Artist07



 う〜む、実はARとは関係がないことなんだけれど、肖像権の問題があるんで、隠し部屋に。

 きっと(?)ここのページを見ている人ってのは元オフコースの、もっと言うなら鈴木康博氏のファンである、って人だろう。(違う人もいるかもしれないが。ま、いいんだけれど。)

 今回ご紹介するのは、その鈴木氏の「ファーストギター」(笑)。と言っても、「一番大切にしているギター」、「一番、出番の多いギター」ということではなく、「一番最初に手にしたギター」という意味である。

 確信はないのだけれど、以下の写真が、オフコース脱退後の心情を綴った鈴木氏の著作『時代(とき)を超えて今・・・』(勁文社 1987年発行)の35ページ、第二章「SCENE 2 アメリカと素晴らしき仲間」の表紙に載っている:




 ま、本文中にこの写真(あるいは、このギター)についての直接の記述がないため、この鈴木少年が手にしているギターが絶対にファーストギターだ、という証拠はないんだけれど。(笑)

 上の写真を見て、「なるほど、最初はクラシックギターだったのかぁ。」と思う人がほとんどだろう。だけど(?)、よ〜く見て欲しい。フレットのポジションマーク、ちょっと変でしょ? クラシックギターは(ご存知の通り)12フレットでネックがボディに接合しているんだけれど、12フレットのドットはともかく、その前は10フレット、そして7フレット、5フレットになっていますよね?(普通は、(3→)5→7→9→12、なのに。)
 そして、ブリッジのところにもなぜか(笑)ポジションマークみたいなのが...。(笑)

 って、引っ張ってすみません。これ、ヤマハのFGの前身である「ダイナミックギター」です、間違いなく。しかも、画像でははっきりしないけれど、ブリッジの弦の留め方(?)からすると、クラシック弦ではなく、スティール弦を張っているようだ。ナイロン弦なら1〜3弦も(もっと太くて)はっきりと写っていてもいいはずだ。(あ、ちなみにダイナミックギターは見た目は昔ながらのクラシックギターだが、スティール弦のテンションに耐えられる仕様になってる。)

 なお、これまた断定はできないけれども、同書、61ページには「ギターを買ったのは、高校一年の夏か秋くらいじゃないかな。」との記述がある。が、もしも上の写真が借り物のギターでなかったとしたら、このランニングシャツ姿から察するに「夏」と言えるだろう。

 ついでながら、鈴木氏(1948年2月18日生まれ)が高校一年生だった時というのは、1963年のこと。ダイナミックギターの登場は1960年代初期であるから、計算も合う。(笑) もっと言うと、サウンドホールの周りのシンプルな飾りのバインディングからすると、モデルはNo.30(多分、当時の定価は3,000円)あたりではないかと推測される。
(ここまで12月9日 記)

ちょっとだけ補足。
 『ACOUSTIC GUITAR MAGAZINE Vol. 9 Summer Issue』(Rittor Music社発行)の「小田和正 with 佐橋佳幸」特集、11ページに小田和正氏の発言として「俺らはそういう存在を知らなかったから、ガットギターにスティール弦を張ってみたりしていたけどね。」という記述がある。ここでの「そういう存在」というのはマーティンのギターなどの、本格的なスティール弦のギターのことであり、また、「俺ら」というのは、小田氏や鈴木氏が「(ジ・)オフコース」を結成する前の高校生だった彼らのことである。
 ってことで、少なくとも小田氏には当時(鈴木氏、小田氏ともに高校一年生だった時に、鈴木氏が購入したのがスティール弦も使える)ダイナミックギターだったということを知っている可能性はないようだ。(笑) なお、ついでに記しておくと、本当のガットギターにスティール弦を張ってしまうと、しばらくの間は使えるものの、しばらく(一週間も経たぬうちに)過剰なテンションに耐え兼ねたブリッジが剥がれてしまい、使い物にならなくなってしまう。これはHASENOBUの若き日の実体験だが。(笑))
(ここまで12月15日 記)
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