AR改造記(1)


 ということで「AR改造記」という、いかにも大胆不敵なタイトルをつけてしまったが、別に私が手持ちのARをどんどん改造してゆくというようなコーナーではないので変な期待は抱かないで欲しい。(ま、正確には「AR1500CS改造記」でもいいんだけれど...。)

 さて、ARの中では比較的レアだと思われる1500というモデルを、私が2002年2月半ばに幸運にも入手したというのはホームページのコレクションのコーナーでも書いたし、また、My AR Guitarsのリストからも正々堂々(?)とリンクを張っている。そのあたりのことを知りたい人は、まずそちらを確認して頂きたい。(って、偉そうな書き方だけど。)

 で、この1500についてだが、ちょっと気にかかる点があった。それはピックアップが別のものに付け替えられていた、という点である。ついでに、トーンコントロール回路は効かないように改造されている、という...。
 ま、後者については実はさほど気になることではなかった。>私はトーンもヴォリュームも全開にして(笑)エフェクタやヴォリュームペダルで音色や音量を変える主義であるからだ。(「主義」というほど大袈裟なものではないけど。)
 
 これまた既に記していることだが、このギターはオークションで落札したものなんだけど、何と、落札後の(出品者との)やり取りの中で、オリジナルのピックアップは所有しているからおまけで送ってくれるということになった。(うん、これは実にラッキーなことだったと思う。私が出品者だったら、別途、オークションにかけて売りさばいたはず。(爆))
 そもそも(?)ピックアップが付け替えられたのは「ギブソン製にすれば、レスポールの音になるかな〜なんていう安直な考え」(出品者のコメント)であったとのことで、もう既にれっきとした(?)レスポールを持っている私には、これは意味のない改造である。<ま、普通のどうってことない量産品だけれど(笑)
 とにかく私はARにギブソンの音、レスポールの音を求めはしないのだっ!!<って、別に力むことじゃないけれどね。

 いずれにせよ、せっかくオリジナルのピックアップがあるんだから、これはやはり元に戻したいところである...。しかし、ただ復元するだけじゃ芸がない...。

 と言いつつも、この1500など、その回路からすると2vol&2toneであって、完全にレスポールを意識(?)したものだとは思う。3**系や5*0系においては多彩な音色が出せるようにオリジナルの回路を使っているのに1500では、正統派の回路を採用し、「どうだ。決してレスポールにも引けを取らないぞ!!」というのが開発の趣旨であろうということも容易に察しがつく。
 1970年代中頃の、いわゆるギブソンのコピーから脱却を目指して産まれてきた(と思われる)ARでも、ここまで素晴らしい仕上がりなんだぞ、という開発者達の意気込みがそのシンプルな回路採用の裏側にはあるようだ。
 
 しかし...。

 やはり私としてはギター本体でヴァリエーションの多い音色、たとえばトライサウンドの切り替えができたりフェイズアウトの音が得られたりするのが好きだ...。<結構ワガママ...。

 う〜ん、となると今ついているギブソン・クラシック57を外してオリジナルの Super58 に戻し、そしてできれば回路もいじりたいところである...。
 ピックアップの載せ替えは(やったことはないけれど)作業としては困難を極めるほどのものではないだろうし、自分でやっても、全然できない、ということはないかもしれない...。
 しかし、ものごとには「取り返しのつくもの」と「取り返しのつかないもの」とがあるのは周知の事実である。スーパーマーケットで買ってきた鶏卵を例にとっても明らかだ。卵を取り出し、床に落としてみる。ほら、割れる...。もう元には戻らない...。(意味不明の比喩)
 床に落とすのは掃除が面倒なので他の場合を考えよう。その卵を茹でてみよう。15分も茹でれば十分だろう。間違いなく「ゆで卵」が出来上がる。外から見るだけだと(よ〜く見ないと)分からない。立てて回してみれば、ゆで卵だとしばらく自転(?)するのに対して生卵だとすぐに倒れてしまうという違いはあるかもしれないが、とにかく、一見するとその区別はつかないことだろう。(さらに意味不明の比喩)
 それと同じで(笑)、取り替え作業後、鳴らなくなったピックアップというのは、もう私の手には負えない。

 それに、おまけでついていたオリジナルのピックアップは(3**系や5*0系と同じSuper58であるけれど)その芯の構造はコイルタップが簡単にできるような仕様ではないようだ...。(本体から伸びているシールドは、中の芯が1本と外側のシールド部分だけ、つまりホットとアース(?)だけという構造であった。)
 ってことで、仮にトライサウンド(もしくは、譲歩して(笑)デュオサウンド)を得ようとすればピックアップそのものにも手を加えないといけない...。こういう改造をするとなると、もう、間違いなく私の手には負えないということ、絶対の自信がある。(<情けない自信だけれど。)
 しかも、ピックアップの中をいじるだけじゃなく、さらに切り替えの回路を増設するような改造となると、う〜ん、とんでもない出費になりかねない...。ショップに依頼したら、このギターを私が買い入れた価格以上の費用をふっかけられるかもしれない...。(爆) 「う〜ん、これはかなり複雑な回路を組まないといけないですね〜。」と眉間にしわを寄せて言われても(回路のことがよく分からない私には)「なるほど...。そうですか...。」と甘んじるしかない。(笑) きっとそれなりの手間ひまがかかることだろうし、「パーツ代金のみの実費」ってことでは済まないはずだ。素人には突っ込めない(?)高額な「技術料」が請求されることだろう...。

 ということで、「う〜ん、どうしよ...? ま、あんまり弾かないギターだし、このままでもいいかぁ〜...。」と思っていた私であったが、その時、はたと思いついたとある人物が...。「よし、やっぱり改造しようかなぁ...。ダメもとでいつかお願いしてみよう!」と堅く決意した私であった...。
 
(以上、2003年07月22日 記)
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