はっきり言って、現在では「とんぼ(ちゃん)」のことを話題にするという人は(私の知る限り)、決して多くない。そういう私自身、1979年頃から彼らの音楽を聴くことは少なくなっていったのだが...。

 この稿は彼らのことを紹介するためのものではないので、早速だが本題に。
 実は、私が好きな彼らの曲はいくつもあるのだけれど、特に好きな曲に「遠い悲しみ」という曲がある。記憶が定かではないが(笑)、「白い夏の詩」という曲で彼らの名前は知っていたが、ラジオから流れてきた「今でもこんなに君のことを〜」で始まる「遠い悲しみ」のイントロは実に印象的だった。少し長めのディレイをかけた賛美歌を想起させる重厚なコーラス...。それがいつまでも耳に残り離れなかった。やっとの思いでエアチェックに成功したときには本当に嬉しかった...。(モノラルのラジカセだったけれど...。)

 だが、この曲がシングルとアルバムで違っている、ということを知って以来、不思議に思っていたのはその歌詞が異なる、ということだった。
 で、私はつい先日「とんぼちゃんメーリングリスト」に、以下のような長年の疑問をぶつけてみた。

> こんにちは。HASENOBU@広島です。
>---ちょっと略---
>  前々から不思議に思っていたことなのですが、「遠い悲しみ」は
> シングルヴァージョンとアルバムヴァージョンがありますよね?
>
>  で、そういうときに演奏やアレンジ、ミックスダウンに違いがあったり
> するのはよくある話なのですが、歌詞に手が加えられる、というのは
> 珍しいような気がします。
> 
> しかもワンフレーズくらいの変更ではない...。
>  一体、どうしてなのか、そのいきさつなどを御存知の方がいれば
> 是非とも御教示願いたいのですが...。
> 
>  よろしくお願い申し上げます。

今の時点(1999年11月8日)ではまだ謎なのだけれど、すぐにリプライを寄せて下さったN.Oさんに感謝の意を示しつつ...。私の分かる範囲で、その違いを以下に記しておく:(...。歌詞を一曲全部載せるのは著作権に触れそうな気がするのだが...。(爆))


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「もうすぐ二十歳」(1975年5月10日発売)ヴァージョン

夏が窓をたたくと 誰かが僕を呼んだような気がして
急いで窓の外を見てみます 見てみます
そこには誰もいなくて 風のいたずらなんだと 独り言
呟いた後で ふと 昔のこと思い出す

 あの頃の君は頬をあかくそめ 何にも言えないまま
 ただうつむいてるだけ うつむいているだけ

いつしか風もやんで 遠くには電車の走る音
君との思いでいつか消えてゆく 消えてゆく

空から雨が降れば 君との思い出が頭の中を
一つ一つ 夢のようにかけめぐる
君がとても好きだった ガラス張りのお店で待ちあわせ
僕の姿見て うれしそうだった君の顔

 あなたと二人 どこか遠いとこ 行けたら幸せ なんて
 爪かみながら君は うつむいているだけ

 今では君は 見知らぬ遠いところへ
 僕をひとり ここへ残したままで

 今では君は 見知らぬ遠いところへ


「とんぼちゃんライブ」(1976年5月25日発売)ヴァージョン

風が窓をたたくと 誰かが僕を呼んだような気がして
急いで窓の外を見てみます 見てみます
外はいつもの暗やみ 風のいたずらなんだと 独り言
呟いた後で ふと 昔のこと思い出す

 あの頃の君は頬をあかくそめ 何にも言えないまま
 ただうつむいてるだけ うつむいているだけ

いつしか風もやんで 遠くには電車の走る音
ふたりの思い出 夢のように かけめぐる

 今でもこんなに君を愛しているのに
 君の心はもう戻っては来ない



「遠い悲しみ」シングル(1975年9月10日発売)ヴァージョン
「心はぐれた日から」(1975年11月10日発売)ヴァージョン
「ラストコンサート ありがとうとんぼ」(1982年8月発売)ヴァージョン


 今でもこんなに君を愛しているのに
 君の心はもう戻っては来ない

風が窓をたたくと 誰かが僕を呼んだような気がして
急いで窓の外を見てみます 見てみます
外はいつもの暗やみ 風のいたずらなんだと 独り言
呟いた後で ふと 昔のこと思い出す

 あの頃の君は頬をあかくそめ 何にも言えないまま
 ただうつむいてるだけ うつむいているだけ

いつしか風もやんで 遠くには電車の走る音
ふたりの思い出 夢のように かけめぐる

初めて雪を見た朝 ガラス張りのお店で待ちあわせ
僕の姿見て うれしそうだった君の顔

 あなたと二人 どこか遠いとこ 行けたら幸せ なんて
 爪かみながら君は うつむいているだけ

 今でもこんなに君を愛しているのに
 君の心はもう戻っては来ない

 あんなに幸せだったふたりの恋が
 さよならだけで終わってしまうなんて

 小さな冷たい君のあの手のひらを
 もう一度あたためてあげたい

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ま、「とんぼちゃんライブ」の場合にはメドレーの一部になっているのであるが、これからすると「もうすぐ二十歳」と、その4カ月後に発売されたシングルとではすでに歌詞が異なっている。
 これだけからすると、シングルカットになった時点で歌詞の修正がなされたようだ。問題なのは「どうして歌詞が変えられたのか?」であるが、これについてはまた稿を改めて。

(1999年11月8日書き下ろし)

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